「きらきらひかる」:エンタメコンテンツ偏愛シャッフル

エンタメコンテンツ大好き、暇さえあれば読書に映画にドラマに音楽にを貪欲に鑑賞しています。

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「小説:きらきらひかる」

すごい可愛らしい話。

アル中で精神的にも不安定な笑子と、同性愛者の睦月。
二人はお互いのこの状況を知った上で結婚した。脛に傷持つ者同士。
恋人を持つ自由のある夫婦。
でも、偽装とか契約とかでなく、お互いを愛している。
だけど、睦月には恋人の紺がいる。

江國香織と知らずに設定だけみたら、アル中とかホモ(ホモって死語ですね)とかそれだけで読者をひきつけようとする魂胆がみえみえー!と思うんだろうけど。
違った。

この設定のおかげで、身体のつながりや、子供の存在なんかに甘えられない状況での、お互いを愛し労わりながら一緒に生きていくことの難しさがあぶり出される。

情緒不安定で脆い笑子が、まわりの圧力から三人の関係を守ろうと全身全霊で葛藤する姿がとても痛々しく、胸が締め付けられる。
三人の関係は、お互いの愛情だけで成り立っている。だからこそ純粋で、不安定。

この本が出たのは1994年。20年以上も前!
紹介文もちょっと時代を感じさせます。今ならこんな書き方したら炎上しそう。配慮がないような。。
ただ、20年あったのに一般的な結婚に対する意識はあんまり変わってないのかな、とも思います。

↓以下紹介文

”私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められないすべての人に贈る、純度100%の恋愛小説。”


個人的にはお風呂でお酒を飲む描写が好き。
”からだじゅうの血という血が、炭酸ソーダになったみたいだ”
心臓に悪いからと睦月に止められているけれど、笑子は気にしない。

いつか、湯船で大好きなハイボールを飲んでみようかな、と思ってます。背徳感を楽しみたい。


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