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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#12

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 遠隔医療・在宅医療の技術開発と導入が進む

  • 坪田ラボ、光照射技術でフェムテック領域にも

  • 文科省の高度医療人材養成事業(医師養成課程充実のための教育環境整備)にて進む各大学での手術支援ロボット導入

です。



・医療AI

NEC、生成AIを搭載した電子カルテシステム「MegaOak/iS」の販売を開始 (2024.03.18)

https://jpn.nec.com/press/202403/20240318_01.html

「生成AIを搭載した電子カルテシステムの販売は国内初」とのことです。
「診療情報提供書(紹介状)と退院サマリに活用できる文章案を自動生成」する機能からスタート。

A hotspot for research and development of medical AI (2024.03.13)

Natureの広告記事ですが、東北大学、NEC、レナサイエンス等の協働による糖尿病インスリン治療支援AIと維持血液透析支援AIなどの紹介です。
日本語版(pdf)は

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS09109/46789a98/b40b/4a99/83f4/3c615aed92df/140120240318555279.pdf

Johnson & Johnson MedTech working with NVIDIA to scale AI for surgery (2024.03.18)

https://www.jnjmedtech.com/en-US/news-events/johnson-johnson-medtech-working-nvidia-scale-ai-surgery

手術用エッジAIの開発を加速化するための協業が発表されました。

「supporting increased access to real-time analysis and global availability of AI algorithms for surgical decision-making, education, and collaboration across the connected operating room (OR).」

Johnson & Johnson MedTech Press Release

富士フイルムと名古屋市立大学 脳脊髄液腔の各領域を抽出するAI技術を共同開発 ハキム病(特発性正常圧水頭症:iNPH)の診断精度向上に期待 (2024.03.18)

「本技術は、頭部MRI画像からDESHに関係する各領域のアノテーション作業を効率的に行い作成したデータをAIに学習させて開発したもので、MRI画像から脳脊髄液腔の各領域を抽出できます。さらに、領域ごとの体積や領域間の体積比を算出することにより、脳萎縮とハキム病を判別するのに重要な画像所見であるDESHの判定に大きく寄与し、ハキム病の診断精度向上につながることが期待できます。」

富士フイルム プレスリリース

TEDxVitosha 2024にAI医療機器を開発するアイリス代表の沖山が登壇 (2024.03.21)

沖山CEOのご講演はYoutubeで見られます。

内視鏡AIで胃がんの早期発見を 性能の評価が異なり承認取得で苦労 (2024.03.21)

AIMのgastroAI-model G発表会の取材です。「鑑別AI」から「検出AI」への承認申請戦略変更などが紹介されています。
(日経クロステック2024.03.06の記事↓の要約版です)

NECと東京医科歯科大学、AIにより慢性腰痛のセルフケアを支援する技術を開発 ~スマートフォンで在宅でも迅速に原因を推定し、改善運動を推薦~ (2024.03.21)

本技術は、NECの持つ2D/3D骨格推定技術や仮説推論技術などの最先端AIと、TMDUが有する医学的知見をもとに開発したものです。スマートフォンやタブレット端末のカメラで撮影した自身の映像をもとに、骨格の推定、身体の部位ごとの状態評価、慢性腰痛の原因推定を自動で行い、症状に応じた運動プログラムを提示します。

東京医科歯科大学 プレスリリース

「未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクト」が支援! AIメディカルサービスの内視鏡AIが目指す、胃がんの見逃しゼロの未来 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.03.21)

防犯カメラ映像から認知症患者を発見、富士通がシステム開発へ…歩き方の特徴をAI学習 : 読売新聞オンライン (2024.03.23)

2月15日にプレスリリース↓されました。歩容分析による 認知症検知技術です。


・SaMD・DTx

DTx WEST 2024に参加してきました! | Digical Health Times (2024.03.19)

・医療者のBurn-outをいかに防ぐか?
・各国のDTx関連規制制度
などの話題があったそうです。


・手術支援ロボット

遠隔操作で内視鏡手術が行える支援ロボット「サロア」体験会 広島・福山市(広島テレビ ニュース) (2024.03.19)

