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盲導犬・アイメイト まとめ

今回は視覚障がいのシンボルの1つでもある、盲導犬・アイメイトについて、いろいろと紹介していきます。

1 盲導犬・アイメイトとは

盲導犬・アイメイトは、視覚障がいの方を安全に快適に誘導する犬で、視覚障がいのシンボルとしても知られています。「盲人誘導犬」が盲導犬の由来です。

盲導犬のイラスト

(画像はいらすとやより)

ハーネスと呼ばれる白い胴輪をつけ、視覚障がい者が外出する際に安全に目的地へ誘導する為に特別に訓練された犬です。身体障害者補助犬法により、公共の施設や交通機関、デパート、ホテルなどの民間施設などにも入ることが認められています。聴導犬や介助犬なども含む身体障がい者補助犬の中で、もっとも広く知られた存在ですね。

身体障害者補助犬のイラストと説明
身体障がい者補助犬

(画像は日本赤十字社より)

背中にハーネス(胴輪)を着用し、ハンドルを持った視覚障がいのユーザーと一緒に歩く盲導犬の姿を見かけたことのある方もいらっしゃるでしょう。犬の向きや細かい動きなどをユーザーにダイレクトに伝えるために、リード(紐)ではなく固定できるハーネスが使われるのです。

ハーネスの写真
ハーネス(U字ハンドル)

(画像は東日本盲導犬協会より)

ユーザーの持ち手であるハンドルは、U字型と棒状のストレートハンドル(バーハンドル)があります。

ストレートハンドル(バーハンドル)

(画像は日本盲導犬協会より)

オレンジ色が多いハーネスバックの中には、ペットシーツやフェイスタオル、ポケットティッシュやビニール袋、ワンツーベルトなどを入れることが多いそうだよ。

(画像は東日本盲導犬協会より)

盲導犬の犬種はラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、およびその交雑種です。

ラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーの写真

(画像はわんちゃんホンポより)

一般に盲導犬と呼ばれますが、日本アイメイト協会では、「目(EYE)」 「私( I )」 「愛」の3つの意味を持つ「アイ」と、英語で仲間という意味を持つ「メイト」を組み合わせた「アイメイト」という呼び方をしています(これ以降は「盲導犬」に表記を統一します)。

目の不自由な人を誘導し、好きなところへどこへでも連れて行ってくれる。信号を見分けて赤のときには教えてくれる。盲導犬にこんなイメージをもっていませんか?盲導犬はユーザーの指示に従い、次の5つの仕事を行います。

1.道をまっすぐあるく

視覚を使わず一人でまっすぐ歩くのはとても難しいことです。わき道に曲がっていったりしないように、歩道の通りまっすぐ、歩道がない場合は建物に沿ってまっすぐ歩く仕事をします。

視覚障がいの方は白杖を使って歩行される方もいらっしゃいますが、盲導犬がいることでより速いスピードで快適に歩けるそうです。

盲導犬がまっすぐ歩いている写真

(画像は北海道盲導犬協会より)

2.交差点で止まる

盲導犬の最も重要な仕事です。信号機や横断歩道の有無にかかわらず、「道が交わっているところ」を止まって知らせます。交差点で確実止まることにより、現在地の確認が出来たり、道路に飛び出さないなどの安全を確保することができます。

盲導犬が交差点の横断歩道前で立ち止まっている写真

(画像は北海道盲導犬協会より)

3.障害物を避ける

障害物といっても電柱などいつもそこにあるものだけではなく、歩行者や自転車に乗った通行人なども視覚障がい者にとっては障害物の一つとなります。また、車のドアミラーやお店の看板など、高さのあるものも障害物として認識しぶつからないように誘導します。

盲導犬が歩道の障害物を避けるように誘導している写真

(画像は北海道盲導犬協会より)

4.目的物を探す

「階段」「ドア」など、近くにある目的物を探して主人が触る位置まで誘導する仕事です。

郵便ポストの前に止まっている盲導犬

(画像は北海道盲導犬協会より)

5.不服従の服従

犬は信号の色を判断できません。道路を横断する判断はあくまで主人が行います。その命令が間違っているときに盲導犬は指示に従わず、安全を優先させるのが仕事です。

(画像は北海道盲導犬協会より)

