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入試シリーズ。リケジョが女子率2割の壁をこえない理由。経団連と大学は女子学生の個人責任にしてほしくない。


◯はじめに

リケジョをなかったことにしている関係者たちへの怒りの叫びでもあるのでご承知くださいませ。
ここでは、リケジョを医療系・看護系を除いた理工系に限定
そもそも医系と理系は違うし。大学は都内国立大学に限定
(全国的にも似たり寄ったりの状況です)
大学は経団連に叱られて女子率をあげようと必死だ。内閣府も男女参画などはじめたが増えない。以下は、私の経験のリケジョが増えない理由。

◯リケジョが増えない理由

1・文科省の責任:男子優遇の理数カリキュラム制度
2・経団連の責任:企業が女子を締め出していた
3・国家の戦略ミス:有効な国家資格が取れない

1により中高一貫のカリキュラム経由でしかリケジョが排出できない
   女子の成長と理数の授業があっていない。特に高2で物理開始は身体成長の
   早い女子には遅い。小中にもっとカリキュラムをつめこんだほうがよい。
2により母親が娘がリケジョになることに賛成しない。
   女子の大学進学実績が上がったといっても文系。母親世代にリケジョが
   いない。
3により医学・薬学に数少ない理系女子が流れる

これらにより、工業系女性技術者が少なく偏った商品開発・経営となり
社会全体が不利益を受けている。

◯都内国立大学の努力は涙ぐましい。

・「この棟に女子トイレはありません」と張り紙する。
         →  マジックの殴り書き掲示はやめたほうがいい。
               女子向けメッセージはカラフルで綺麗が好ましいです。
・女子トイレ改築。
         →  女子トイレの壁一面を濃桃に塗るその発想がジェンダーOUT。
            「女子=ピンク」にJKはひきます。連携女子大教授による学内
              ジ ェンダーチェックをうけたほうが良いです。
・女子寮新設。       →  値段が高い。
・JK向けにイベントを開く。  →男子高校生は参加不可。
・学内保育園を作る。
               →てくてく保育園。赤ちゃんは二本足歩行ロボか。
                 東大は複数園あり、うらやましい。
       
男性教授による女子学生獲得作戦が多いようだが、本気で「住まいとトイレとイベント」があれば女子高校生が増殖すると考えているのだろうか? 

◯験理由1:理系科目の単位が重い

文系と理系の単位数が違いすぎる。理系の単位数は重い。
センター改革前にこの問題を解決してほしい。
2次試験は数学Ⅲ・化学・物理だが、文科省の定める基本単位は、
数学Ⅲ 5単位。化学・物理で各4単位。計13単位が必須となる。
短期間で重い単位の勉強をするには、体力・時間勝負になる。
体調が一定の男子に比べ、女子は不利。


筋肉量ハンディ
高校生になると男女で筋肉量に差が出る、男子は筋肉で行動してるため速。
夫は食事+風呂で計20分、私は食事+風呂+髪乾燥で90分かかっていたので、それだけでも日々の勉強時間確保が違うと思ったものだった。

文理の単位数の差が大きいと、体力のない女子は相対的に不利になる。
センター試験が文系は基礎理科2教科になるなど見直しはされたが、
基本的には理系のほうが科目負担が大きいのは是正されていない。
違うというのなら、すべての文系学生にも数Ⅲ履修を必須にすべきだ。

日本は大学生比率「文系:理系=8:2」といわれている。
理系は実験・装置維持にカネがかかる。高等教育にお金をかけない国なので理系人数を多くすることはできない。理系の学問は、多くの文系学生の授業料を吸い上げ成立している情けない状況である。技術立国とは寒々しい。
文句はカネを出さない内閣府・財務省に言ってください。

これは予備校も一緒。
東大理類の受験科目は、センター 5教科7科目 + 2次試験 4教科。
理類2次試験教科は、英語・英語ヒアリング・現国・古文・漢文・数学IA・数学ⅡB、数学Ⅲ、化学・物理。
(東大は教養学部健在により他科目・他教科受験可)
授業料は文系学生とほぼ同じなのだ。

