その商品を手に取ったのはいつのことでしょう。。。
割引された商品達が並んでいるワゴンの中からでした。

当時、大河ドラマで坂本龍馬の子供時代を演じて人気だった濱田龍臣君が、元気いっぱいの可愛らしい笑顔でCMをしていました。

マメにピカピカさせるから、まめピカ。
これなら掃除嫌いの私でも、マメに掃除できるかも。。。

トイレに入りそれが目に入ると、龍臣君の元気な顔が目の前に浮かんでくるようでした。
まめピカ！と空耳までが聞こえ、便座を拭いてみたりして。。。

『慣れる』とは恐ろしいもので、見慣れるとそれはただの置物と化していきました。
たまにふと、それがただの置物ではないことに気付き「龍臣君なにしてるかな～。大きくなっただろうな～。」なんて思ったりして。

ある日、大きくかっこよくなった龍臣君がテレビ画面に登場しました！
「おお、龍臣君！大きくなったねぇ～♪そのまま変わらない可愛らしい顔で良かった良かった！」

そしてトイレに入ったときに気付いたのです。
龍臣君があんなに大きくなったのに、あの頃のまめピカがまだトイレの置物のままであるということに。。。
貧乏性の私は、空になっていないそのボトルを捨てることが出来ないまま、龍臣君をテレビで見かける度に、胸が痛むのです。