盲導犬は、その命令が間違っているときに指示に従わない「不服従の服従」など、とってもすごいんですが、何でもできるスーパーマン(スーパードック?)ではありません。

地図は盲導犬ユーザーの方が頭の中に持っていないといけませんし、信号の色を識別することも難しいのです。

2 盲導犬育成団体

国家公安委員会から指定を受けた盲導犬育成団体は全国に11団体あります。盲導犬の呼び方や、ユーザーの対象(全盲者だけか、弱視の方も含むのか)、指示の出し方や白杖を併用するかどうかなど団体によって違いがあります。

各団体では募金や寄付、チャリティグッズの販売、パピーウォーカー(子犬飼育ボランティア)や引退犬飼育などの募集もあります。ぜひ各盲導犬育成団体のホームページを確認ください。 

11の盲導犬育成団体とそのホームページを以下に紹介します。

1.(公財)北海道盲導犬協会

2.(一財)いばらき盲導犬協会

3.(公財)東日本盲導犬協会

4.(公財)日本盲導犬協会

5.(公財)アイメイト協会

6.(社福)中部盲導犬協会

7.(公財)関西盲導犬協会

8.(社福)日本ライトハウス

9.(社福)兵庫盲導犬協会

10.(公財)九州盲導犬協会

11.(公財)日本補助犬協会

3 盲導犬を使用するには

盲導犬を希望されると言う事は新しい家族を迎え入れることだと考えてください。パートナーとして、生活全てに関わって来ますので、それぞれの障がい・生活スタイルに合致する犬を貸与する必要があります。以下に盲導犬貸与までの大まかな流れを書いてみましたので、是非ご一読ください。

全国盲導犬施設連合会より

盲導犬の貸与については、自治体や盲導犬育成団体によって基準が異なります。求められる身体障がい者手帳の等級も異なり、手帳がなくとも盲導犬を利用している方もいらっしゃいます。詳しくはお住まいの自治体や盲導犬育成団体までお問い合わせください。

また貸与までの流れや訓練期間についても団体により差異があります。ここでは一般的な流れを紹介します。

1.相談

盲導犬を希望される方は、お近くの盲導犬協会に直接問い合わせるか、もしくは所在地の県や市の福祉課、または町村役場に相談してください。

自治体によってはホームページなどで盲導犬についての案内が掲載されています。

2.申し込み

相談後、盲導犬貸与申込書で申請を行い、各協会職員からの連絡を待ちます。団体によっては申し込む前に、事前の体験会をすすめられることもあります。

3.自宅訪問(面談)

日程を調整の上、職員が自宅を訪問します。ここでは、犬の寝床や排便場所、日常的に歩く周辺の歩行環境を確認します。

4.マッチング・日程決定

自宅訪問で得た情報を基に、どの犬をどのように訓練すれば良いか、担当の職員が考えます。しかし、犬の選定・訓練に時間がかかったり、合う犬がすぐに見つからなかったり、他にも待っている人がおられる場合が多いのも現実です。このような場合には、「●ヵ月ぐらいかかります」など大体の待ち時間が伝えられます。

5.共同訓練

共同訓練とは、パートナーとなる犬と生活を共にし、お互いの理解を深めた上で、安全に歩行する為の基本を学ぶ期間です。

4週間にわたる盲導犬貸与の訓練は各訓練センターで行われます(各訓練センターは宿泊施設も完備しています)。訓練は多岐にわたり、犬の世話から、指示の出し方、誉め方、叱り方、歩行訓練(安全に犬と歩くための訓練)などがあります。

6.卒業

訪問訓練が順調に進行すれば、晴れて卒業です。ここから盲導犬との共同生活がはじまります。

7.フォローアップ

人にとっても犬にとっても、新しいパートナーに慣れるには時間がかかります。卒業後も必要に応じてフォローアップが行われます。

4 盲導犬の一生

1.誕生

健康で盲導犬に向いている性格の両親から、盲導犬候補の子犬が誕生します。生後2ヵ月頃まで、母犬と兄弟姉妹とともに遊びながらすくすくと育ちます。盲導犬に使われる主な犬種は、従順で賢いラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーなどです。

(画像は兵庫盲導犬協会より)

2.成長

生後2ヵ月頃を過ぎると、パピーウォーカー(飼育奉仕)というボランティア家庭に1頭ずつ引き取られます。大人になるまでの約1年間、家族の一員として愛情をいっぱいに受け、元気にのびのびと成長します。

