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映画『幼獣マメシバ』が好き ※若干ネタバレ注意

あらすじ

佐藤二朗さん演じる中年ニートの二郎は、半径3km圏内で生活をしていた。部屋で近所の悪口などをブログに書いたり、買い物に出ると通り過がりの人の心の声が聞こえるなど被害妄想にかられていた。

そんななか、行方不明の母親から謎の手紙と共に可愛いマメシバ一朗がやってくる。マメシバと一緒に母親を探す旅が始まり、色んな人達との出会いや様々な体験を経て成長していくハートフルコメディ。

観ようと思ったきっかけ

メンタルがどん底らへんにあった今年初め頃、とにかく色んなアニメや映画を観まくっていた。

主に、自分と同じ境遇にいる主人公の作品を視聴した。生きづらい、行き詰まってる、死にたい、しんどい…そういう自分と似た重たいようなものや、ちょっとほっこりするものやおもしろいものを探していた。退屈をどうにかしのぎたかったんだと思う。

主演が佐藤二朗さんだから絶対おもしろいはずだと、期待して観始めた。何のドラマだったか忘れたけど、脇役で癖が強いオーラを放っている佐藤二朗さんを初めて見た。「おぉ、なんなんだこの人…!」と思ったのが第一印象だった。それから後に、勇者ヨシヒコの仏役がめちゃめちゃ面白くて、何度もお腹を抱えて笑った。

幼獣マメシバの見る順番を思いきり間違えて、映画版から見てしまったけど、あまり気にせずにドラマ版もおさらいしていった。

二郎さんの本音とツッコミの返しが秀逸

ブツブツ喋る二郎さんに、初め少し嫌悪感を抱いてしまったけど、セリフの言い回しがだんだんクセになってきて面白くて笑える。不思議だ。

観ていくうちに、自分の心の声が二郎さんの声で自動再生されたり、口癖がうつりそうになった。・・・あぁ、すぐ影響されがち 笑。でも、そういう変化のおかげで、普段の生活のなかでふと負のループにはまりそうになる時に、面白おかしく二郎さんの声で自問自答しちゃって、深く凹まずに済んだのがちょいちょいあった。勝手にユーモアの力を得た感じがした。

愛くるしいマメシバをモフりたい

マメシバ一郎の存在を二郎は煙たがっていたけど、少しずつマメシバの可愛さに心を鷲掴みされていく姿に、観ていて思わずニヤニヤしちゃった。だって可愛い過ぎるから仕方ないじゃない。「可愛いは正義」って本当だと思った。かわいらしい姿にほっこりして癒された。

色んな意味でぶっ刺さったセリフ

「休憩してはダメ。充電してるつもりでも、立ち上がるときにすごく力がいる。だから、歩き続けた方がいい。」という安達祐実のセリフがある。

私はこの言葉に、良い意味でも悪い意味でも共感させられた。正論にぶん殴られた感がありもするし、まさにその通りだと思うから何も返す言葉が見つからない。

森の中で2人がやりとりするシーンで彼女は二郎に、自分自身も人の考えを勝手に妄想して自責してしまうことがあると打ち明ける。私も少なからず、被害妄想に苛まれることがあるので、共感し過ぎて泣いてしまった。二郎さんの気持ちがわかる彼女だからこそ、このセリフの重みがすごく伝わってきた。

荒ぶる心を静めてくれた映画

両親の壮大で現実ではありえないような計画に、二郎は狭い生活圏から脱していくのだが、自分一人の力では到底無理だけど、相棒マメシバ一郎の心強い存在と、色んな人たちに背中を押されたりされながら成長を遂げていく。

問題が解決したとかしてないとか、就労がゴールとか、そういうのみんなぶっ飛んでしまうというか、そこに当てはめないでもいいのかなとか。何を言いたいのかまとまらないけど、個人的に期待以上に面白かったのは確かです。

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