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ミュージカル「アリージャンス~忠誠~」(2021)【動画制作用プロット】


●作品概要

2016年のBroadway World Awardsにおいて6部門受賞。

『太平洋序曲』、『ミス・サイゴン』などアジアやアジア系アメリカ人が舞台の作品はいくつかあるけれど、視点、製作、演出、キャストのほとんどがアジア人である初のブロードウェイ・ミュージカル。

スタートレックにも出演している日系アメリカ人二世のジョージ・タケイの実体験を基に、第二次世界大戦中の日系人の強制収容をテーマにしたもの
初演時はジョージ・タケイさんもおじいちゃん役で出演している。

とはいえ、戦争を重視しているわけでなく、規制のある中でそれぞれがどう選びどう戦ったかというのを前面に押し出しているため、戦争もの、という感じはしない。

●ストーリー

キムラさん一家のお話。
渡米してきたお父さん、英語はそんなにしゃべれないおじいちゃん、お姉さん、弟一家が、カリフォルニアで暮らしていたが、真珠湾攻撃によって日本人が迫害をうけ、日系アメリカ人一家が土地を没収されワイオミング州に強制収容されてしまう。
アメリカで生まれ育ってアメリカ国籍をもっているにも関わらず日系というだけで不自由を強いられるなか、「アメリカに忠誠をちかうか」「日本の天皇を尊敬しないか」などの質問表が配られたり、日系人だけで危ない任務を背負う連隊が作られたりする。

●見どころ

戦争を主軸にしているが、いろいろ規制された中でどうやって戦っていくか、守り抜いていくか、がとても重視されいる作品。

全て受け入れて模範をもって家族を守ろうとするもの、
生活を守りつつ周りの声を集めて直訴しようとするもの、
表立って反発して自由を手に入れようとするもの、
否定することで自己を貫こうとするもの、
流れに身を任せてささやかな幸せを見つけようとするもの、
中間に入ってすこしでも緩和させようと判断するもの・・・

それぞれの選択が良い悪いではなく当時の現状の精一杯の行動として描かれている。

外国で作られた日本人の戦争ものということではあるが、どちらを皮肉るでもなく悲観的になるでもなく、希望を感じられる作品なので、戦争ものは苦手・・という人でも楽しめると思う。
「戦争はいけない」という歴史の授業のような感じではなく、どんな抑制された中でも希望があるという前向きな内容。

●キャスト

濱田めぐみさんのケイは芯が強くて情に溢れて気丈な、まさにぴったりに役
海宝さんのサムも熱血で行動力があってとても合ってる。
ケイはケイコ、サムはイサムという日本名もあり、サムはサミーとも呼ばれるため最初こんがらがる。

おとうさん役には渡辺徹さん。
TVで見る朗らかなキャラクターとは違って、1代で渡米、農場を運営するなどやり手だけど頑固な姿が印象的。
(急性気管支炎のため、ツアー公演を降板。 精密検査で大動脈弁狭窄症の診断を受け手術されました。2022年11月敗血症でお亡くなりになりました)

マイク正岡は実在した人物。日系アメリカ人の立場を守るために奔走した人。
三谷幸喜さんの作品でよく見かける今井朋彦さん。
飄々とした役柄が多いイメージだけど、中間管理職で振り回されていた。

●劇場

東京は国際フォーラムホールC
角度がついてて見やすい。
3階席は実質6階なのでたどり着くまでに時間かかる。
左右の非常口ライトがやや気になった。
有楽町駅からすぐだけど、地下にファミリーマートがあるので便利。
今回はオーケストラピットがステージ後方にありました。
そのため、開演前のチューニングの音がこもりがちだった。

カーテンコール撮影可能
カーテンコール撮影可能

●投稿動画


●公演情報

ケイ・キムラ・・・濱田めぐみ
サム・キムラ・・・海宝直人
フランキー・スズキ・・・中河内雅貴
ハンナ・キャンベル・・・小南満佑子
おじいさん・・・上條恒彦
マイク正岡・・・今井朋彦
タツオ・キムラ・・・渡辺 徹

照井裕隆、西野 誠、松原剛志、俵 和也
村井成仁、大音智海、常川藍里

河合篤子、彩橋みゆ、小島亜莉沙
石井亜早実、髙橋莉瑚

脚本:マーク・アサイト、ジェイ・クオ、ロレンゾ・シオン
作詞・作曲:ジェイ・クオ
演出:スタフォード・アリマ
<東京公演>
期間:2021年3月12日(金)~28日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC

<名古屋公演>
期間:2021年4月17日(土)~18日(日)
会場:愛知県芸術劇場大ホール

<大阪公演>
期間:2021年4月23日(金)~25日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール


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