寝転んでいる男の子の上にのっかっているゴールデン・レトリバーの写真

(画像は兵庫盲導犬協会より)

3.訓練

約1歳になると盲導犬訓練施設に戻ります。施設に戻ると、まず盲導犬としての適性テストを行い、テストに合格した犬だけが基礎訓練(服従訓練)に進みます。

盲導犬としての適性が無いと判断された犬は、「キャリアチェンジ犬」としてキャリアチェンジ犬ボランティアへ引き取られます。

基礎訓練では、人と関わることを知り、コミュニケーションを通じて信頼関係を築きます。指示を的確に聞き分け、人間のコントロールに従うよう訓練を行います。

リードを繋がれた犬が、「待て」の指示に従っている写真

(画像は兵庫盲導犬協会より)

基礎訓練を終えると、ハーネスを装着して誘導訓練(タウンウォーク)がはじまります。街中で目の見えない・見えにくい人を安全に誘導するための訓練で、ハーネスをつけてまっすぐに歩く、交差点などでの停止、障害物を避ける、建物の入口や階段など目的物を探す、使用者の指示により安全を優先するための訓練などを行います。

訓練用のコーンやポールをさけてさけて誘導している訓練の様子

(画像は兵庫盲導犬協会より)

最後に訓練士がアイマスクをして歩き、盲導犬としての最終評価を判定します。

この最終評価に合格できるのは、10頭中3〜4頭なのだそうです。

アイマスクを着用した訓練士を誘導している盲学校の写真

(画像は関西盲導犬協会より)

4.共同訓練

無事に卒業した盲導犬は、目の見えない・見えにくい人のパートナーとなるべく生活し一緒に歩くための訓練を行います。約4週間の共同訓練でユーザーは、訓練センターで寝食を共にして信頼関係と愛情を深めながら、街の中で盲導犬と歩く訓練をします。交通機関の利用の仕方、また、排泄や給餌など犬の世話の仕方についても学んでゆきます。

街中でユーザーと盲導犬を訓練士がレクチャーしている写真

(画像はソニー生命より)

自宅付近の道路をユーザー、盲導犬と訓練士が確認している写真
犬舎の位置などを確認している写真

(画像は東日本盲導犬協会より)

5.卒業そしてユーザーと共に

共同訓練が終了すると、使用者とともに自宅に帰り、共同生活が始まります。ユーザーというパートナーとともに歩き、暮らしていくのです。

ユーザーと一緒にうつった盲学校の写真

(画像は兵庫盲導犬協会より)

6.引退

盲導犬は10歳前後で盲導犬ユーザーと別れて引退します。10歳といっても人間でいえば60歳くらいでまだまだ元気な年齢です。少し早めに引退して、引退犬飼育ボランティアの家へ引き取られ、家族の一員として新しい生活を過ごします。

布団の上で眠るラブラドール・レトリバーの写真

(画像は兵庫盲導犬協会より)

5 盲導犬の歴史

盲目の方の歩行補助に犬が使われた例や、杖をついた盲目の乞食や辻音楽師が犬につないだ紐に引かれて歩く姿はヨーロッパや中国などの様々な絵画に描かれており、1世紀古代ローマ帝国のポンペイ遺跡(イタリア)で発見されたものが最も古いそうです。

ポンペイの壁画で、杖をつきながら、犬の首紐を持った男性が描かれている
ポンペイ遺跡の壁画

(画像はカラパイアより)

杖をついた男性が首紐を繋いだ犬に轢かれているイラスト。書籍に印刷されたもののよう。
17世紀 オランダ
杖をついた盲人の男性が犬に誘導されている絵画
13世紀末頃 南フランス

(画像は日本盲導犬協会より)

中国の市場の絵。杖をつき、犬に首紐で誘導されている男性が描かれている
13世紀 中国

(画像は関西盲導犬協会より)

1819年、ウィーンのヨハン・ウィルヘルム・クライン神父はその著書の中で、視覚障がい者が安全に歩くための方法として、犬の首に杖のようなものをつけて歩く方法や、視覚障がい者自身が障害物を避けたりドアを見つけたりすることを犬に教え、実際に生活していた様子についても書いています。

現在のように組織的な盲導犬の育成が社会福祉事業として取り組まれるようになったのは、第一次世界大戦中のドイツからです。毒ガスや爆弾などにより数千もの兵士が失明したからです。

