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詩 我々のいちぶ

 懐かしさを覚えたら狼狽える飼い犬の足先にキスでもして募る思いを猛々しく:ワラスボと役立たずに嫌いだけ温められた。
 逝去する声は駄々洩れの児戯と雑記、在庫のない罪業にも「ひどくくすんだ鉄の棒だけが足になる」砂塵がスケルトンの体内をすり抜けて、透明な内臓と血液のいちぶを汚している。ザァザァ、くるるぅ、猫と鳥にはなれないが、我々の友は最期まで波の到来を囁いて待つ。

 こそこそと雷鳴の成立ちを調べ、飛んでくる矢印を弾き飛ばして愛とは亡霊だ。人と人は熱狂の距離を全て家族とし海の中へ失われる。未来は求められたが亡霊と同様の熾りを成す。
 織る。電気すらも届かぬ違法の地から、異邦はどちらだ。やつれた哲学者と純化された猿。我々の名前はシビレを伴うユムシのような体を持っている。流されたリヴァイアサンは自然の中で止まり、精子は刺さり、とげとげしくも羨んだ組織の崩落だけが示されていた。

 青、黄、オレンジ、煌めくような色に目をやられて去っていった。
 不満のない目、這い回り天地に到り、ひっくり返るものと睨み合いの最中、やはりここから動けないのだと把持するものは都市から離れつつフェアリーサークルを積む抓まれた領域から時を狩る獣、犬とサボテンの関連に泣き出してしまう。

 動かない/貝のうねり、潮を招き埋もれ、苦しみの最中抱きしめる。
 暑苦しさに凄惨たれ。子を取り出す?取り下げる。ただ一つの想い。消え入りそうな行いの忘却に印す。


釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。