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高齢化社会を支える『介護のほんね』にかける思い

こんにちは、メドレーで人材プラットフォーム本部を統括している石崎です。

今回は、老人ホームへの入居をサポートする『介護のほんね』について、事業責任者の下山田さんに、事業のミッションや社会的意義、今後の課題について話を聞きました。

日本の要介護(要支援)認定者数は、2023年9月時点で705万人まで伸びています*。きっと多くの方において、親族の誰かしらが介護を受けている状態になっていると思います。いざ親族の介護が深刻になったときに全面的にサポートするサービスとして『介護のほんね』は運営しています。毎年毎年相談件数は増えており、新たな仲間を募集中です。

*厚生労働省「介護保険事業状況報告 月報(暫定版)」令和5年9月分より


下山田さん

親会社の意向で全てが決まってしまう前職の環境に悶々としていたところ、メドレーからスカウトをもらう。スピーディな事業展開に惹かれ、2015年にメドレーへ入社。現在は介護のほんね推進室 室長と、ジョブメドレーセールス部 部長を兼任。


対面・非対面の双方から、入居希望者と老人ホームをつなぐ

──今の『介護のほんね』って、どんなサービスなんですか?

平たく言うと「老人ホームの紹介センター」です。入居を希望する高齢者やそのご家族と、入居者を募っている老人ホームとの間に入り、希望者の条件に合った老人ホームを紹介して入居するまでをサポートします。

完全無料のサービスで、対面型と非対面型(Web)どちらでも相談可能です。


──『介護のほんね』を立ち上げた当初は、非対面型のサポートのみでしたよね。

はい。2021年に株式会社メディパスがメドレーのグループ会社になり、メディパスが運営していた対面型の老人ホーム紹介サービス『ゴイカのかいご』を、『介護のほんね』に統合したんです。それによって『介護のほんね』は対面型・非対面型どちらでも相談できるサービスに進化しました。


──なるほど。相談者は、自宅で介護を受けている方などですか?

対面型と非対面型で異なりますが、非対面型で言えば在宅介護をしている方がメインです。介護度が上がって在宅介護が難しくなってきて、ご家族がネットで老人ホームを探し始めた……というタイミングで「入居に必要な手続きって?」「今の介護度で入居できるの?」といった切り口でのお問い合わせが多く、長期間サポートすることも珍しくありません。


──対面型では?

主に、病院のソーシャルワーカー(MSW)からお問い合わせをいただきます。ソーシャルワーカーの業務の一つである“退院調整”をサポートするかたちで、退院予定の高齢者に合った老人ホームを提案し、入居するまでをお手伝いしています。


──ソーシャルワーカーが、老人ホーム入居までの調整を全ておこなうのは難しいんですか?

ソーシャルワーカーの業務は多岐にわたるのに加えて、退院調整はすごく煩雑な業務なんです。近年は医療技術の進歩によって高齢者の抱える問題も多様化しており、老人ホーム探しの難易度も高まっていると聞きます。

実はメディパス統合時に、『ゴイカのかいご』と一緒に仲間入りした『れんけーさん』というサービスがあるんですが、これはまさに退院調整を効率化するものなんです。例えば退院後に移る病院や老人ホームを細かい条件で検索できたり、転院先候補の病院にチャットで打診できたり。

あとは『介護のほんね』と連携した「お任せ依頼」という機能もあって、退院後の施設探しや資料請求、見学調整をまるっと相談員にお任せできます。


──じゃあ『れんけーさん』がもっと病院に浸透すれば……

ソーシャルワーカーの負担を軽減できるだけでなく、『介護のほんね』との連携を通して、より多くの入居希望者をサポートしていくことができます。

『介護のほんね』関係図

DXの翻訳家となり、誰もがテクノロジーの恩恵を受けられる社会に

──メドレーのミッションは、「テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて『納得できる医療』の実現を目指します」ですよね。介護のほんねでは対面型の手厚いサポートもやっているので、一見ミッションから離れてしまっているようにも見えるような。

ITやテクノロジーって、うまく使える人にとってはすごく便利ですが、そうじゃない人も多くいて……結局は使う人のリテラシーに依存するのかなと思っています。

とくにメドレーが提供するサービスは「テクノロジーをうまく活用できたら嬉しいけど、よくわからない」といった業界や人を対象にしていることが多いです。となると、誰もがテクノロジーの恩恵を受けられるようにするには、対面でサポートする“テクノロジーの翻訳家”みたいな役割が必要になってくるんですよ。


──サービスを作って終わりではなく、しっかり使えるようにサポートすると。

『介護のほんね』の相談員は、まさに翻訳家だと思います。『ジョブメドレー』で言えばキャリアサポートも。便利なサービスがあって、それを正しく使えるようにする翻訳家がいてこそ、本当の意味でのDX推進だと思います。

そして言わずもがなですが、『介護のほんね』の非対面型に関しては、老人ホーム検索サイトとしての役割に加えて、介護をする方向けのコンテンツを提供するなど、インターネットの力をしっかり反映させています。

「対面・非対面どちらも提供しているのは強みの一つだと思います」

確実に、世の中に必要なサービスになる

──ちょっと話が逸れますが、映画『ロストケア』を観たときに「我々なら松山ケンイチを救えるのか……」って考えちゃったんですよね。

松山ケンイチ演じる主人公は、介護離職をして片親である父の在宅介護をするんでしたっけ。たしか役場の福祉課みたいなところに相談に行ったら、「この状態だと紹介できないですね」ってあっさり断られるシーンがあったような。

