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消化器内科をガチ解説。

消化器内科は、消化管や肝臓・胆嚢・膵臓の不調を伴う疾患を、内視鏡検査や超音波検査などを用いて診断・治療する診療科です。食べ物が通る道を主な治療分野とするので、特に身体に影響力の大きい部分を担う非常に重要な科であると言えるでしょう。

ワークライフバランス

消化器内科は、内科の中でも特に忙しい診療科の一つです。この科では、胃がん、大腸がん、膵臓がんなどの消化器系のがんに対する化学療法を含む多岐にわたる治療が行われます。

また、胆嚢炎や急性膵炎などの緊急を要する疾患に対するオンコール対応も頻繁にあり、医師は電話での相談にも対応する必要があります。

日常的な業務としては、上部および下部の消化管内視鏡検査やERCPといった診断および治療手段が含まれます。これらの検査は、消化管出血などの緊急時には夜間でも行われることが多く、医師の呼び出しが頻繁にあります。

さらに、専門外来の運営も消化器内科の重要な役割の一つです。このように多様な業務をこなす消化器内科は、内科の中でも特に多忙を極める診療科と言えるでしょう。

給料

消化器内科の医師の給与は一般的に医者の平均に近いですが、比較的高い診療報酬により、内視鏡を使ったバイト作業は特に収益性が高いです。

例として、内視鏡の使用に関する短時間バイトでは、たった3時間(午前9時から12時)の勤務で約5万円を稼ぐことができます。

また、消化器内科医の平均年収は約1500万~1600万円です。これは平均的な勤務医の年収ですが、地方では医師不足が進行しており、患者数の特に多い科である消化器内科では医師の需要が高まっているため、年収がさらに高い病院もあります。

スキル・将来性

消化器内科は手技を重視する分野で、内科の中でも特にスキルを必要とします。上部および下部消化管内視鏡、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影など、様々な手技が行われます。

これらの手技は精密で熟練を要するため、手技が好きな医学生や医師には最適です。

消化器内科の領域は将来性が高いと見られています。胃カメラや大腸カメラを用いた定期的な検診が普及しており、これにより一定の需要が継続して保たれているため、食いっぱぐれのリスクは比較的低いと言えます。

さらに、今後の進展として、AIの導入が内視鏡画像診断において進行しつつあるものの、内視鏡治療や超音波検査はAIに置き換えられる可能性が低いです。これは、内視鏡検査が多くの場合、患者が覚醒状態で行われるため、医師の即座の判断と対応が求められるためです。

一方で、遠隔手術が実施可能となり、都市部の技術の高い医師が遠隔地の手術を支援することも現実のものとなりつつあります。これらの進展と比較しても、内視鏡治療は特に人間の技術と判断が必要不可欠であり、今後もその価値は維持されるでしょう。

資格取得

消化器医学の道を目指す医学生は、初期研修を終えた後、専門的なトレーニングを受けることになります。

まず、内科専門医の資格を得るためには、初期研修終了後3年の研修期間が必要です。その後、消化器病に特化したさらに3年以上の研修を受けることで、消化器病専門医の資格を取得することができます

また、別ルートとして、初期研修後に5年以上の消化器内視鏡研修を行うことで、消化器内視鏡専門医になる道もあります。

これらのプロセスを経て、一人前の消化器専門医として活躍できるようになるまでには、少なくとも6年の時間が必要とされます。


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