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Genesis - Jesus He Knows Me: 信仰は金で買えるのか

稀代のドラマーであるフィル・コリンズがフロントマンを務めるバンドGenesis。代表曲は多数ありますが、MVも含めて特に印象的なのはやはりJesus He Knows Meでしょう。

TV伝道師を痛烈に皮肉る歌詞と映像では、宗教活動と拝金主義が混じり合って描かれています。資本主義的な側面とは切り離して考えられることの多い宗教ですが、実態として運営資金や信者拡大には広告等の経済活動が必要になっています。

そんな中で有用な存在となったのがラジオやテレビでの布教活動のようです。集会に行く必要も無く、家の中に届けられるメディアの発達は接点を増やす便利な道具となり、そこに参加する伝道師はMVで描かれるようなスターとして名を広めたことでしょう。

「神に近づきたければ、汝膝をついて支払いなさい」とある歌詞のように、寄付は電話口等で簡単に行えたようです。題材となっているであろうキリスト教には明るくないのですが、昔から免罪符等を売っていたのですから寄付を呼び掛けるのも不思議ではありません。
経典に伝道師の取り分が明記されていない以上、彼らはいくらでも利益を生み出せたはずですから、このMVでの生活もそこまで誇張されている訳では無いかもしれません。

信仰対象に財をつぎ込むという行為は、今で言う「推し活」に近い感覚かもしれません。支払った金額に応じて何が変わるのかは自分には理解できませんが、当人達さえ幸せならそれは素晴らしい事だと思います。元々価値の無いものに値札を付けて売り捌くのはビジネスの起源でもあります。

信仰対象が神だろうが配信者だろうが政治思想だろうが、他の考えに同調出来て尚且つコミュニティの仲間も作れるなら、相応の金を払うのも高くない買い物かもしれません。自分も精神面が不安定になった際に依存できる信仰対象を、健康なうちに探しておいたほうが良いのでしょうか。

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