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書籍紹介『発達障害&グレーゾーン幼児のことばを引き出す遊び53』

『発達障害&グレーゾーン幼児のことばを引き出す遊び53(寺田 奈々)』という本の紹介です。

寺田奈々先生の紹介は『ことばドリル』に続いて2回目ですね。


ことばを引き出すおもちゃや絵本が紹介

本の目次は次の通りです。

Part1 「ことば」はどんなふうに育っていく?
01 赤ちゃんはことばをどう聞いているの?
02 私たちの「ことば」はこんなふうに育ちます
03 「ことば」が⽣まれる前のステージ
04 指差しはことばのはじまり
05 ことばが出るのはピラミッドのてっぺん
06 ⼤⼈が気づくことばの遅れのサイン
07 ことばの発達がゆっくりかも? と思ったら
08 発達障害・グレーゾーンの⼦とことばの遅れは関係ある?
09 吃⾳は治せますか?
10 「ことば」の⼒を⼀緒に育てていく
コラム なな先生のちょっとひと息(1) ことばの相談室ってこんなところ

Part2 「ことば」を育てるおもちゃ・絵本
はじめに知っておきたい おもちゃ・絵本の遊び方
ことばを引き出すおもちゃ 33点
番外編 おもちゃのお片づけテク
コラム なな先生のちょっとひと息(2) 赤ちゃんと大人の“ターンテイキング”
ことばを引き出す絵本 20点
番外編 おもちゃ遊びをもっと深める! 日用品を活用しよう
遊びがやめられないときは… タイムタイマーで「終わり」を共有しよう
コラム なな先生のちょっとひと息(3) 食べる力が、しゃべる力の土台になる

Part3 「ことば」にまつわるQ&A
1 ことばの遅れに悩んだらどこに相談すればいい?
2 「ことばのシャワー」はたくさんかけるべき? 
3 絵本を読み聞かせても、反応が薄い… 
4 ことばが遅い=発達障害と考えたほうがいい? 
5 「おっきい・ワンワン・こわい」 3語文が出てこない 
6 テレビや動画はやっぱり見せないほうがいい? 
7 「さかな」が「ちゃかな」に サ行やカ行がうまく発音できない! 
8 「てれび」が「てべり」になる 言い間違いはそのままでおいていい? 
9 ひらがなは早く読めるようになったほうがいい? 
10 早期英語教育によってことばの発達が遅れることはある?
11 赤ちゃんことばは使ってもいい?
12 ラッパを吹くとことばが出るの?
13 ことばの間違い、言い直しをさせたほうがいい?
ことばを引き出すオリジナル絵カード
絵カードのつくり方・遊び方
絵カードで遊ぶときの大事なポイント
おわりに
おもちゃ取り扱いSHOP LIST
参考資料・URL

誠文堂新光社より

今回の本では、なな先生オススメのことばを引き出すおもちゃや絵本が紹介されています(Part2 「ことば」を育てるおもちゃ・絵本)。

おもちゃや絵本の紹介には、遊びで育まれる力や、使うべきタイミング(ことばの発達段階)、特徴、遊び方のポイント、なな先生のアドバイス、他にもこんな使い方!が掲載されています。

おもちゃのページ
絵本のページ

(画像は誠文堂新光社より)

知らなかった、おもちゃや絵本もあって、ついうちの子にどうかな…?なんて考えてしまいます。

コトリドリルのパズルやカードの紹介がこぢんまりしているのを見るとちょっと微笑ましくなります笑。あと助詞メダルを発見して、ミッケを読んでるような気持ちになりました。

必見、なな先生のアドバイス

紹介されているおもちゃや絵本自体の魅力もそうなんですが、「なな先生のアドバイス」も発見です!

子どもはときどき、思いもよらない使い方でおもちゃを遊びだします。見立てあそびは大人が主導し提案しても、あまりおもしろがってもらえません。子どもの発想力に任せてこちらは驚いたり感心したりしておくのが◎。次第に子ども主導の遊びが展開していきます。

「口出ししすぎずに見守る」って言うは易しですが、見ているとつい口を出したくなるもの。でも自分で発見したときの方が得られる喜びや印象って大きいですもんね。口を出すにしてもさりげなくを意識しつつ、自由な発想と発見をしてもらいたいなぁと思います。

コミュニケーションの土台づくりは相手に注目を向けることから。「いくよ」「はーい」と語りかけを意識してください。上手になってきたら交代し、子どもにも「いくよ〜」を言ってもらいましょう。