当時ドイツで軍用犬の育成を行っていたハインリッヒ・スターリン博士は犬が視覚障害者を手引きできるのではないかと考えつきました。そして政府や犬の訓練士の協力を得て盲導犬として犬を訓練する方法を導き出したのです。

1916年8月、ドイツのオルデンブルグで世界初となるオンデンブルグ盲導犬訓練学校が設立され、その年の10月には同校から初めての盲導犬ユーザーが誕生し、現代へとつながる組織的な盲導犬の育成がはじまりました。

オンデンブルグ盲導犬訓練学校の写真
オンデンブルグ盲導犬訓練学校

(画像は日本盲導犬協会より)

第一次世界大戦が終わった1919年には、539頭の盲導犬がドイツの失明軍人とともに歩いており、オルデンブルグ盲導犬訓練学校はドイツ国内の9か所に施設をひろげ、毎年およそ600頭の盲導犬を育成したという驚きの事実も記されています。1927年頃には、ドイツ国内で4000人もの盲導犬ユーザーがいたとも言われています。

ドイツでの盲導犬育成事業を基に、1928年にはイタリアにも盲導犬育成施設が、また1929年には現存する世界最古の盲導犬育成団体であるアメリカのシーイング・アイが誕生、そして1931年にはイギリスでも盲導犬協会が産声をあげます。

また最初に盲導犬育成を手掛けたドイツでは、1920年代にイギリスやフランス、スペイン、イタリア、アメリカ、カナダ、ロシアなどへ盲導犬を輸出しており、日本にも1939年に失明した軍人のためドイツから4頭のシェパードがやってきました。この4頭が日本で初めての盲導犬として活躍し、日本の盲導犬の歴史が幕を開けるのです。

日本最初の盲導犬の写真
1939年 日本最初の盲導犬(ドイツからやってきた盲導犬、ボドとリタ)

(画像は日本盲導犬協会より)

日本では、1938(昭和13)年、アメリカ人の盲導犬ユーザー、ジョン・ゴードン氏が観光旅行で来日し、各地で講演会が開かれたことがきっかけとなり、その翌年には、日本シェパード犬協会の人たちが中心となって、ドイツから4頭の盲導犬を輸入し、陸軍病院で再訓練された後で傷痍軍人に渡しました。しかし、その後戦争が激しくなり、盲導犬の育成は日本では続きませんでした。

第二次世界大戦後、塩屋賢一氏(後にアイメイト協会を創設)は、試行錯誤の末、日本人として初めて盲導犬の訓練に取り組みました。そして1957(昭和32)年、ジャーマン・シェパード犬のチャンピィを盲導犬として訓練することに成功し、チャンピィの所有者であった河相洌氏(当時、滋賀県立彦根盲学校教諭)が国産第一号の盲導犬のユーザーとなりました。

盲導犬チャンピィとかわいきよしさん、しおやけんいちさんらの写真
盲導犬チャンピィと河相洌氏、塩屋賢一氏ら

(画像はアイメイト協会より)

アイメイト発祥の地の記念碑

(画像はFOURSQUAREより)

その後盲導犬育成事業を行う団体が設立され、現在、国家公安委員会の指定を受けた団体は11団体になりました。

各地に盲導犬育成団体が広がる中、法整備や盲導犬に関する理解が進んでいきます。

1978(昭和53)年12月1日、道路交通法が改正され、盲導犬に関する保護条例の規定がなされました。盲導犬ユーザー本人が、ハーネスをつけた盲導犬とともに歩いている時、車の運転手は徐行、又は停止するように義務づけられました。

国鉄は、1969(昭和44)年より盲導犬の無料乗車を試行してきましたが、1973(昭和48)年に旅客営業取扱基準規定の一部を改正し、全国的に盲導犬同伴での乗車を認めました。

このように盲導犬への社会の受け入れは拡大の方向に向かっていきましたが、各省庁の通達は法的な拘束力を持つものではなく、他の客からの苦情や衛生面に不安があるのではといった誤解から乗車拒否や盲導犬の同伴を拒否されるケースは少なからずありました。

その中で航空機や電車へ乗車する際の口輪が必要なくなり、盲導犬育成事業が身体障がい者の社会参加のために必要だと明文化されるようになり、社会からの理解も徐々に広がってきました。

