megu

海外一人旅、吉本ばなな、aiko、ハーブ、アロマが好きです。

megu

海外一人旅、吉本ばなな、aiko、ハーブ、アロマが好きです。

最近の記事

隣人愛とは何だったのか

なぜか懐かしく、昔から知っていたような気持ちになる言葉がある。 それはマタイによる福音書に記された言葉であり、自分の奥底に生きている存在のように思う。 あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。 私が通った大学はたまたまキリスト教で、これと同じ教育理念を掲げていた。そして数年前にAO入試で論文を書いた際、この理念に共感したと記したことを覚えている。 まるで自分の一部のように、近くにあっても違和感のない言葉だった。 長い間、私はこの言葉を「他者を自分のことのように大事にす

    • 朝の味

      一人旅をしている中で、どうしようもなく好きな時間がある。 すべての始まりである朝、まっさらで、何もない朝。 光包むその時間をその瞬間自分が過ごしたいように、食べたいように過ごせることがこの上ない幸福。 去年ウィーンに行った時も、好きな席に座り、時間を気にせず、今日これから起こりうる幸福に期待して自分の体に栄養をどんどん与えてあげた。 普段であればここまで時間をかけて食事できないだろう。。 静かに響く食器の音、徐々に明るくなっていく空間、新鮮な野菜や温かい飲み物で、目覚めたば

      • 愛を取り戻した話

        父と彼と私の関係を通して、再び愛を取り戻した話をしたい。 自分の中にも大事な人の中にも愛があることに気付いたとき、何か満たされた気持ちが涙となってどんどん溢れてきた出来事を、ようやく誰かに話せる気がする。 私の父親は厳しい人だった。 普段は家族5人を養うために働いてくれてたが、何かに怒ると自分を曲げない合理的な厳しさを持っていた。そこに妥協はなくだめなものはだめという姿勢は、私にも強さを与えてくれたと思う。 そして父は私が大学2年生の頃に、脱サラして牧師になった。家族は全員

        • いつかきっと離れるということ

          こんなにも時が経っていた、と感じた秋の始まりの夜のこと。 約1年半、一緒にサービスをつくってきたあるメンバーがついに居なくなることになった。 当時新規事業だったこともあり、とにかく走るしかなかった日々。 私が振り落とされそうになると、いつも当たり前のように助けてくれた人。 いつかこの人が去る日が来るだろうと予感していたけれど、その日は気付かぬうちに隣にきていたんだね。 この人は、他者に影響を与えたい、他者からこう見られたいという他者ありきで自分の欲を満たすという一面があま

        隣人愛とは何だったのか

          ひとつの形

          先日、社内で全社総会が行われた。 半年毎に業績トッププレイヤーが数名表彰される。 それはとても煌びやかな世界で、呼ばれたプレイヤーはレッドカーペットを歩いて、社員約1000人の前で評されたことへコメントするのだ。そうやって評される人は圧倒的にかっこいいし、本当に仕事ができる人なんだなと納得させられる。 ただその世界を遠くに見ながら、なんだかもやもやする感覚が自分を覆っていた。自分はだめなんだという判子を押されたような気がして。 この感情を短い期間ではあったが抱えていて、ちょ

          ひとつの形

          幸福とはあらゆる瞬間のこと

          人には様々な欲があって、そういう満たされない想いが何かを前に進める力になる。 だから自分の内側から溢れる気持ちに純粋でいることが全てだと思う。 ただ、ここに他人の目や評価軸などのノイズが入ってしまうと、何もかもが分からなくなってしまうよね。自分の望んでいないことをいつしか望むようになってしまうこともあるだろう。社会に出てみると、とにかくノイズが多い。こちらに受け入れる気がなくても止まることなく流れ込んでくることは、きっとこの先も変わらないのだろう。 何かを追うことは本当に

          幸福とはあらゆる瞬間のこと

          春風のある一年前のこと

          ちょうど一年前に見た夢のことを、珍しくはっきりと覚えている。 大抵夢というものは、目覚めてほにゃほにゃしてるうちに忘れてしまう。それなのに記憶の片隅に在り続けた夢。 当時転職したてで仕事に慣れない上に、事業的にも繁忙期だったので、何もかもこんがらがっていた。そんな夜明けに見た懐かしい夢。 それは、お母さんが小さい私を抱き寄せ、明るく包むようにして「あなたのことをすぐ分かってあげられなくてごめんねえ」と呟く夢だった。 薄明かりのしんとした部屋で目覚めたとき、私はすでに泣い

          春風のある一年前のこと

          しあわせな空間について

          金曜日、自炊するための食材が家になくて外食することにした。わざわざスーパーに行ってつくる元気も特に残ってなかったのだ。 家の近くに、昔からそこに存在しているであろう和食屋さんがある。 蕎麦やカツ丼もあり、支払いでは現金しか扱えないものの、いつも古いお客さんで静かに賑わっている。 店内に入ったとき、懐かしい匂いがした。 きっと店内に生けてある花が発していて、私にもその香りが小さい頃からそばにいたと思う。 私はその店でいつもけんちんうどんを頼む。 その日、私の正面の大きなテー