生理ハンディ(現在、少)
生理で月一度体調に異変をきたすため体力的ハンディがある。また、国立大学はセンター試験2日、2次試験2日と合計4日。生理が当たる確率が高く高得点争いに参加しにくかった。しかし、現在は、低用量ピルが入手しやすくなった・試験会場の工夫などで女子ハンディは改善しつつある。

家庭科ハンディ(現在、無)
現在、家庭科は男女平等の必須科目だが、ひと昔前、女子だけに家庭科が課せられていた。期末試験は物理選択女子の試験科目数は最多だった。女は理工系に進学するなと言わんばかりね。

◯体験理由2:公立生としての不利益授業進度が遅い。

公立高校なら超進学校でも数Ⅲは高3夏までかかる。
物理は秋頃、センターちょい前に範囲終了。
3年間しかなく行事には高3生も参加するため、しかたがない。

過去問をやり込めていないうえに、
数Ⅲ微積を利用し物理をとくことができず玉砕。
浪人必須。「公立 4年制高校」と言われるゆえんだ。

例えるなら、中学受験算数を方程式を使わず面積図で解くようなものだ。
中学受験はいい、多くが面積図を使うから。
しかし、大学受験には浪人と中高一貫生がいる。
彼らは微積を使いこなし物理をスピーディーに解く。
ちなみに、大学もこの差は知っている。知ってて黙認している。

過去問をやりこめているか、化学や物理で得点できるか、できないか、
理工系の現役生と浪人生の違いはこれだけである。(なお、これだけでない高校生の場合、浪人しても成績は伸びにくいといえる)

中高一貫生は5年間で授業を終え、高3の1年間を過去問に費やせる。
女子は、生活に時間のかかるため短期決戦に向いてない。
女子は、長期戦に持ち込める中高一貫教育があっているのだろう。
よって、女子が公立中学・公立高校と3年毎に分断された公立コースで
理工系へ進学するのはかなり困難となる


中高一貫は高2で行事がほぼ完了。高3は受験モード。
開成では高3の5月の体育祭がラスト行事、後は受験モードとなる。
開成男子軍団400人が夏前から過去問対策してくる。圧倒的なカリキュラム差だ。中高一貫生の1浪とは、公立高校生の2浪分に相当するだろう。

これらを鑑みると、実は元の能力差はあまりないのだ。
早期教育、均一性の高い良い環境、効率の良いカリキュラムを付与されたかどうか、最高学歴を手に入れるのは、そこが大きく違うとも言えるだろう。

かたや、公立高校生は授業も一周しておらず、高3秋まで体育祭だの文化祭に全力投球中。よって英語苦手な公立生は、数学理科のやりこみ不足により現役合格はほぼ不可となるが、公立高校教員は知ってて黙す。
(理Ⅲ常連のツクコマも同様。しかし国大附は学校と教員がジャマをしないという環境提供がある。都立はガチガチ管理、全日制学年制で授業をとらないなどの選択はききにくい。どちらがよいか分かれる所だが都立は一般理Ⅲが出にくいところを見ると日本史必須などカリキュラム詰め込み過ぎなのかもしれない。教養主義とも言う)

ちなみにカリキュラムの差は学生のせいではない。
これだけのハンディがあることを知りながら、役人・教員は黙認。
高校説明会でカリキュラムのハンディ差の説明は一切ない。知らぬが仏、
今更言っても遅いからと、そのまま大学受験へ突入させる。

そもそも進学校の公立高校は元男子校であることが多く、部活動・行事・
カリキュラムなにもかもが男子向け設計となっている

(埼玉県の一女など、女子公立進学校は除く。東京都では武蔵、白鷗などが元女子校だったはず。今も一番にはさせない2番手ポジション設計)
公立高校生男子が偏差値爆上げすることがあるのは、筋肉成長とリンクさせた男子にあう学びのサイクルだからだ。「学校制度が徴兵制度」と関係があたっためしかたないけど、そろそろ変わりませんか?


