見出し画像

ERを担うすべての医療者の道標に

救急医という存在は,医療者にも社会にも少しずつ認められてきていますが,集中治療医と比べて,ER医はいまだ漠然とした立ち位置であり,少数派です。
「1次,2次(軽症~中等症)患者の救急診療担当?」
「振り分け屋?」
「当直医と何が違うの?」
日本では多くの病院の救急外来は,研修医や他科の医師が担当し,救急医療を支えています。そのため,ER医の専門性はわかりにくいのかもしれません。

これまで私は,日本の救急部門や海外のER部門を複数見てきました。その経験から,ER医の武器とは,子供~高齢者,軽症~重症,内因性・外因性問わず,複数人を同時に,時間を考えながら救急初期診療を行う能力をもち,地域・社会に求められる形に順応できることだと考えています。実際に,超高齢社会,たらいまわし問題,COVID-19の流行など,救急医療への社会的ニーズは高まっています。

研修医向けの救急診療の本は多数ありますが,ER医の教科書となる日本語の書籍は少ないのが現状です。社会・経済・疫学などにも触れつつ,ER医としての専門性を学べるように,仲間とともに新雑誌を立ち上げました。ERを担うすべての医療者の道標になれば幸いです。

編集委員◉佐藤 信宏(新潟市民病院 救急科)

『BeyondER(ビヨンダー』特設ページはこちらhttps://www.medsi.co.jp/beyonder/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?