ルールの理解や人との関わりの根っこになるのが、やり取り。遊びの中でそのやり取りの感覚を身につけていってほしなぁと思います。

発達障害やグレーゾーンのお子さんの中には、数や数字に強い興味関心を持つ子がいます。「こだわり」とネガティブに呼ばれることも多いんですが、好きなものにはとことんハマり、興味関心が育つ力を大切にしてあげてください。

好きなものの絶大なパワー!大事にしたいです。

絵本の楽しみ方は大人が読み聞かせるだけではありません。言語聴覚士は、ことばを引き出したり、やり取りしたりして楽しませることもあります。同じパターンが繰り返される絵本では、次ページを予測して期待でき、子どもが思わずおしゃべりしたくなるはず。

子どもたちに数えきれないくらい読んだ絵本「だるまさんシリーズ」「おしくらまんじゅう」「がたんごとん」「もこ もこもこ」「かん かん かん」「ちっちゃな おさかなちゃん」が思い浮かんできます。「もう一回、もう一回」と何度も読む中でいつの間にか絵本の主役がうちの子たちに変わっていくんですよね。

……早く見たい!と、ページを次々めくる子もいます。書かれている文字を正確に読み聞かせることにこだわる必要はないので、お子さんの興味や注意が向くペースに合わせてあげてください。

そうそう。僕も一番上の娘のときは、まだ「ちゃんと順番に読まないと〜」なんて変な義務感を感じていました。いやいや、つまみ読みしたって、飛ばし読みしたって、好きなところだけ繰り返したっていい、読者は自由なものですもんね!と一番下の娘に振り回される今は、そう強く思います。

そんな風にふむふむ頷きながら読み進めてしまいました。そしてうちの子たちによさげなものを、ポチってしまいました笑。

それだけでなく「はじめに知っておきたい おもちゃ・絵本の遊び方」には遊び方の5つのポイントが紹介されて、とっても参考になります。

また「Part1 「ことば」はどんなふうに育っていく?」や、「Part3 「ことば」にまつわるQ&A」を読み進めると、いろんな不安や疑問の絡まった結び目がちょっとずつ緩んでいきます。

うちの長男も言葉の表出が遅くて…仕事柄、言葉の理解はできているし、やり取りもよくわかっているから、言葉を溜めている時期なんだと思いつつ、でもちょっぴり不安だったときのことも思い出しました。そんななお悩みへの回答や具体的な相談先が掲載されているのもありがたいですよね。

『ことばをひきだす親子あそび』もご一緒に

また寺田奈々先生の別著『0〜4歳 ことばをひきだす親子あそび(寺田 奈々/beth)』も合わせてオススメします。

こちらでは、ぽつぽつ期やぽんぽん期、カタコト期などそれぞれのことばの発達に合わせた、ごっこあそびや体をつかったあそび、おもちゃやえほんをつかったあそびなど多方面からことばへアプローチするあそびや関わりが100も紹介されています。

(画像はPOST LINEより)

まとめ

ことばを引き出すおもちゃや絵本、そしてなな先生の解説がたくさん載っている本の紹介でした。

3人の我が子や支援学校で出会うたくさんの子たちを見ていて、ことばの発達って面白いなぁと日々感じます。

それと同時に、ことばってどうやって増えていくの?いつから助詞が使えるの?オノマトペや赤ちゃんことばを使っていても大丈夫?うちの子まだことばが出てこないんだけれど…大丈夫?なんて疑問も目の前の子どもたちを見ていると次々と湧いてきます。

世の中には「平均何歳で○○ができる」のような情報が溢れかえっていて、そんな見出しを見ると不安な気持ちにおそわれます。

仕事柄、発達ってそんな単純なものじゃないんだと知ってはいるのですが。

ことばの発達なんかは今井むつみ先生の本なんかを読むととっても興味深いのですが…じゃあ普段の関わりの中で具体的にどんなことをしたらいいんだぁー?!!ってなりますよね。

そんな場面をサポートしてくれるのが、今回紹介した2冊の本だと思います。

タイトルには発達障害&グレーゾーンとありますが、もっと幅広くいろんな子たちに通じる内容だと思います。

気になった方はぜひ手に取ってみてください。


寺田奈々先生はX(旧Twitter)やInstagram、noteでも情報を発信されています。僕自身も参考にさせていただいています。よければそちらものぞいてみてください。

BASEのコトリドリルショップはこちらから。本やらドリルやらカードやらアイテムやらがたくさんありますよー。



表紙の画像はAmazon.co.jpより引用した本の表紙です。