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医師国家試験向け Sjögren症候群の合併症の覚え方

Sjögren症候群は腺・管に攻撃する


Sjögren症候群の合併症(自己免疫性膵炎や悪性リンパ腫…その他)は医師国家試験の頻出問題の1つです。しかし、なかなか合併症を起こす臓器も多くて難しいですよね。

うまい覚え方としては全て「管」か「腺」が関わっているということです。
(例外:合併しやすい関節リウマチSLEなどは理屈抜きに暗記。)

血管炎 → 血(管)
自己免疫性膵炎 → 膵外分泌(腺)細胞
原発性硬化性胆管炎 → 胆(管)・胆管周囲付属(腺)
唾液腺障害 → 唾液(腺)(管)
悪性リンパ腫 → 耳下(腺)付近のリンパ(管)
間質性肺炎 → 肺気管支外分泌(腺)細胞¹
橋本病 → 甲状(腺)細胞
尿細管性アシドーシス → 尿細(管)
膣乾燥 → バルトリン(腺)

実際にはいくつかの合併症は違う機序かもしれませんが,実際に管・腺構造に集中して合併しているのでもしかすると共通する抗原があるのかもしれませんね。ちなみに,Sjögren症候群では実際に肺気管支の外分泌腺に対する障害が病理学的に認められています¹。

Sjögren症候群に合併する悪性リンパ腫の特徴

Sjögren症候群に合併する悪性リンパ腫は,主にMALTリンパ腫で,耳下腺領域に局在しやすいという報告があります。すなわち,耳下腺や唾液腺を攻撃するリンパ球が異常増殖する結果,リンパ腫になると考えると納得はできます(実際の機序は不明)。以下はpSS(Sjögren症候群)では耳下腺にMALTリンパ腫が発生しやすいという文献原文です。
「Salivary glands (parotid and sub-mandibular), the target organ of the disease, is the most frequent localization of MALT lymphomas in pSS but other mucosal sites could be affected, such as orbits, naso-pharynx, stomach, thyroid and lung².」

参考
1)DOI: 10.1183/16000617.0011-2016
2)https://doi.org/10.1111/bjh.13192

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