2002(平成14)年には、「身体障害者補助犬法」が成立、一部施行、1年後に全面施行となりました。この法律は、盲導犬・聴導犬・介助犬を「身体障害者補助犬」といい、公共交通機関や公共施設、デパート・飲食店といった不特定多数の者が利用する施設等で、補助犬の同伴拒否を禁止し、身体障害者の自立および社会参加の促進を目的に施行されました。

2021年3月時点で、国内で盲導犬を希望している視覚障がい者は約4000名と推定されていますが、実際に働いている盲導犬は全国で861頭です。

ニーズに対して盲導犬の育成が追いついておらず、ロボット盲導犬の開発も進められています。

四足歩行型のロボット盲導犬の写真

(画像はNSKより)

車輪移動型のロボット盲導犬の写真。盲導犬というより小型原付バイクのような見た目

(画像はNSKより)

ちなみに海外では、犬アレルギーなど体質的に盲導犬が難しい方に向けた盲導馬が育成されているそうです。

盲導馬が地下鉄駅ホームを移動している写真。大きさはポニーサイズで、背中までの高さはユーザーの腰くらい。

(画像はCALQUEより)

6 盲導犬のゆるキャラ

1.エルくん(盲導犬総合支援センター)

ラブラドール・レトリバーの男の子で、盲導犬総合支援センターの広報部長をしています。ゆるキャラグランプリに出場したり、Twitterで発信したりとかなりの有名人(犬?)です。

エルくんの紹介。 名前:エルくん 職業:盲導犬 家族:お父さんと2人(?)暮らし 住所:東京都世田谷区尾山台 日課:お父さんと電車で横浜へ通勤 秘密その①どこでもすぐに寝れる その②自称(?)ファッションリーダー その③段差を教えるのが得意 その④「●●だよ」が口癖。やたらと英語を使ってみたくなる。
エルくんのとある1日

(画像は盲導犬サポートSHOPより)

エルくんの着ぐるみ写真

(画像はゆるキャラグランプリより)

2.あゆみ・ふじまる(日本盲導犬協会 日本盲導犬総合支援センター〈盲導犬の里 富士ハーネス〉)

あゆみは、女の子で、右手の人差し指を「この指とーまれ!」と上げ、左手は「頑張ろう!」とこぶしをにぎっています。ふじまるは、盲導犬で、富士山をイメージした顔になっています。

あゆみとふじまるのイラスト

(画像は盲導犬の里 富士ハーネスより)

3.むねワン(日本盲導犬協会 仙台訓練センター〈スマイルワン仙台〉)

仙台の英雄「伊達政宗」の兜をかぶった犬のキャラクターです。元東北楽天ゴールデンイーグルス監督の田尾安志さん・宏子さんご夫妻らの審査で選ばれました。

むねワンのイラスト

(画像は日本盲導犬協会より)

4.ハッピー・パピネス(日本盲導犬協会 島根あさひ訓練センター〈パピネス〉)

ハッピーは犬の帽子をかぶって、大きなハートが真ん中にあるTシャツを着た女の子、パピネスは盲導犬です。

ハッピーとハピネスのイラスト

(画像は日本盲導犬協会より)

5.アイちゃん(中部盲導犬協会)

中部盲導犬協会のマスコットキャラクターの盲導犬です。名前の由来は、日本語の「愛」と英語の「EYE」で、アイスフィギュアスケーターで選考委員の村上佳菜子選手が選んで決定しました。

アイちゃんのイラスト

(画像は中部盲学校協会より)

6.盲導犬のゲンくん(関西盲導犬協会)

関西の大学生が中心となって障害者支援活動を行う団体「barrier free」が、盲導犬事業を応援しようと「盲導犬LINEスタンプ」を企画からデザインされる中で生まれたキャラクターです。

盲導犬ゲンくんのスタンプ「我輩は犬である。」
盲導犬のゲンくんのスタンプ。青信号前でストップしている

(画像はREADY FORより)

7.アルク(兵庫盲導犬協会)

兵庫盲導犬協会のキャラクターです。

アルクのイラスト

(画像は兵庫盲導犬協会より)


8.ダイアン(横浜市立盲特別支援学校)

学校の先生の盲導犬がモチーフ(実物?)らしいです。

ダイアンのイラスト

(画像は横浜市立盲特別支援学校より)

9.盲導犬ラック(boyo-art)

ロービジョンクリエイターのboyo-artさんのキャラクターです。他にもよっかちゃんや盲導犬ナイトをはじめ、たくさんのキャラクターがいますよー。

盲導犬ラックのイラスト
ラックとナイトのイラスト

(画像はboyo-artより)