只野社長も出演。遠隔手術への応用も触れられていますが、触覚機能を中心としたご紹介です。


・デジタル医療

Join導入医療機関で、医師の働き方が効率的に不要不急な呼び出し85%削減をはじめ、医師の負担軽減を実現 〜ICTを活用した遠隔医療で医師の働き方改革に貢献〜 (2024.03.19)

医師の働き方改革に向けての医療DX技術です。

生成AIを活用 模擬患者アバターで医学生の実践力育成へ | テレビ長崎 (2024.03.19)

模擬患者アバターでの医学教育です。
医師アバターによる治療説明動画生成など(凸版印刷や医薬基盤・健康・栄養研究所などで事例あり)、アバターの医療応用シーンが増えています。

事例:凸版印刷 × 北大病院 (渡邊 祐介先生)

事例:医薬基盤・健康・栄養研究所 × 大阪がんセンター × 日本IBM × TXP Medical

電子版お薬手帳を基盤としたPHR活用による「薬剤安全の世界」の実現 京都大学医学部附属病院、シミック、harmo連携協定を締結 (2024.03.18)

「電子版お薬手帳を基盤としたPHRサービス「harmoおくすり手帳」を導入し、患者さんの調剤情報等(PHR)を電子的に電子カルテに転記するフローを確認」

シミックグループ プレスリリース

シャント音を数値化する電子聴診器「HVSIモニタ」を販売開始 | エア・ウォーター (2024.03.22)

シャント血管での異常を早期発見する医療機器です。

こういった医療技術のDXが医療の品質確保とともに、医療従事者の働き方改革にも貢献することが期待できると思います。

「人工透析の際 に十分な血液量を確保するために作製する患者さまの動脈と静脈を直接つなぎ合わせた「シャント血管」で生じる音である「シャント音」を、内蔵したアルゴリズムを用いて数値化する医療機器」

「「HVSIモニタ」は、エア・ウォーター・メディカルが昨年の事業再編後、同社として新たに開発した初の医療機器です。当社ヘルスケア開発センターが有する音の技術を活用し、聴診器本体に音響解析機能を搭載することで、シャント音を数値化しました。これまで主観的・定性的であった聴診情報を客観的・定量的に測定可能にすることで、遠隔・在宅医療体制の充実にもつなげていきます。」

エア・ウォーター プレスリリース


・遠隔医療

青森県・公立七戸病院にリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を県内初導入 ~「企業版ふるさと納税」制度を活用した寄附。地域での医療アクセス向上に貢献~(2024.3.15)

先日の福岡での周産期・新生児医療での地域医療連携に関する共同研究に続いて、青森でもテラドックヘルスのニュースです。

テルモ、患者の状態を遠隔で把握 医師の働き方改革支援 - 日本経済新聞 (2024.03.18)

フロンティア・フィールド(東京・港)と資本業務提携。

「テルモの機器をフロンティア・フィールドのスマホサービスと連携し、患者への薬剤投与の状況や、血圧などの生体情報を遠隔で確認できるサービスなどを検討している。」

日本経済新聞

リーガルテック社、「リーガルテックVDR 医療・ヘルスケア」を用いて、DICOM、CTDなど医療データ共有で遠隔ケアを支援 (2024.03.29)

セキュアな遠隔医療情報共有システムです。
VDR(Virtual Data Room)の世界市場は2021年16億ドルから5年で倍増の見通しとのこと。

医療機器搭載車両で遠隔診療 秋田大学医学部付属病院が医療マース開始 県内2例目 (2024.03.20)

自動車大国でもある本邦で、医療MaaSが遠隔診療の一形態としてこの先も普及が進むかどうか注目しています。普及には何が必要で何が障害となるかの見極めが必要でしょうか。


・スリープテック

睡眠時無呼吸症候群の評価における在宅用睡眠時脳波測定の有効性を確認 (2024.03.21)

遠隔医療で活用できる睡眠時脳波測定が、睡眠時無呼吸症候群患者の早期発見や睡眠評価に十分な精度を有していることを確認しました。本研究の成果は、2024年2月12日付けで、Scientific Reports誌に公開されました(URL:https://doi.org/10.1038/s41598-024-53827-1)。

株式会社S'UIMIN プレスリリース


・VR/XR

ソニー、PS VR2の生産休止か VR市場の将来に暗雲 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.03.19)

