何者。カメラ少年
ごく稀に”何者”と感じる生徒に出会います。
canonの一眼レフカメラを持ち、その機能を先生に一生懸命説明していました。
実は私も写真が好きなのです。
”写真が好きなの?”と声をかけると彼は大きく頷いていた。
そして今日、全教員が参加する会議がありました。しかし、私は何も知らされていないし、連絡もない。
行き場をなくしていた私は仕方なく学校の隅でパソコン作業をしていました。すると私の元に彼がやって来ました。大きなリュックを背負い、そこにはCanonの文字。どうやらカメラバックです。
タブレットを取り出した彼は私に自分の作品を沢山見せてくれました。しっかりと練られた撮って写真の数々、鏡や水など小道具を活かした写真なども沢山ありました。
写真部の存在は聞いたことはありません、しかし
”素敵な写真だね”と言うと、撮った場所や撮影方法の説明に俄然熱が入るのでした。
そして徐にリュックに手を伸ばし、私は驚くことになるのです。
望遠、広角、マクロレンズ、フィルター各種を次々と取り出すのです。
”高校生の持ち物じゃない”。流石に驚きました。
パナマはいわゆる途上国の中でも発展しています。しかし、教室には教科書を持っていない生徒ばかりです。むしろ全員持っていないクラスが普通です。生徒の学力も決して高くない。特に算数・数学は絶望的です。お金がなく教材を買ってこれない生徒もいます。
なのに。
首都と地方、首都内においても大きな格差を抱えている国ですが、彼が嬉々として説明する機材達がそれを十分過ぎるほどに物語るのです。
なんなんやろうこの学校。なんなんやろうこの国。
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