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待機児童がいなくなっても、親と子が安心して過ごせなければ意味がない

この記事を読んで、わが家の保育園探しを思い出した。

あれは、当時住んでいた地域の待機児童がゼロになったか、限りなくそれに近い状態のタイミングだったと思う。
通える範囲にある保育園をリストアップするとかなりの数があることが分かった。さすが待機児童ゼロを目指しているだけあるな、と感じた。

ところが、実際に見学に足を運んだり、それぞれの園にまつわる情報を調べていってみると、手元のリストにある園全てが候補になるわけではないことが分かった。

ある保育園では見学に訪れると、先生方が一様に疲弊している様子だった。
説明を担当する園長先生は何だか元気がないし、園内の見学で出会う先生方はすれ違っても無言だ。
話をする中でその前日が運動会だったことが分かり、先生方の疲れた様子はそのせいかもしれない、と思い至った。けれど、初めて訪れた見学者にまで疲弊した印象を与えてしまうとなると、運動会を含めた園の運営体制が心配になった。そこに日常的に通う子どもたちへの影響も懸念材料となり、申し込みは見送った。

また別の保育園では、新年度に新設されるために入園前の見学ができない、というケースがあった。
この園は民間企業が複数の保育園を運営していることが分かったが、企業としての働きやすさなどの評判を見ると、あまり印象が良くない。既存の複数の系列園では常に保育士を募集していて、人手不足の印象も受けた。
新設の園の最新の設備に期待する気持ちはあったが、申し込みは断念した。


保育園は、ただ単に働いている間子どもを預ける場所というより、いっしょに子どもの成長を見守ってくれる存在であってほしいと思う。
それ以外の条件は保護者ごとに異なるだろうが、この基本的な部分は似ているひとが少なくないのではないだろうか。

だからこそ、入園の枠が空いているとか、行政の定めたルールに則って運営されているとか、そういった単純な要素だけでは子どもを預けようと思えないのだ。

保護者も子どもも安心して過ごせる、そんな状況が簡単に手に入る世の中になってほしいし、そのために自分ができることはしていこうと強く思う。

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