          しあわせな空間について

          先駆者として

          普段、仕事では新卒の就活支援サービスを運営しているわけだが、そこでカウンセリングした大学生がこんなことを言っていた。 中学時代はかなり勝気で、絶対自分が1番になりたいという気持ちが強かった。 でも高校時代にいろいろな人と出逢ってその自分がいなくなった。今は競争心が消えてしまって、本当の自分が分からないんです。 なんだかどこかで聞いたことある話だな…と思いながら、私はこんな風に伝えた。 それはきっと、中学時代は他人と比較していたからピリピリしていたんだと思う。 で

          先駆者として

          なんてない日常こそが

          最近、何かを求めて動き回る自分が遠くに行ってしまった。 花とあるシンプルな暮らしを好み、お気に入りを身に付けて、おいしいものに喜び、淡々と何気ない日常を過ごしている。 そういえばこんな日々って何年ぶりだろう、とつい思ってしまう。 何かを強烈に願うことがなくなり、ほのかに「これで良いのだろうか?」と感じていることも確か。 ただ、自分の気持ちは穏やかで、四季を楽しんだり、すごくどうでも良いことでけらけら笑っているのでそれで良いのだと思う。 光を求めるような強い感情は自分に行動を

          なんてない日常こそが

          人は好きに生きていいんだよ

          人は、自分の望む生き方をしていいのだと思う。 それは、起業したとか有名になるとか決してインパクトのあることだけではなくて、もっと小さくて、自由で、その人の中にしか存在しない生き方を指す。一般論では定められないから、その人自身が決めていくしかないんだよね。 私も最近、ようやく社会という場に居ながら自分にとっての幸福をどう捉えていくかを、考えられるようになった。溢れるものや余計な雑念や行き交う情報に、少しずつ興味を持たなくなり、自分に集中するフェーズに入れそうな感じ。仕事に関し

          人は好きに生きていいんだよ

          幼い自分との決別

          青白く、透明で、静かな時間が流れるようになった。季節とは巡るものなのだ。 転職してこんなにも時間が経っていた。 今年も、あと1ヶ月で終わろうとしている。 最近の私はと言うと、強烈な欲求を持つこともなく、気が抜けてぼーっとしているのだ。 仕事は真面目にやっているけどね。 ただ、今月はちょっとお金が余ったから買い物しよう!と意気込んで出掛けても、結局何も買わず帰ることもあり、何だかぼやぼやしている。 でももしかしたら、これは過去の自分と決別するための時期なのかもしれないと考え

          幼い自分との決別

          繊細とは切なさを持ち歩くこと

          感受性が強い、と人から初めて言われたのは、私がまだ自分の人生を12年しか生きていない頃だった。 25歳の今となっては穏やかで柔らかさがあると言ってもらえるようになって嬉しいが、特に小学校〜中学校の頃は針山を覆って生きていた。それはきっと、感受性が強いが故に本心を話せなかったからのように思う。 これはもう生まれ持ったものなので変えられないのだが、些細なことに自分だけが気付いて共有できない、そんな感覚があった。 例えば、小学校時代に所属していたミニバス。 正直そこまで上手くな

          繊細とは切なさを持ち歩くこと

          海の中では見つからない

          蠢いている、と感じる時がある。 日々を生きる中で、さまざまな情報や人々が抱いている感情とか、そんなものたちは休むことなく漂い続けている。 特にあらゆる情報が手に入りやすい世の中になった。この情報というのは、自分の興味があることの詳細とか、人々が求めている欲の部分とか、あの子が今見ている世界のこととか。本当にたくさんのことを指す。 ネット上では何かを表現できたり、何かを得たり、何かを発信することができるため、瑞々しい海のように広くて、自由で、そして暗さを秘めていると思う。そ

          海の中では見つからない

          人生とは美しく複雑であること

          しかし、長かった。 つくづく思うのだが、私は要領が悪い。 無駄なことをたくさんしている気がする。 例えば、前職では個人宅に飛込み営業をしていた。新卒なので良いか悪いかの判断もできず、ひたすらやるしかなかったのだが、いろいろと合わない部分がついに隠せなくなってきて悩み抜いた結果転職したのだ。そこでは本当に苦い経験しかできなかった。どういう状況になると人は追い詰められていくのかを、知った。 そして現職で配属されたのは、当時チーム6人の新規事業部。ゼロイチなんて言葉、私は1回聞い

          人生とは美しく複雑であること

          失った自信は、取り戻せるよ

          もう3年?まだ3年?という社会人経験を経て、僅かながらも感じたことがあるので残しておく。 私はこれまで「仕事における認知」が歪んでいたんだなと思う。 仕事は自分にとって自己表現そのものであり、べったり纏わりついてくるものだった。仕事は報酬を得るためだけの存在ではなく、その仕事自体に価値を感じていたい。そう思っていた。 けれど、まあできない。分からない。焦燥感が常にある。そんな感じでしばらくの間、自分にとってはとてつもなく長い間、抜け出せない期間があった。 もともと何かに熱

          失った自信は、取り戻せるよ