「あのバンド変わったな」

好きだったバンドがメジャーデビューしたりするとよく「あのバンド変わったな、インディーズの方が良かったな」というセリフを言う人がいる。メジャーデビューじゃなくても「1枚目のアルバムが一番良かった」というのもたまに耳にする。僕自身もこのセリフはたまに口に出してしまう。

もちろんアーティスト自身の環境や心情の変化、曲の変化など色々とあると思う。人間なんて日々変わるものなのだから曲が変わっていくなんて当たり前の話しだ。

「変わったな」というセリフがでるのは作り手側の話しじゃなくて、聴き手側の「最初の衝撃を越えられない」ということに他ならないと思う。やっぱり音楽などの作品を聴いて、一番初めに好きになったときのインパクトというのは大きい。

例えばコミックバンドよりのアーティストなどは良い例だ。ゴールデンボンバーなどもそうだし、最近だとヤバイTシャツ屋さんや岡崎体育なんかもそうだと思う。

彼らをみたときの初めの衝撃というものはすごい。今までにないものがでてきたワクワク感というものがあるし、他と違ってわかりやすく一瞬で心奪われるものがある。

しかし彼らが真面目な曲をやりだしたときに必ず冒頭のセリフを口にする人はでてくると思う。素直に「良い曲だ」と受け入れられない気持ちはわかる。そのアーティストに求めているものが違うからだ。最初に好きになったものと違うものになってしまっているからだ。

これは何にでも当てはまる問題だと思う。他の作品でもそうだし、人間関係でもそうだ。初めは新鮮に感じる人でも、会ってくるとだんだんと嫌な部分しか見えなくなってくる。

そう考えると、常に最前線を走っている人はすごいなーと改めて思うし、普遍的なものをずっとやり続けるというのは難しいことなのだな考えさせられる。ロングヒットを続けいてる「変わっていない」と思っているものも、実は少しずつ飽きられないように進化しているのかもしれない。

「変わった、ダメだ」とすぐに思うのは簡単であるが、どう変わったのか、少し考えてみるのも良いかもしれない。

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