7 盲導犬のグッズ

盲導犬サポートSHOPや盲導犬育成団体のホームページなどで盲導犬のグッズが販売されています。その一部を紹介していきます。

1.犬用のグッズ

ドッグウェアやドッグフード、お手入れグッズなど盲導犬用のグッズが販売されています。

オレンジ色のレインコート
レインコート
光を反射する素材のマント。通常時と反射時を比較している
リフレクター素材のマント
ひんやりアゴのせベッドの上に横になる犬
ひんやりアゴのせベッド
ブラシ
高級豚毛ブラシ
盲導犬イラスト入りのビニール袋
リサイクルワンツー袋
黒いワンツーベルト
ワンツーベルト

(画像は盲導犬サポートSHOPより)

2.衣服、ファッション小物

ピンク色でいろんな種類の犬のイラストが前にプリントされている
盲導犬サポーターDOGS Tシャツ
水色のマスクと水色のストラップ
めがねマスクストラップ&タオルマスクセット
犬のイラストがある手ぬぐいとそばちょこ
手ぬぐい&そばちょこセット

(画像は盲導犬サポートSHOPより)

8パターンのTシャツとカード
チャリティーグッズ

(画像は盲導犬総合支援センターより)

黒と白のアルクがプリントされたTシャツ

(画像は兵庫盲導犬協会より)

デニム地のトートバッグ

(画像は盲導犬を育てる会より)

3.雑貨

エメラルドブルーに盲導犬のイラストがあるクッション
クッションカバー
盲導犬のイラストが包み紙にプリントされたトイレットペーパー
盲導犬応援トイレットペーパー
盲導犬がデザインされたハンドタオル
フェイスタオル
エルくんのマスキングテープとポストカード
ポストカード付きマスキングテープ

(画像は盲導犬サポートSHOPより)

僕も毎年買っているカレンダー
boyo-art2020 周知卓上カレンダー

(画像はTwitter@boyo_artより)

4.食品

盲導犬がデザインされた缶
ルピシア紅茶【幸せを運ぶハニーレモン】
盲導犬のイラストが描かれたようかんのパッケージ
榮太樓ひとくち煉りようかん
盲導犬応援泉屋クッキー缶
いろんな動作をする盲導犬が描かれた缶
盲導犬応援和泉屋クッキー缶

(画像はBuzzFeedより) 

個人的には甘いもの好きなので、食品が気になります。

5.書籍・資料

『アイメイトと生きる―盲導犬を育てて五十年(塩屋 賢一)』

『盲導犬ハンドブック(松井 進)』

『光をくれた犬たち 盲導犬の一生(今西 乃子)』

『がんばれ!キミは盲導犬(長谷島 妙子)』

『今日からは、あなたの盲導犬(日野 多香子)』

『盲導犬チャンピィ―日本初の盲導犬を育てた塩屋賢一ものがたり(桑原 崇寿)』

『世の中への扉 盲導犬サーブ(手島 悠介)』

『盲導犬クイールの一生(秋元 良平/石黒 謙吾)』

『ベルナのしっぽ(郡司 ななえ)』

『パピーウォーカー 盲導犬のたまごとくらす幸せ(石黒 謙吾)』

『わたしは盲導犬訓練士(岡村 啓嗣)』

『盲導犬といつも一緒に(日本盲導犬協会)』

これ以外にもたくさんの盲導犬に関する書籍がありますよ。

8 街中で盲導犬を見かけたときには

街中で盲導犬を見かけても彼らはお仕事中です。

食べ物を与えたり、声をかけたり、口笛を吹いたり、触ったり、目を合わせて気を引いたりといったことをせず、暖かく見守ってください。

もちろん、盲導犬の名前を呼んだり、ユーザー以外の方が指示を出したりすると、盲導犬が混乱して命の危険につながります。

盲導犬が珍しいからといって勝手に写真を撮るのはもちろん犯罪行為です。何度も言いますが、暖かく見守ってあげてください。

盲導犬に声を掛けないでください
盲導犬に触らないでください
盲導犬に食べ物を 上げないでください
写真を撮ったり、SNSに載せたりしないでください
じっと見つめない

(画像は兵庫盲導犬協会より)

