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北京パラリンピックの視覚障がい競技 まとめ

書こう書こうと思いつつ、もう北京パラリンピックの開会式が終わってしまいました笑。

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(画像はスポニチより)

以前、東京パラリンピックでの視覚障がい競技を紹介しましたが、それの北京パラリンピック版です。

夏季パラリンピックは、1960年にオリンピックの開催されたローマで行われた第9回ストーク・マンデビル競技大会が第1回となります。

冬季パラリンピックは、1976年にエンシェルツヴィーク(スウェーデン)で第1回が行われました。北京パラリンピックは第13回となります。日本は第2回のヤイロ(ノルウェー)から参加しています。

北京パラリンピックで、視覚障がいの参加できる競技には、アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロンの3つがあります。3つの競技について、それぞれ解説していきます。

1 アルペンスキー

冬の花形競技であるアルペンスキー。パラリンピック種目も、オリンピックと同じ、滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転(スーパーG)、大回転(ジャイアントスラローム)、回転(スラローム)、スーパー複合(スーパーコンビ)の5種目が実施されます。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

競技については日本障がい者スポーツ協会の「かんたん!アルペンスキーガイド」も参考になります。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

パラリンピックのアルペンスキーは、障がいごとに立位(スタンディング)、座位(シッティング)、視覚障がい(ビジュアリーインペアード)の3つのカテゴリーごとに分かれて行われます。3つのカテゴリーは、さらに障がいの種類や程度、運動機能などによってクラス分けされ、実走タイムにクラスごとに設定された係数を掛けた計算タイムで順位が決まります。 視覚障がいはB1からB3の3クラスに分かれます。

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(画像は日本ブラインドマラソン協会より)

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(画像はパラサポWEBより)

視覚障がいカテゴリーの選手は、視覚を補って安全に競技するため、選手は「ガイド」と一緒にコースを滑り、前方を滑る「ガイド」の音声によるサポートを受けて競技します。「ガイド」はマイクを装着して腰にスピーカーを付け、選手に声を届けやすくすることもします。

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(画像は挑戦者たちより)

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(画像はパラサポWEBより)

視覚に障がいがある選手は自分の目でコースの様子を確認することが困難です。アルペンスキーは急斜面を含むコースを速いスピードで滑り降りるため、一歩間違えると大きな怪我につながります。
そこで選手の目となり、危険がないよう選手を導く「ガイド」が選手の前を滑り、声や音を使って選手にターンの大きさや斜面変化などコース状況を伝えつつ、選手と一緒に競技を行います。
そのため、日頃から一緒に練習をして互いの呼吸を合わせたり、コンビネーションを磨かなければいけません。
またガイドは、選手を先導できるスキー技術、滑りながら選手に指示を出せる的確な判断力など、高いレベルでの競技力が求められます。選手によってはオリンピック出場経験のあるスキーヤーがガイドを務めるケースもあるほどです。
(アイするスポーツプロジェクトより)

視覚障がいカテゴリーでは、選手と共に「ガイド」も表彰台へのぼります。

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(画像は朝日新聞デジタルより)

1.滑降(ダウンヒル)

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(画像はJSPORTSより)

アルペン競技の中でもっとも長い距離を、もっとも速いスピードで滑り降りる種目です。旗門と旗門の間隔も長く、高速ターンの連続となります。コースの途中にはジャンプも設けられ、その飛距離は数十メートルに達することも。また、レース本番前に同じコースを使ったトレーニングが義務づけられている唯一の種目でもあります。そのトレーニングを通じて最速のラインを見極める能力が選手には求められ、それをサポートするチームの力も重要となります。

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(画像は日本障害者スキー連盟より)

2.スーパー大回転(スーパーG)

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(画像はJSPORTSより)

滑降と合わせて「高速系種目」と位置づけられている種目です。ただし、コースや旗門の設定によっては、大回転に近い性格になる場合もあります。高速での連続ターンや、滑降に匹敵するジャンプは、この種目の醍醐味。滑降と同じく一本のみの滑走タイムで競いますが、事前のトレーニングは行なわれないため、直前のインスペクション(下見)のみで戦略を立てなければならないという、独自の難しさがあります。

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(画像は日本障害者スキー連盟より)

3.大回転(ジャイアントスラローム)

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(画像はJSPORTSより)

スキー板を滑らせる技術とターンを描く技術との高次元での融合が求められる種目です。そのため、アルペンスキーの基本が凝縮されているとも言われます。2本滑った合計タイムで競われるので、逆転劇もしばしば起こり、見る楽しみもたっぷり。とくに2本目は、1本目の上位選手が順位を引っくり返してスタートするため、非常にスリリングな展開となります。この大回転と回転を合わせて「技術系種目」と呼び、「高速系種目」と対になる言葉として使われます。

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(画像は日本障害者スキー連盟より)

4.回転(スラローム)

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(画像はJSPORTSより)

すばやい動きと細かいターンが要求される、もっともテクニカルな種目です。旗門設定によるリズム変化も随所に盛り込まれ、選手の失敗をしばしば誘います。トップ選手になると旗門ぎりぎりのラインをねらっていくため、脛や手、または全身でポールをなぎ倒して通過することが当たり前になっています。選手はさまざまなプロテクターを装着しますが、それでもその衝撃は決して軽いものではなく、格闘技にも例えられます。

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(画像は日本障害者スキー連盟より)

5.スーパー複合(スーパーコンビ)

