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【報告】保育施設見学ツアー番外編@大田区

今回は超番外編として、東京都大田区にあります社会福祉法人善光会サンタフェガーデンヒルズの見学をさせてもらいました。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・障害者支援施設・デイサービス・通所リハビリテーション等を併設した複合福祉施設で、保育とは全く関係がありません。そんな施設の見学でしたが、参加者全員がすごく刺激を受ける機会となりました。


◯様々な機器やシステムの導入

保育施設ではないのでそのまま参考にできることは少ないかもしれません。ですが、「オペレーションの模範となる。業界の行く先を担う先導者になる。」を理念に掲げ、様々な機器やシステムを導入して業務改善を進めておられる姿勢は学ぶところだらけです。

ぜひ実際に訪問して見てもらいたいのですが、介護支援ロボットの導入だけでなく、各種センサーやシステムを導入して業務を効率化し、より良い介護ができるようにする工夫があらゆるところに取り入れられています。

腰をサポートしてくれる「HAL」
移乗をサポートしてくれる「Hug」

センサーを導入して入居者の睡眠の質を把握したり、身体の情報を見える化したりし、その情報を次の介護に活用する。少ない職員数でも入居者に対して適切な関わりができるように、LINEWORKSと骨伝導イヤホンを使っていつでも相談したり協力をお願いしたりできるようにする。入居者の日々の情報は全職員がiPadで確認できるようになっているため、集まって話し合う時間を丸々カットすることができている。といったことが当たり前のように行われている様子を見ることができました。一部ではありますが、使われていた機器類を紹介します。

マットの下に敷いて睡眠状態を測定する「眠りSCAN」
職員一人ひとりに用意されているiPhoneと骨伝導イヤホン
尿のたまり具合が分かるセンサー「DFree」
写真の上側は転んだ時だけ衝撃吸収性能を発揮する「ころやわ」が敷いてある
介護記録ソフトに入居者の様子を記録していき、PCやタブレットでみんなが確認するようにしているため、申し送りのために集まることはないそうです。

◯まず業務内容の整理から

善光会ではまず最初に「どの業務にどれだけの時間がかかっているか」を調べることから始められました。入居者に関わる度合いの大きいものから直接介助、間接介助、間接業務と大きく3つに分け、それぞれの業務の内容はどのようなものか、かけている時間はどのくらいかを調べていったそうです。それがはっきりしていなければ、何をどう効率化すればいいのか、その効率化は業務全体の改善につながるかは確かに分からないかもしれません。そこが明らかになったらいよいよ具体的な改善です。

◯どの業務を改善するかを決める

次にそれぞれの業務を改善していくわけですが、まんべんなく改善するのではなく、どの業務を改善するかを決めて取り組んでおられました。直接介助(身体に触れる介護:入浴、食事など)はサービスの質を優先する。間接介助(身の周りの介護:掃除など)は質の向上も検討しつつ効率化を進める。間接業務(記録など)は可能な限り効率化させていく。そして効率化して生まれた時間は直接介助にあててサービスの質の向上につなげたり、職員の休憩時間にあてたりしてきたそうです。

◯保育者が集中すべき業務は何か

これらの話を聞いていて、これは保育も同じだと思いました。保育者が集中すべき業務は何かをまず明確にし、そこに注力するためにそれ以外の業務を整理し、効率化する。そのことによって生まれた時間を有効活用する。このサイクルを回すことが保育でも同じように求められているはずです。そんなことを考えるヒントをたくさんいただいた見学でした。

◯意見交換も盛り上がりました

見学後は場所を移動して見学の感想を言い合ったんですが、この時間もとても良かったです。介護施設の業務改善を見て、それを保育にどう結びつけていくかをそれぞれがどう考えたかを聞かせてもらうことで、保育にも活かせるアイデアは間違いなく増えました。やはりそれぞれに見方が違い、受け止め方も違うので、それを出し合うことからも学べることは多いです。見学後よりも格段に頭の整理が進んだ、とても有意義な時間になりました。

◯参加者の感想

今回も参加者のみなさんから感想を届けてもらいました。ありがとうございます!

業種は違うけど、本当に必要な業務は大事にするために、ICTで削減できることは…とかなり前向きに取り組んでおられ、そこは同じだな、と思いました。お金はかけられないけどかけなくてもすむ、何が必要か、誰がするのかとかの精査は今一度考えたいと思いました。終わってから振り返り?のための時間に得た情報も良かったので、今回ような見学会もありがたいと思っています。

施設見学では業務改善に繋がる考え方に触れる事ができました。職員がやらなくてもいい業務について、それをどこまで効率化出来るかを園全体で考える必要性を感じました。業務を精査することで、休憩時間や子どものことについて話す時間、環境設定の時間等、増やしたい時間に当てられるような仕組みを作っていきたいと思いました。また、会議や休憩に出られるためのシフトを組んでいるとのことで、働き方にも改善点が見出すことができました。見学後の座談会では保育の場面で考えたり、導入園の話を聞くことで、実際に取り組んでいる声を聞けたりと、より保育に落とし込んで考える事ができました。ICT化の必要性を自園の経営層に伝え、出来る範囲のことから導入をしていきたいと思います。

自分達の業務の中で何を大切にし、改善が必要かを見直すことは、大切だと思いました。普段あまり見ることのない施設でしたが、保育に生かせることがいくつかあったので、帰ったら早速、勉強してやってみようと思います!

今回の見学から、具体的にどのようなことをICT化しているのか、ICT化した事で職員の業務の負担をどれだけ減らせているのかを知ることができました。自身の保育現場において、連絡帳やお便りなどがICT化しているが、職員の会議のあり方や、情報伝達方法など、まだまだICT化できそうな事が多いと感じました。機材の導入の所で、自身の保育現場においては機材の導入が難しいと感じる部分もあるが、機材やアプリを導入する事で、どれぐらい負担が減らせるのか、職員の休憩時間が確保する方法として、学べると感じることができました。改めて、自身の保育現場におけるICT化の課題を考え、業務改善にむけて進んでいきたいと思います。

今回の見学を通して、一番知りたかったことは善光会さんがICT化をどのように立ち上げ、進めていき、今そこに在るのか?でした。まずは自分たちの仕事の内容を全て洗い出して振り返り、これはこれまでの通りに、ここは何も自分たちでやりきらないで、ITを使っても良いよね。と課題を出すところからスタートされていたことを知って、自園の今進んでいる道に間違いはないのかなと自信を持てました。これからも自分たちの専門性を、こどもたちの育ちや歩み、園での生活の充実へと全て注いでいけるように、コツコツICT化を進めていきたいと思いました。


◯ツアー情報のお知らせ方法を変更します

今後もユニークな活動をしている方のお話を聞かせてもらうことや、様々な課題に向き合っておられる保育施設の見学をさせてもらうことを継続していきます。そのお知らせにSlackを使っていましたが、私自身が活用しきれていないため(笑)LINEのオープンチャットに変更することにしました。今後見学ツアーの情報は、このnoteと主にLINEのオープンチャットを使って発信していきます。オープンチャットへの参加を希望される方は下記のフォームから申し込んでください。保育関係者であれば役職等は全く問いません!

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