そして危険だなと思うときは、盲導犬ではなく、まずユーザーの方に声をかけてください。

ハーネスを引っ張ると盲導犬もユーザーも判断を誤る危険がありますので、触らないでください。

●音響信号のない交差点
●混雑しているところ
●幅の広い道路を渡る時
●駅のプラットホームの上
●駅のコンコースなど広いところ
●人が並んでいるバスの停留所 など

などでは周りの状況がわからずに困っていることがあるかもしれません。

よくある勘違いですが、盲導犬が信号の色を識別している訳ではありません。ユーザーが音響信号や周りの音を聞き、安全に渡れるか判断し、盲導犬へ指示を出しています。音響信号がなかったり、周りに人や車がいない状況では、信号がわからないこともあります(「青になった」などのような独りごと作戦有効です)。

また盲導犬が地図やルートを覚えて誘導しているわけではありません。ユーザーが目的地までの道のりを記憶しており、頭の中にある地図を基に盲導犬に指示を出しています。そのため、通いなれた道でも工事など、いつもと違うことがあると迷ってしまうこともあります。

基本的な声かけや誘導は別の記事でも紹介しています(絶対こうというのがあるわけではなく、相手に聞いて確認しながらされるのが一番いいと思います)。

コロナ禍で検温やアルコール消毒などの位置が分からず困ってる視覚障がいの方も多くいらっしゃいます。様子を見て声かけをお願いします。

(画像はTwitter@moudoukenLkunより)

全国盲導犬施設連合会の『盲導犬ハンドブック』も参考にしてください。


よろしくお願いします。

9 お店や施設の方へ

お店や電車の中で盲導犬が入ったときにどうするか知っていますか?必ずテーブルや座席、ユーザーの足下に待機しているんです。

特別な訓練を受けているので、基本的に吠えたり噛んだりすることもありません。

店内でトイレを失敗することもありません。ユーザーの方が排泄時間を把握してあげて、その時間になると、人の方がトイレに出してあげるのです(排泄物がビニール袋に入る便利なワンツーベルトというグッズがあります)。

緑色のワンツーベルトのイラスト

(画像は日本補助犬情報センターより)

ワンツーベルトをつけた犬が排泄をしている写真

(画像は東日本盲導犬協会より)

またJR東日本のさいたま新都心駅構内には盲導犬トイレが設置されているそうです。

ほじょ犬がトイレの写真

(画像はJタウンネットより)

全国盲導犬施設連合会では、補助犬の受入れを表示する「補助犬同伴可ステッカー」を作成・配布しています。

補助犬同伴可ステッカーの写真

(画像は全国盲導犬施設連合会より)

申し込みは以下のホームページから。

厚生労働省のほじょ犬マークもあります。

ほじょ犬マークのイラスト

(画像は厚生労働省より)

データのダウンロードはこちらから。

コロナ禍で盲導犬の受け入れ拒否の事例も増えていると聞きます。

盲導犬をはじめとした身体障がい者補助犬の受け入れへのご協力をよろしくお願いします。

10 もっと盲導犬のことを知ろう!

もっと盲導犬のことが知りたくなった方は、掲載している盲導犬育成団体のサイトを覗いたり、紹介した書籍を読んでみてください。

子ども向けのサイトとして、アイメイト協会の「「もうどう犬」を知ろう!(アイメイト・子どもサイト)」や、東日本盲導犬協会の「盲導犬を学ぶ」、Yahoo!きっずの「盲導犬のことを知ろう」などもあります。

盲導犬の開発動画もいろいろありました。

コロナ禍で制限はありますが、盲導犬育成のためのチャリティーイベントや街頭募金活動も行われています。

イベントなどではPR犬も登場しますよ。

街頭募金

(画像は岡山西ライオンズクラブより)

日本ライトハウス盲動犬訓練所のデモ犬ジャー

(画像はNicheee!より)

まとめ

記事を書くまでは以前働いていた盲学校で盲導犬ユーザーの先輩教員がいらっしゃった関わりと、TwitterなどSNS上で発信されている方々からの情報、数冊の本の内容しか知りませんでした。

調べてみていろんなことがわかりました。

希望者と盲導犬の数が釣り合っていない問題は、早くなんとかなってほしいですよね。

そして盲導犬への理解が広まり、見えにくい人がメガネをかけるのが当たり前であるように、盲導犬も当たり前に受け入れられる世の中になりますように。そのために少しでもお役に立てれば幸いです。


表紙の画像はReCheriより引用しました。