記事内ではゲーム業界での話のみですが…
ソニーはディスプレイやカメラで医療系に参入していますが(昨年の内視鏡外科学会総会では内視鏡ホルダロボットも参考出展)、医療VR/XRには参入しないのでしょうか。(PS VR2が使用されている医学教育VRサービス等は現在ないのでしょうか)

VR技術使った手術シミュレーションも 最先端の医療技術を体験できるフォーラム(KKT熊本県民テレビ) (2024.03.19)

済生会熊本病院の「未来連携フォーラム」。
展示の医療VRはHoloeyes MDのようです。

医療VRのジョリーグッド(2)タイでの事業機会と今後の展望 | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ (2024.03.22)

VRが日本の他の医療機器や医療技術の海外展開にも貢献する可能性も感じさせます。


・フェムテック

新規事業 女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業支援対象事業が決定しました | 東京都 (2024.03.19)

坪田ラボがこの分野にも進出です。光照射での月経不順治療。


・スタートアップ

【最新】ヘルステックのスタートアップ企業11選!注目度の高い企業を紹介 | 創業手帳 (2024.03.19)

オンライン/遠隔医療等が中心の企業紹介となっています。
(SaMD/DTxや診断・治療技術系はアイリスくらい)

異例の新スタートアップ支援拠点「STATION Ai」が愛知の磁場に 大企業や金融人材も迎える理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.03.22)

昨年お招きいただいた名工大・名古屋大医学系研究科合同シンポジウムでも、眼の前の鶴舞公園に設立されるSTATION Aiのお話を伺いました。
既に登録されているスタートアップもかなりの数で、どのようなイノベーション創出に繋がっていくか期待しているところです。

「愛知県は、既存産業の基盤が強い地域です。地域に根づく企業をどう巻き込んでいくか、が課題になってきます。一方、スタートアップは特にインターネットの発展とともにソフトウェア産業の分野で伸びてきました。両者をどう接続させていくかが、課題だと言えます。」

Forbes JAPAN



・研究・大学

医療インプラント向けに、ワイヤレスで2種類の電力供給源を持つ装置を開発 - fabcross for エンジニア (2024.03.18)

磁歪性層と圧電層の組み合わせにより、低周波磁場と超音波の2つのエネルギーソースから無線電力変換できる新たなデバイスだそうです。

ペンシルバニア州立大学のプレスリリースはこちら。
NSFのほか、DARPA・Armyからも支援を受けているというところが日本にないアメリカの強みと…

「高度医療人材養成事業(医師養成課程充実のための教育環境整備)」の選定について | 文部科学省 (2024.03.19)

「大学病院における医学生の教育・研究環境の充実等を図る」ための整備事業ですが、結構ロボット買ってますね。

ロボットの記載がある大学が24大学/77大学。3割強。

具体的な機種名が出ている

・da Vinci(山梨大、琉球大、福島県立医大、自治医大、昭和大、産業医大、福岡大)
・hinotori(弘前大、名古屋市立大、国際医療福祉大、東海大、関西医大、近畿大、兵庫医大)
・HUGO RAS(東邦大)

の他、整形外科手術支援/人工関節手術支援ロボットシステムも。
九大は眼科用のOQrimoですね。

北海道大学病院、企業と医療機器開発 - 日本経済新聞 (2024.03.20)

医療機器開発推進センターのご紹介です。

「北海道大学病院の医療機器開発推進センターでは、民間企業などと新たな機器開発の計画や製品化に向けた検証を手掛けている。医療現場のニーズと企業の研究シーズのマッチングも図るなど、国産医療機器開発の一翼を担っている。日本で唯一、献体を使用した医療機器の開発研究ができる拠点でもある。」

日本経済新聞

世界初、米男性へのブタ腎臓移植に成功 病院発表 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.03.22)

「ヒト以外の臓器を人体に移植する「異種移植」は近年ますます研究が進み、治験段階に移っている。米食品医薬品局(FDA)は異種移植を直接承認してはいないが、病気によって命が脅かされている患者が実験的治療を受けることを認めるFDAの「人道的使用(compassionate use)」条項に基づき、治験を許可している。」

Forbes JAPAN

思考だけでチェス…ニューラリンク、脳インプラント患者の動画公開:時事ドットコム (2024.03.22)

ビジネスに繋がるところまで進むのでしょうか…

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