体験理由3:女子は公立高校不合格の場合、進学先がない

都内私学で理系進学希望女子を受け入れてくれているのは豊島岡女子だけ。
女子校の中等教育一貫校で高校受験生は受け付けない。都内23校の女子中高一貫校が高校受験を行わず門前払いだ。
これが女子が中学受験に駆り立てられる要因のひとつでもある

男子も年々高校募集を取りやめている。海城高校、本郷高校など。

しかし、私学無償化にもなった昨今、これは憤慨ものだ。結果として、
税金投入されている女子中等教育一貫校が、女子の理工系進路妨害に加担している。東京都都知事に認可権があるが、東京都はなにも指導はしていないようだ(小池知事は私学派)

男子の場合、滑り止めでも私立の進学校が受け皿となってくれるため
大学受験で理工系へのチャレンジ権が保有され、リベンジチャンスが与えられる。しかし女子の場合、
高校受験の失敗=大学受験の理工系チャレンジ権喪失。はい脱落。

女子の場合、中学受験で中高一貫校にはいらないと国立医学部・国立大理工学部に行ける可能性は低くなる(国医はほぼゼロ)。女子排除は大学医学部だけではない。女子用ゲートが狭く設計されているため、小学生、中学生で選別・排除されているのだ。

男は理系、女は文系時代のままの教育制度設計なのだ。

体験理由4:滑り止め高校は物理が学べない。

男女共通だが、滑り止め私立高校へ進学した場合、理工系へ進むのは困難になるお金がかかるため理科教員を4教科分そろえておらず、物理が学べない学校もある。

◯体験理由5:公立中学の進路指導が理工系志望を潰している

中学教員に理工系学部卒の教員は少なく、滑り止め私立を平気で勧めてくる。すっとんきょうな進路指導で理工系進学希望の学生の芽を摘みつづけている。公立中学教員に医学部、理工系学部への適切な進路指導はまったくのぞめない。進路指導は外部委託したほうが良いのでは、とも思う。
滑り止め私立の希望は、3教科による早慶SMART合格だ。科目数が少なく教員人件費が安くすみ、大学ネームバリューは高く次年度の集客率がよくなるのでコスパがよいのだ。

◯つまり、男女共通で都立進学高校を受験し不合格で滑り止めの私立高校に行くということは、二次試験で物理指定の国立大理工系学部受験ができないことを意味する。

しかも、都立高校は高校浪人を許可しない制度となっている。
つまり、東京は特に公立高校経由で
理系が育ちにくい制度になっている。
都立高校入学後に生徒のケツをたたくが、選抜時に理系排除しているのでどうしようもない。これは現場教員なら周知。
東京は立法、法律の中心であることと、教育現場で文系が強いことは関係があるだろう。私文法学部も東京はダントツ多い。

体験理由6:塾によるが、高校受験の最難関コースに女子は入れない。

大学受験は男女混合だが、高校受験では男女別枠なのだ。それにより
数学得意な女子は、お金を出して通っている塾からも難問の学びから
排除される。
(都立高校は男女別枠募集、私学高校は男子校、女子校と別学校)

最高峰は男子校、開成高校と筑波大駒場高校。5教科。
女子最高峰は慶応女子高校(3教科)だが数学は最難関とは言えない。
お得情報となるが、
慶応大学に英語苦手女子が入るには、慶応女子高校ルートがおすすめである。3教科各100点の均等配点のため、英語苦手でも数学リカバリー可能。
模試も数学満点ならA判。数学範囲は中学+高1程度、大学受験の数学に
比べ狭く簡単である。しかも高校受験フィールドに数学得意男子はいない。
ただし数学が簡単だとこの方法は使えない。
数学易・英語難の年は、東大に公立生が合格しやすくなるのと同じ。
ただし、英語苦手女子が慶應に入って幸福かどうかはしらない。
ちなみに慶應大理工学部は日吉キャンパス。三田キャンではない。

◯体験理由7:理数系だけが得意女子は公立高校入試で苦戦する。

なぜなら5教科各100点で、比率は文系科目(国英社)が高いからだ。
理科は物理・化学・生物・地学と各25点になる。物理+化学では50点しかとれない。数学が100点でも理数で確保できるのはMAX150点のみ。
同様に内申も理数しかよくない場合、内申ハンター女子の中では冴えるところがなく、落ちる確率は上がる。