『ロストケア』原作者へのインタビューはこちら
本当の“救い”は何か?『ロストケア』原作者が介護殺人というテーマに託した願いとは | なるほど!ジョブメドレー

──そうそう。そのときに松山ケンイチが『介護のほんね』と出会っていれば……と思ったり。

こういったケースって、まさに『介護のほんね』の出番だなと思います。

多くの人が、ほとんど知識がない状態で親の介護に直面するんですよね。それこそ『ロストケア』のように、手探りで頑張るうちに疲れちゃうとか、会社を辞めないといけなくなっちゃうとかよく耳にするんです。


──知識があれば自分で施設を探せるんでしょうけど、大半の人がそうじゃない。そんな人たちをサポートしているのが『介護のほんね』なんですよね。

実際に相談者からは「7ヶ月施設を探し、市や公共の施設は順番待ちと言われ半ば諦めモードで申し込んだのですが、すぐに対応いただき入居先が決まりました」……みたいなコメントをいただいています。

介護のほんね ご利用体験談より

──それは嬉しい。『介護のほんね』は、そういった映画やニュースで扱うテーマに携われるサービスですよね。

コロナ禍のときの『CLINICS』が良い例ですが、「今まさに必要なサービス」って位置付けでテレビなどで紹介されていましたよね。

コロナほど極端な波はこないでしょうけど、『介護のほんね』も高齢化にあわせてジワジワと、そして確実に世の中に必要なサービスになっていくんじゃないかなと思います。そのためにも我々がもっと大きくなって、一人でも多くの人に必要な情報を届けられるようにならなくては……と思います。

とことん利他主義を貫く

──『介護のほんね』のメンバーはどんな人が多いですか?

本当に利他主義な人ばかりです。例えば対面型のメンバーのSさんは、相談者に紹介する施設を必ず前日に下見するなど、細かく丁寧にサポートしています。


──行ったことがある施設でも下見するんですか?

過去に行ったことがある施設でも、しばらくすると管理者が変わってホームの雰囲気が変わっていることもあるんですよね。だから一件一件自分の目で見たうえで紹介するんです。

そういった「生の情報」を、現場に赴くことが少ない非対面型のメンバーにも共有し、提案やサポートに活かしています。その結果、サービス全体で手厚いサポートが実現できているのかなと。


──誰かのために働きたい、誰かの役に立ちたいという思いが強いんですね。

とはいえビジネスなので、売上を出さないといけない側面もあるんですけどね。

とくに今は事業として利益化のフェーズにかかっているので、売上をしっかり伸ばさないといけないんです。でもだからと言って私たちは、売上重視で相談者の希望を度外視することはありません。そこが『介護のほんね』の良さだとも思っています。


──なるほど。でも例えば、希望の条件を持っていても、いざ施設を選ぶとなると決めきれない相談者もいませんか?

そういったケースもあります。なので希望の条件に合致する施設はもちろん提案するんですが、希望の条件から外れているところも比較対象として1〜2件紹介しています。比較することでわかる良さもあるので。

対面型の相談員には老人ホームで働いていたメンバーもいて、見学に同行して「こういうところが良い」「こんな設備があったほうが」「こういうスタッフがいると」などを教えています。相談者は介護のプロではないので、「入居したときってこんなふうになるんですよ」って一言があるだけで一気にイメージがつきやすくなるんですよね。


──経験者からの声があると納得度が違いますね。そんな利他主義になれるメンバーは、どんなバックグラウンドを持っているんですか?

非対面型のメンバーは介護業界や医療業界の経験者が多いですし、相談員はブライダル業界出身のメンバーが多いですね。ブライダルも「より最適なものを提案する」というところが共通しているのかなと思います。

“本当に便利なサービス”を追及するために

──下山田さんが考える今後の課題は?

今はまだ“相談者目線の情報”が少ないなと思っています。サービスの立ち上げ当時と比べると、老人ホーム探しに関するサイトが増えましたが、厚労省のデータをそのまま施設情報として載せているなど、どこのサイトを見てもあまり変わらない状況かなと。

なので『介護のほんね』では、動画・音声・インタビューなどの「生きた情報」が確認できるようにしていきたいです。『介護のほんね』に訪れることで、施設のハード面の情報だけでなく、働いている人の声が聞けたり人柄がわかったり。


──そういったコンテンツを増やすのはなかなか大変ですよね。

一気に増やせるものではないですし、増やしたからといってすぐに売上に直結するわけでもないかなと思います。でも、誰のためにこのサービスをやっているのかって言ったら、やっぱり相談者のためなので。


──そのためにも、新たなメンバーが必要だと。

キーワードは「利他主義」です。『介護のほんね』のミッションや取り組み方に共感してもらえたら、お気軽にご応募ください。


──『れんけーさん』に関してはどうですか?

こちらはもっと現場のソーシャルワーカーさんの声や要望をプロダクトに反映していくことが必要です。きっと地域によっても抱えている課題は異なってくるんじゃないかなと思います。そういった情報を集め、サービスに反映していきたいと考えています。

現場の人に聞いてみると、まだまだ「ここが足りない」とか「これはむしろ負担がかかるかも」とか課題が出てくるんですよね。日々、介護の現場に向き合っている方々の要望を適切に反映して、良いサービスを提供していきたいと考えています。

『介護のほんね』では、一緒に働く仲間を募集中です!


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