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絵本の効能 『ふうしてあそぼ』

普段、私は本は別に「役に」たたなくてもいい、なにか心に作用するものがあれば、と思って本を読んでいます。なんにも残らなかったとしても、その時間が無駄だったともあまり思わないのは、単純に読むという行為が好きだからということもあるかも。

一方で、本を作り、売る立場の自分としては、少しでも、何らかの形で誰かの役に立つものであってほしい、と思います。そうでなくては売れないでしょうし、読んでくれた人に申し訳ない…。

例えば絵本では、単純に楽しい面白いという以外に、知育という機能があったりします。情操教育、道徳教育もあれば、時計の見方や数の概念を学べるものがあったり。

なので、絵本において、心や頭に「役に立つ」という認識はあったのですが、先日驚く発見がありました。

X(旧Twitter)で、地域の児童発達支援センターの方と思われる方が、小児科医のおすすめで『ふうしてあそぼ』を使ったというポスト。ふぅーという呼吸の遊びが、発達にいい作用をするというような内容でした。
エンブックス発行の『ふうしてあそぼ』は「ふうーっ」と息を吹きかけて遊ぶ、赤ちゃん向け体感型絵本。先日5刷の重版があって、3万部になった人気絵本です。

そうなんだ??と思った私は、その方面に詳しそうな人…ということで、児童書好きで知らない人はいないであろう絵本ナビに勤める友人に、話題を投げてみました。すごく興味をもってくれ、さっそく絵本専門士さんたちに聞いてみてくれました。するとさらに驚くような反応が!

特別支援学校勤務の学校司書です。『ふうしてあそぼ』は、教員からの相談で、刊行を待ってすぐ購入し、まさにその様な用途で利用していました。

保健師をしています。 言葉がゆっくりだったり、発達がゆっくりで幼く流涎が続いているお子さんなどに、口周囲のトレーニングのために口を窄めてふぅーとすることをお伝えします。 吹き戻しやストローでの魚釣りなどと同様、絵本を楽しみながらいろいろな強さでふぅ〜と言うことで、口周囲のトレーニングになるので、使われると思います。

児童発達支援センター以外にも、特別支援学校、言語聴覚士、作業療法士なども訓練に絵本を使うことがあります

発達面での不器用さがあるお子さんは、何かをしていると呼吸が浅くなったり、お喋りに夢中になると息があがったり、不器用故に動作と呼吸のバランスが少しとりにくい様子があるので、呼吸を意識する息を吐くなどの時に使うこともあると思います。 口周りのトレーニングに、呼吸の調節の練習に、などの表記で療育を受けている保護者の目に留まることもあるかもしれません。

口周りのトレーニング…!
『ふうしてあそぼ』は私も大好きで、親子で一緒に遊ぶように読めるのがすごく楽しくて良いと思っていましたが、そんな役立て方があったとは…!
この絵本でトレーニングが楽しくできるなんて、なんとうれしいことでしょう…!さっそくエンブックスさんとこの話を共有して盛り上がりました。

この記事を読んで知ってくださった方に、児童発達支援センターや特別支援学校におつとめの方、言語聴覚士、作業療法士の方がいたらうれしい。
ご自身でなくても、興味を持ってくださった方は、この絵本にこんな使い方があるよ!ということを広めていただけたらいうれしいです。

注文したい!という方は下記情報を書店さんへお知らせください。重版したばっかりなので、まとまった数の注文も対応可能です!
オンライン書店でも注文できますし、エンブックスさんのHPからの購入も可能です。

ふうしてあそぼ
さく/はるのまい
発行 エンブックス / 発売 メディアパル
ISBN978-4-8021-3119-3  B5変判・上製
定価1,320円(本体1,200円+税10%)

本の可能性って、いろいろあるんですね。読者の方、利用者の方から教えられることがたくさんあるので、ほかにもなにか気付いたことがあったら教えていただけたらうれしい!
ぜひぜひよろしくお願いいたします。


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