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詩 公平な人生


ぼくはなめくじだろう 僕は蛞蝓の中だろう
 痒いようなひりつく  つまらない緊張に絆される
   じりじりと近づく  重なり続けるあのねっとりと

なめくじだったとして ぼくは体の中に寄生虫を飼う
 いたって単純に操られ その当然な働きの中で食われ
  じりりと近づく鳥に  空を舞う粘液の一滴に狂った

死んでいるようなものどもに 世界知らずの度胸試しを選んだ
おいしいという意見はしかと 忘れ去らずに全身を貸していた

忘れ路の一部として

どうしたってなめくじだ ここでは響かない
どのようにして蛞蝓だろうかって そんなものも癒着だろう

くっ付いて 剥がされて その集い つろつろと
やって来る 自分中心の あわやの声 きれいごと
ずるずると下がって 水面の下を張力で走っている
どうか死なないで 意味もなくなめくじの動きを見ていた

沢山の蛞蝓が広島菜についていた
   輪っかのようなぬめりに嫌々とゴミ箱に放った
      屠った数々にその傍若無人な態度を悲しんだ


釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。