このタイプの女子があきらめずに東工大、英語ができれば東大を狙うんですがね。切り捨ててどうする。

◯体験理由8:都立高校の受験科目順番は理系に不向き。

国数理社英の受験順番は都道府県ごとに違う。別述。東京都は文系優遇の科目順番となっているため、数学得意&英語苦手だと、解きづらいと感じる子どもがいる。

◯体験からの結論1:

文理混合で募集する高校受験で、理工系希望者は苦戦する。不合格となり
滑り止め高校へ泣く泣く進学した結果、理工系進学そのものを断念せざるをえない。特に女子。


大学受験になると理工系志望学生は喜びの声を上げる。
センター試験は理系学生主軸の科目配置。1日目文系科目。2日目理系科目。
しかも、文系学生より開始時刻が遅い。
朝が苦手な思考型学生には超うれしい。遅刻の心配もない、苦手な文系科目が理数科目とサンドイッチになってることもない、1日目に文系科目を片付けてしまえば、2日目はまかせろ!!
(国立大学は理系進学しやすい設計となっているが、反対に文系学生には壁があるといえる)

◯体験からの結論2:

理数のみ得意な理工系女子は、高校段階で排除されている。大学受験ゲートまでたどりつけない。理数のみ得意な理工系女子は、高校段階で排除されている。
大学受験ゲートまでたどりつけない。
カリキュラムの壁、体力の壁、受験制度の壁、英語苦手で数学得意な公立女子は、脱落するようになっている。

大学も文科省もわかっている。なぜなら女子率2割の中身は
私学中高一貫生女子が多数で公立高校女子は稀だ。

これは、私学中高一貫女子校が理数育成教育をしているのではない。
女子のための教育と言いつつ高校受験の門戸を閉め、女子排除を続ける中高一貫校女子校こそが女子の理数系の学びを歪めているのだ。
私学無償化で税金投入されながら、受験生制限をもうけるのはダメです。


大学も文科省も見て見ぬふりを続けている。
公立高校出身のリケジョはいるというのだ。
しかし、それは公立は公立でも国大附高校の女子だ。
学芸大附属、筑波大附属、お茶の水女子大附属、これらは附属校のため、
中には中高一貫生も混じっているだろう(ただし先取り授業はしてない)。

統計をごまかすな。首都圏の国立大学の理工系女子の出身高校を、
私立・公立の2分類ではなく、
私立・国立・県立・高認別の4分類で公開してみろ。

大学は、入学者の学部別の男女数しか公表していない。
私立・国立・県立・高認別といった出身高校の属性別集計は出していない。

公立高校は、学部別の進学実績を男女別に公開してない。
つまり、非常に都合が悪いのだ。
ちなみに数年前の話ではあるが、都立進学重点指定校の年配教員が「教員はどんな生徒も大事だから、男女別集計は取っていません」と言った呆れる。(ク◯タ◯高校の年配男性教諭、最近の若手教員は優秀)


公立経由の理系女子というマイノリィテーをなかったことにしないで大事にしたほうがいい。公立出身の特徴として「国公立にこだわる」ってのがある。すそのの小さい山は高くならない。文系ママからリケジョは育ちにくい。これだけのハンディを超えなければならないなら、リケジョ育成には
親子2世代という時間が必要でしょう。

◯今後の見通し


中高一貫女子校は利発なため医学部希望で、ダメでも歯学・薬学・バイオ・看護へ進学する。英語が得意な子が多いため進学先学部に苦労してない。
理工系は勉強大変バイトできない、資格取れない、キャンパスや研究所は田舎、院まで行って6年間、とデメリットが多い。きらきら研究をぶら下げられても女子は食いつかないと思います(^^)。
2次試験の受験科目いっしょなんだから医科大と提携して
「女子専用、医学部特別編入枠、限定◯人」を作ったら人気出ると思う。


高大連携はがんばってる感あるけど、入り口締めて出口で吸引器あてられてもね。東大の松本理事 副学長は「(女子が増える)いいアイディアがあれば教えてほしい」とおっしゃっているが、限られたパイ争いでは限界があり成果はすくないでしょう。

お膝元東京の公立経由の女子を増やせていないのに全国の優秀な女子を呼び寄せるという発想がずれている。地方の優秀な女子は、地方の宝なので簡単に手放しません。