リコメンデーションウィジェット型ネイティブ広告の質が悪い状態が続けば、ネット広告崩壊の危機を招く気がする件

ええ、私もごくごく短い間ですが、リコメンデーションウィジェットの広告プラットフォーム企業に勤めていましたよ。

でもそれはリコメンデーションウィジェットというのは、「適切なコンテンツを適切な相手に届ける」はずのものだと考えていたから。

その昔、AdSense for Content が出てきて、「コンテンツとマッチングする広告なんて凄いやないか!!」、「ユーザーの今起きてる興味関心(=読んでるコンテンツ)に合わせるとか、めちゃくちゃスムーズに広告見てもらえるやんか!」と興奮したわけですが、本来的にはリコメンデーションウィジェットというのはそれと同等の役割を果たすはず“だった”ものだろう、というわけですよ。

そもそも今のリコメンデーションウィジェットの原型は、ブログの下にそのブログの過去記事から関連コンテンツを表示したり、ないしは他の人のブログからも持ってきたりする、いわばYouTubeにおける関連動画みたいな存在でしたよね。でもそこにたくさんの広告が入って来てまさに「悪貨は良貨を駆逐する」状態になってきていて、当初はブランド企業の広告も多数見かけたものの、最近では巨乳のお姉さんやほうれい線や育毛やらなんかコンプレックス系商材とサプリ系の広告で埋め尽くされるようになってきてしまってます。

そして、「これはマズイだろう」と思うのが、それらの広告が編集記事の見出し枠と明確に離れた場所にあったならまだしも、隣り合わせや混ざって出てきてるんですね。

もうね、リコメンデーションウィジェット型のネイティブ広告、そろそろ編集記事の見出し枠と広告枠を明確に分けないとまずいのでは?

各事業者としては「もう分けてる」って思ってると思うけど、今のレイアウトで今の広告の質(サプリやほうれい線の広告混ざってるような状況)だと、アドブロックを助長すると思うけどなぁ。

ちなみに僕は、(ディスプレイ広告はいいんだけど)リコメンデーションの広告の写真がウザったいと見たくないものが多すぎて、アドブロック付きのブラウザを最近は使ってます。今はOperaがお気に入り。

特にモバイルの場合、画面内に占める広告の割合はデスクトップより大きいわけで、普通に社会経済政治やスポーツやカルチャーの記事を読んでるところに、汚い画像ややたらと巨乳なお姉さんの写真で埋められるのはほんとウザったい。そんなところにブランド企業の広告なんて戻ってこないだろうから、この先も結構厳しいんじゃないかなあ。

本来リコメンデーションウィジェットは、コンテンツとのマッチングとして機能していたはずなのに、最近ではオーディエンスのマッチング偏重で、かつ質の低い広告ばかりでるせいで、ネイティブ広告を嫌われものにしてる、ないしはネット広告を嫌われものにしてるプラットフォームに成り下がってる気がします。

リコメンデーションウィジェットの場合は、ディスプレイ広告と比べて一面積当たりに出る広告数が多いのでその分見たくないものが多数出ちゃうし。

まぁなんていうか、残念ですね。この状況。

リコメンデーションウィジェット(型ネイティブ広告)についてだけのガイドラインでもできないと、より広告崩壊の危機に進む気がしてほんと危ない気がしています。

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