持続可能ってどうやるの
私の活動先は生徒数が1500人、教員が100人というパナマの中ではかなりのマンモス校です。この学校の設立目的は小学校教員を養成することです。
●私の活動の目的
①2年後に、理科の授業が生徒が主体的に学ぶ授業として行われていること。
②教員が様々な実験・活動を行えるようにすることです。
JICAとの関わりも長く理科教育隊員は私で4代目。同僚達は課題を抱えつつも教育に熱意は持っているように感じます。
私はそんな彼らを支援したいと思っています。ただそこにはある問題が立ちはだかっていました。
●援助慣れ
初めて行った実験は12学年(高校3年)の食品の栄養分析です。その時に同僚から言われたことが、
“材料はJICAが全部用意してくれるんでしょ”
“今までのボランティアは全部持ってきてくれたわよ”
言葉を失いました。
これが訓練所で聞いていた援助慣れか..と思いました。
派遣前に先輩隊員からお話を伺う機会がありました。
その時、学校に申請しても学内の手続きが遅々としており、授業に間に合わないため仕方なくJICAの活動費で間に合わせていた旨は伺っていました。
この現場の教員とボランティアの中の予算のギャップに驚きました。
●カウンターパートとの話し合い
今後の活動の方針の打ち合わせをする際に聞いてみました。
“JICA ボランティアが帰国したら、貴方達は試料が買えなくて実験を行えないのではないですか?”
“予算はどのように使われているのですか?”
その返答は以下のようなものでした。
“学校の予算は実験器具に使う”
“食品などの比較的安価な消耗品や試料は実費で用意している”
この返答に今後の方針に迷いが生じました。私が様々な実験を紹介したとしても、JICAが全材料を用意する限り持続可能な活動にならないのではないか。
●結論
それでも実験・観察を紹介する。
悩みましたが、JICAが全て支援したとしても行うべきだと判断しました。
✴︎なるべく安価な物、身近な物でできる工夫を考えたいと思っています。
理由は予算の問題は別の問題であり、生徒には関係がないということ。
●まとめ
この問題は私が日本で勤めていた学校と同じです。様々な事情で予算が降りない場合、私も実費で用意したことは一度二度ではありません(今でも良いとは思っていません)。
配属先の同僚達も同じ状況でした。
JICAの支援の目的は資金援助でも人材派遣でもなく、技術支援です。但し、私の持っている技術を伝えるためにJICAの予算を使うことは致し方なしと判断しました。
予算の使い道に関しても議論していきたいです。持続可能ってむずかしい。
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