見出し画像

2021.12.13 あの時の気持ちを記録として(角野隼斗氏を想う)

一年以上も前に書いた文章が出てきた。
あのころ想像した未来は確かにその通りに進んでいて、けれどもそれ以上に豊かなものだったと感じられる。

初めて彼の演奏を生で聴きに行った2022.1.10から一年経った今日、今更だけどこれは私の想いとして大切に残しておきたいと思い、ここに綴ります。

------------------
これは2020年サントリーホールでの角野隼斗ソロリサイタルの一年後2021.12.13に書いた文章です。
------------------

サントリーホールでのソロ公演から一年経った。

何もかも思うようにならなかった2020年。
それでも彼は「かてぃん」として自分の家の部屋の中からカメラに笑顔を向けていろんなワクワクをたくさん発信してくれた。
密かに応援しながら画面を覗き込み見守る時間は本当に癒しで、わたしの心を守り続けてくれました。

だけど本当は、片翼が折れた鳥のようにもがいていたんだ。
静かに今自分にできることを模索し試行錯誤し心の中の熱を大切に温めつづけていた。
彼のことを知れば知るほどに自由に飛べないもどかしさが透けて見えて、こんな若くて美しい鳥を籠の中に閉じ込めたコロナに苛立ちを感じずにはいられなかった。

昨年の集大成ともいえるステージに立つ「角野隼斗」は本当にとんでもない光を放って眩しくて。画面の向こうにリアルタイムで起きている出来事を見せてもらうだけで夢のような時間でした。

この人は両翼が揃えば間違いなく飛んでいく。そして瞬く間に高い高いところまでのぼっていってしまうでしょう。
その予想を期待通りのものとして、今年2021年は翼を大きく広げて舞い上がった。
もうどんなに手を伸ばしても届かないのだろうと見上げると、少し寂しくもあった。そしてさらに近い未来には広い広い世界へと振り向かずに飛び立つことだろう。

だけど、もともとわたしにとって彼は、背伸びもしない可愛い男の子なときも、眩い光のオーラを放つ演奏家の姿をしてるときも、少し気怠そうな表情で心の奥を掬っていくときも、いつでも小さな画面の中の人だ。

たまに本当に現実に存在しているのだろうかと不安になる。どうか夢か幻でありませんようにと思う時がある。

だから来年こそは遠く遠く見えなくなるほどに羽ばたいていってしまう前に、わたしもこの目で実際に見てこようと思う。
「角野隼斗」が決して幻想ではない証拠を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?