パラリンピックでは2010年バンクーバー大会から採用になった新しい種目です。スーパー大回転と回転を1本ずつ、1日のうちに行ない、その合計タイムで競います。性格が大きく異なり、使用するスキー板もまったく違う2種目を一気にこなすことになる点が、この種目の難しさです。ひとつの種目で大きなリードを奪う実力のある選手と、どちらもそつなくこなす選手の両方が、上位争いを繰り広げることになります。

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(画像は日本障害者スキー連盟より)

こうして調べてみると選手の凄さをただただ感じます。ダウンヒルのスピード感すごいですよね…盲学校でのスキー実習を思い出します。スピード感は全然違いますが笑。

2 クロスカントリースキー

クロスカントリースキーは、立位(スタンディング)、座位(シッティング)、視覚障がい(ビジュアリーインペアード)の各カテゴリーでメダルを争います。カテゴリー区分はアルペンスキーと同様です。

立位と視覚障がいカテゴリーでは、専用のカッターで作られた二本の溝を滑るクラシカル走法と、主にスケーティング走法を用いるフリー走法の2種目が行われます。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

大会では、走法と距離を組み合わせた種目が行われますが、距離は約1kmのスプリント種目から、5~10kmの中距離、そして20kmなどの長距離種目までがあります。例えば、「10kmフリー」は「フリー走法によって10kmを競う種目」となる。パラリンピックではリレー種目も実施され、チーム同士の熱い戦いが繰り広げられます。

競技については日本障がい者スポーツ協会の「かんたん!ノルディックスキーガイド」も参考になります。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

視覚障がいカテゴリーの選手は、アルペンスキー同様、前方を滑る「ガイド」の音声によるサポートを受けて競技します。

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(画像はパラサポWEBより)

パラサポWEBより北京パラリンピックに出場する有安選手のガイド、藤田さんのインタビューを引用します。

実際に藤田さんは滑走中にどんなガイドをしているのだろうか。

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コースはアップダウンがあり、天候や気温によって雪の状態も変わる。バランスを保つのが難しい視覚障がい選手に、フォームの修正はもちろんのこと、走法変更の指示をすることもある。

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クロスカントリースキーには、あらかじめコースにつけられた2本のレールに沿って滑る「クラシカル種目」と、アイススケートのように足をハの字にして滑る「フリー種目」がある。ガイドはどちらが難しい?

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下り坂は転倒の恐れもある。どんな声がけをしているのか?

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さらに視覚障がいクラスでは、安全確保のため、下りなど定められたエリアにおいて「ホールディング」という動作が認められる。

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インタビュー記事を読むと、観戦するときにいろんな気づきがありそうですね。「ダブルポール!」のときは選手の動きに注目です!

3 バイアスロン

バイアスロンは、クロスカントリースキーのフリー走法と射撃を組み合わせたものです。「クロスカントリースキーの「動」と射撃の「静」を組み合わせて競う」なんて言われるそうです。走行による呼吸の乱れを素早くコントロールし、正確に的を狙って引き金を引くという強靭な体力と精神力が問われるそう…格好いいですね。

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(画像は日本パラリンピック委員会より)

カテゴリー区分はアルペンスキーと同様です。

パラリンピックでは、距離別にショート、ミドル、ロングの3種目が実施されます。射撃は伏射で行い、射撃を外した回数だけペナルティがあるため、選手たちは満射を狙い、ハイレベルな戦いを繰り広げるのです。射撃の技術はもちろんのこと、持久力と集中力が求められる過酷な競技なのです。射撃を外すと1周余分に走らないといけない、タイム追加といったとペナルティーがあるんです。正に強靭な体力と精神力が問われる「静と動の競技」ですね。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

競技については日本障がい者スポーツ協会の「かんたん!ノルディックスキーガイド」も参考になります。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

視覚障がいカテゴリーでは、アルペンスキーやクロスカントリー同様にガイドと共に競技に参加します。また射撃で使用するビームライフルは、銃口が10m先にある直径21mmのターゲットに向かったとときに、音が流れるようになっています。

直径21mmって…ツメくらいの大きさですよね…僕がやったらターゲットに向かって音が流れる自信がありません笑。しかも外したらペナルティーですし。

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(画像は日本パラスポーツ協会より)

まとめ

視覚障がい者の参加するパラリンピック競技のまとめどうでしたか。パラリンピック競技には他にも、アイスホッケー、車いすカーリング、スノーボードがあります。

東京パラリンピックの紹介記事でも書きましたが、何も知らずに観戦すると、「すごい」の一言だけで終わってしまいます。もちろんすごいのですが、選手は超人であっても魔法使いではありません。競技には、目が見えなくてもできる工夫がそれぞれに隠されています。特に冬季パラリンピックの3種目は、ガイドがキーポイントになると思います。ガイドの想いや声かけ、競技の工夫などを知るとより深く観戦できるかとおもいます。

個人的には視覚障がいカテゴリーから唯一出場する、クロスカントリースキーの有安諒平選手が同年代なこともあり応援しています。

この記事がみなさんの観戦のお役に立ては幸いです。


参考にしたサイト

1.パラサポWEB

2.VIRN視覚障害リソース・ネットワーク「視覚障害者とスポーツ」

3.日本障害者スキー連盟

4.アイするスポーツプロジェクト



表紙の画像は、AFP BB Newsより引用した、北京オリンピック・パラリンピックのロゴマークです。