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九大七不思議調査File~九大生協の『ひとことカード』はなぜバズる?~


 こんにちは。まもなく3年生、九大生調査員のこーすけです。春も近づき、新たな九大生の皆さんもこの記事をご覧になっているかもしれません。そんないわば九大ルーキーの皆さんを支えてくれるのが「生協」こと、九州大学生活協同組合です。学校生活を保障してくれる保険や、教材の購入、住居の斡旋等、大学生の生活を常に支えてくれているのが九大生協なのです。
 そんな九大生協のうち、メインとなる店舗、皎皎舎(こうこうしゃ)店には、ちょっとした有名スポットがあります。

Twitterでよく見る風景。

そう、「ひとことカード」です。生協の職員さんに、組合員からの声を届ける、というもので、全国的に行われている取り組みなんです。このひとことカードを有名にしたのが、「生協の白石さん」。東京農工大生協時代のユニークな回答が話題を呼び、書籍化までされました。そしてそのユニーク回答は、なんと九大生協においても「バズ」っているんです…!

例えば、こちらの投稿。恋人への返信が面倒、という生協には全く関係なさそうな質問に、「想定問答集を作って公式アカウント化すれば乗り切れる」という衝撃的なライフハックを回答しています。このほかにも、「ヨーグルトチキン丼」をリクエストした学生に必ず食べるよう脅迫じみた張り紙をするなど、ユニークさで話題を呼ぶ九大生協。その魅力はどこから来ているのか、取材を行いました。

この記事は九州大学の学生で構成されたメディアクリエイティブチーム、medien-lienのライターが、九大生が気になってしょうがないことから、明日使えるトリビアまで、徹底的に調査する「七不思議検証シリーズ」です!

『生協の木原さん』

今回取材にご協力いただいたのは、九大生協皎皎舎店に勤めていらっしゃる木原ゆたかさん。普段は書籍やパソコンなどを担当されている傍ら、ひとことカードの回答も行われています。実は、九大の経済学部出身だとか…!

こーすけ「まずは、ひとことカードの仕組みを教えてください。」
木原さん「はい。ひとことカードは、お店の回収ボックスで集めたものを、一度店長が確認します。その中から、回答できそうなものを抽出して、それぞれの店員が回答する、という形をとっています。」

 ひとことカードで届く質問は大きく分けて二つ。商品などのリクエスト、そして「ユニークな」質問です。その割合は、ほとんど半々なのだそう。木原さん自身、学生時代からひとことカードの存在は知っていたそうで、こんなエピソードが。

一時期ドリンクバーと自販機にしかない、と話題になったpop。
サントリーHPより)

木原さん「大学時代の友人がpopメロンソーダという商品をすごい好きで、生協に入れてほしい、と要望を書いたことがあったんです。ただ、そのときはダメだったんです」
こーすけ「やっぱり一々リクエストに応えるのは難しいんですかね…?」
木原さん「いえ、実はその商品に使われている着色料が大学生協の規則にひっかかっていたんです。我々は学生に向けて商品を売っているので、ただ売り上げを出すだけじゃなくて、健康だったり、いろいろなことを考えて商品を選んでいます」
気づかないところで、私たち学生は支えられているんですね…!

『ひとこと』からでも分かること

こーすけ「では、いよいよユニークな(笑)質問の方に話を移していきたいと思います。木原さんはよくこういった質問に答えられているんですか?」
木原さん「そうですね…(笑)店長に変なの、いえユニークなものを任されることが多いので、毎回どう答えようか困っています」
こーすけ「先ほどひとことカードのバックナンバーを見てきたんですが、12月は恋愛相談がとにかく多かったですね…」
木原さん「そうですね…(笑)でも、そういう質問への回答にも、ちゃんと意味があるんです」

生協の水を渡したところ、「コープの水を売ってる生協って少なくて…」とトリビアを披露してくださった木原さん。やはり面白い方でした。

木原さんによれば、ひとことカードの本来の趣旨は、①組合員が欲しい商品の調査、②組合員の考えていることの調査、の二つです。特に、大学生協は顧客が大学生・教員に限られます。その限られた顧客が今何を考え、何にハマり、どんな生活を送っているのか。学生が店に来てくれるだけでは分からないことが、何の関係もなさそうなひとことカードから、少し垣間見えるのです。

木原さん「それに、面白い回答があると、それを見に来てくれる学生もいます。やっぱり、来てもらわないことには始まりませんしね」
なるほど…ひとことカードは生協の皆さんにとっての情報源であり、お客さんの呼び水だったんですね!…あれ?

「九大生愛」はバズりを生む…?

こーすけ「もしかして、生協の職員さんはひとことカードが度々X上でバズっているのをご存じなんですか…?」
木原さん「もちろんです。大体バズったら、職員のグループチャットで誰かが報告してきます(笑)場合によっては、別大学の生協さんから『バズってますよ!!!』と連絡をいただきます」
なんと、いわゆる『九大界隈』を飛び越え、生協の職員さん方もちゃんとバズりまくっていることをご存じでした…まあ、それもそうか。では、いよいよ調査の本題です。

こーすけ「なぜ、こんなにもひとことカードはバズるんでしょうか…?」
木原さん「そうですね…九大は、特に話題になりやすいんです。何でしょう、九大生がSNS大好きなんですかね(笑)」
…非常に心に刺さるコメントを頂戴しました。私自身、Xヘビーユーザーですので、なんとなくそんな気もします。

皎皎舎店の看板娘、皎月ココちゃん。かわいい。
九大生協皎皎舎店より)

ただ、今回の取材を通して、新たな推論が浮かびました。それは、「九大生協の愛がスゴイ」ということです。このひとことカード、リクエストが半分と前述しました。私が凄いと思うのは、そのリクエストに応える割合がとても高いということです。小さなお菓子からドリンク、注文すればいいのに…と思ってしまいますが、書籍や雑誌に至るまで、かなりの数が採用されています。それだけではありません。皎皎舎店にはイメージキャラクター「ココちゃん」がいたり、他の店舗もSNSアカウントからまめに発信を行い、学生の関心を集めることに腐心しています。それらは全て、承認欲求ではなく「学生が生協を頼ってほしい」という大きな愛によって支えられているんです。その愛溢れる回答が、多くの人に「真面目」「ひたむき」という印象を与え、興味を引いているのではないでしょうか。事実、ひとことカードの回答はどれも、とても綺麗で、丁寧な字で書かれています。

そんな愛溢れる『生協の木原さん』に、最後に九大生へのエールを頂戴しました。
木原さん「失敗を恐れない、ことですかね。卒業してみて振り返ると、あの頃は失敗して落ち込んでいたことでも、大したことないんですよね。年を追うにつれて背負うものは大きくなるし、やりたいことがあるなら今やってみるのがいいと思います。大抵なんとかなりますよ!」
木原さん、そして九大生協のみなさん、いつもありがとうございます!今後もよろしくお願いします!!


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