小さかった私へ⑰ 小学生編
小学2年生の頃、私はある友達のパシリをしたり、自分のペースを乱され、よく振り回されていた。
最初は、友達が出来て嬉しかったのだけど、だんだん一緒に居るのが苦痛になっていった。何が嫌だったかというと、1つは、毎朝友達の家に迎えに行かなければならないこと。
友達の家に着いたら、ピンポーンを押す。すると、友達のおばあちゃんかおじいちゃんが出てきて、大声で友達に私が来た事を伝えている。
私はそこで長らく待たされた。この時間が異様に長く感じた。
「遅刻してしまったらどうしよう・・・遅刻したらお母さんに怒られてしまう、私のせいじゃないのに」
色々不安を思いながら、朝からウンザリするのだ。
友達は、今起きたのかというくらい身だしなみも中途半端に遅れてやってくる。一切悪びれることも無い…どうやら、私が長らく待つ事が当たり前かのように。
私は、朝いつもの時間に家を出ているというのに、その友達を迎えに行く事になったから、登校時間は大体ギリギリに着くようになった。
本当は、それが納得いかなくてイライラしていたし、友達に対して本当は怒っていたのに我慢していた。
だけど、こんな友達でも、居てくれた方が良いと思っていたのだ。友達が居なくて、1人ぼっちは寂しくて苦しかったから。
友達作らないといけない…
誰かと居ないといけない…
そういう価値観に染まり始めてた。
友達と遊ぶ事で、あやとりが出来るようになったけど、嫌だと思ったことは他にもある。道端に平気でゴミを捨てるし、しばしば私がやりたくない事を強要してくることがウザくてしつこかった。
首のコリコリがいくつあるか数える、という謎の遊びをさせられた。今思えば滑稽で笑えるけど、何が楽しいのか、数えたから何なのか、当時全くわからなった。他にもおもしろくないことをしていたと思うけど、くだらな過ぎて今ではほとんど忘れてしまった。
時には、私をパシリみたいに都合良く利用していたこともあった。確か、友達の課題などの本人がやるべき事を、私が代わりにやってあげるみたいなものだったはず……
時々、クラスメイトがそれを見兼ねて
「なんでそんなことするの?」
「言いなりになっちゃダメだよ。いやなことは、いやって言わなきゃ!」
と、私に言ってくれました。
私を見ていてくれて、自分のがんばりを皆が見ていてくれた事がわかり、その優しい声かけが一時とても嬉しかったのだ。でも、どうしても怖い気持ちが先行して、友達に「嫌だ!」って言えなくかった。
抵抗したらこの関係はどうなってしまうんだろう?もっと酷いことになるかもしれないと考えると、再び、私は我慢にガマンを重ねた。
私に助言してくれたクラスメイトは、私の振る舞いに呆れてしまったのだろう……少しずつ離れていった。
そして、ついに、私の中の溜まりに溜まったストレスが爆発した。何か決定的な事があって、私は学校からトボトボと足取り重く下校していた。
すると、私の帰りを待っていてくれた母がこちらを見て手を振っていた。母の姿を見て、私は堪えきれずに声を上げて泣いた。
「もう我慢するのは嫌!!」と言わんばかりに、
うわぁあああーーーー!!と泣いた。
私はこの時初めて、泣きながら母に相談した。「学校に行くのが辛い。嫌な子がいる」などなど、これまでの事や色々を母に打ち明けたと思う。すると、母は仕事が休みだった父に相談した。
そしたら、話を聴いた父は、居てもたってもいられないという様子で、その友達の家に行って話してくると言い出した。
私は泣きながら「やめて!やだ!!」と止めた。そんな事したら、友達が何を言ってくるか、何されるか怖くてたまらなかった。
だけど、父は、何故私がこんなに嫌がって泣くのかと理由を聴こうともせず、そのまま家を出てっ行った。
私は絶望に近い気持ちで満たされた。
母は、「お父さんに任せておけば大丈夫よ」みたいな事を私に言った。
一体、何が大丈夫なんだろう。
話せばわかってくれる保証なんてないのに。
両親に悩みを打ち明ける事に、抵抗を抱くようになったのは、この出来事が自分にとって大きい影響を与えたと思う。
その後、具体的にどう変わったか、私はあまり覚えていない。いつもと変わらなかったかもしれないし、朝迎えに行くことは無くなったかもしれない。友達は、なんだか不満そうに、不服そうにしていたような気もする。
仕返しされるのではないかと、内心ビクビクしていた。1年間、同じクラスで過ごさなきゃならないから、本当に心底しんどかった。毎年鬱々な気持ちでいっぱいになるクラス替えが、こんなに待ち遠しいと思った事はない。
友達と遊んだり、付き合うのって、楽しいだけじゃないと学んだ。
なんでみんな友達といると楽しそうなんだろう。
・・・というか、あれはいじめだよね?って今では思う。あの子のことは今でも大嫌いだし、二度と関わり合いたくない。
絶対小学2年生の頃に戻りたくないけど、あの時出来なかったことを、怒りに任せてやり返して、やり直したいと思ったりもする。
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