蜘蛛の糸が張り巡らされた部屋のある寺へ行く。その部屋見たさに観光客が集まる有名なところらしい。疎にも密にもなりすぎないほどにゆったりとたわんだ糸が逆光の陽に照らされていて、たしかに美しいと感じた。

 寺の住職と話すと尊敬できる人だったので、自分もお坊さんになりたいと宣言すると奥の部屋へ通される。そこの椅子に座ってみなさい、と促されて住職が愛用している椅子に座らせてもらう。座った途端、椅子が回転しながら形が変わり驚きの声を上げながら椅子にしがみつく。マッサージチェアのような形から床に座る座椅子の形へと変化した。すぐれものですねえ、と感心する。

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