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ユーロ、1年ぶりの高値!コロナショック、ヨーロッパの対応は?~ECB理事会まとめ~

こんばんは、FPむーです。

アメリカや日本に注目している人が多い今日この頃ですが、
実はユーロが1年ぶりの高値をつけたことをご存知ですか?

1ユーロ=124円までいきました。

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なんで、こんなにユーロが上がったかって?

先日、ECB理事会で追加の緩和策(資産購入枠の拡大)が決定したから。
これによって、こういう流れになったのです。

ヨーロッパ、コロナの感染拡大の影響めっちゃ受けてるよね?

あ、でも中央銀行が頑張るんだ!お金ちゃんと回すこと決定したんだ!←この金額が尋常じゃない金額だった!

ヨーロッパ、景気回復するんじゃない!?という期待

ヨーロッパの価値上がるんじゃない!?という期待

ユーロの価値が上がるんじゃない!?という期待

1年ぶりの高値


コロナショックの影響で、世界中で金融緩和が行われています。
各国政府や中央銀行が、お金をバラまいていて、
なんとか経済をまわそうとしているんです。

で、先日ヨーロッパで、「これからどのぐらいお金をバラまくか」という話し合いが行われ、その政策が決定したのです。

気になるよね、ヨーロッパがどのぐらいお金をバラまくのか。

その決定事項がこちら。

1.PEPPの拡充+6000億ユーロ
2.期限の延長 2020年末⇒2021年6月末

「え、ちょっと意味分からない」と思ったそこのあなた。
今日はこれをヒモといていきましょう。

この記事を読み終える頃には、上記の意味が分かるはず。

◆そもそもヨーロッパは、どんな金融緩和をしていたの?

ヨーロッパがお金をじゃぶじゃぶバラまいているのはみなさんご存知のことかと思います。それが今まではどれぐらいの規模だったか、改めて見てみましょう。

1.ECB資産購入プログラム
毎月200億ユーロをバラまくというもの。

通称、APP。
APPの中にも4種類ある。
・PSPP 国債
・CSPP 社債
・ABSPP 資産担保証券購入プログラム
・CBSPP3 カバーボンド購入プログラム第3弾

ちなみに、国債ってどこの国債って思ったそこのあなた。
国債総額で373億ユーロなのですが、その内訳は以下の通り。

118億ユーロ:イタリア
 88億ユーロ:フランス
 54億ユーロ:スペイン
 20億ユーロ:ドイツ
 その他

とりあえずここでは、毎月200億ユーロをバラまいていることだけ覚えてね。

2.2/12の政策理事会で付加された1200億ユーロの追加枠
コロナが始まったころ。さらに1200億ユーロの資金を世の中にまわすことが決定。

3.3/18に緊急発表された、「パンデミック緊急資産購入プログラム」
7500億ユーロをバラまく枠組み。

通称、PEPP。
名前の通り、「パンデミックが大変だから、緊急に資産を購入しますね!」というプログラム。資産を購入っていくらやねん、と言うと、7500億ユーロ。7500億ユーロって、なんと90兆円です!
ん?今までとは規模が全然違うよ?すごく大きなお金だよ!?
90兆円を購入する枠組みが、緊急発表されたってことです。

「ヨーロッパ、かなりお金をバラまく仕組みなんだなぁ」と思う人が多いんじゃないかと。今までのお金バラマキ政策はこんな感じでした。

では、今回、決まったことはと言うと…?

◆今回の決定事項

ここでもう一度、今回の決定事項を見てみましょう。

1.PEPPの拡充+6000億ユーロ
2.期限の延長 2020年末⇒2021年6月末

1つ目から。
PEPPとはつまり、パンデミック緊急資産購入プログラムのことです。
コロナ大変だから、緊急に資産を購入するね!その額7500億ユーロ(90兆円)

だったのに。

6000億ユーロ追加されることが決定しましたー!!パチパチ。

というもの。

6000億ユーロ追加されると、1兆3500億ユーロもの枠組みがあることになります。わお。
これは、マーケットの期待以上の金額でした。

2つ目は。
お金をじゃぶじゃぶ流すね!というものの期限は2020年末だったけれど、思った以上にコロナの影響が大きいから、2021年6月末までに延長するね!ということ。


まとめると、
コロナの影響が思ったより大変だから、じゃぶじゃぶ流すお金の量の枠を増額します!7500億ユーロから1兆3500億ユーロへ!んで、期限も延長します!2020年末から、2021年6月まで!
ってこと。


◆ヨーロッパはコロナの影響をどれぐらい受けているの?今後の見通しは?

コロナの影響が思ったより大変とは、どういうことか。

2020年3月時点では、もうちょっとGDPが成長する見通しだったんです。
<ヨーロッパの実質GDPの見通し>
2020年3月時点 +0.8%

それがですね、今回、やっぱそれは無理だと。下方修正したのです。
<ヨーロッパの実質GDPの見通し>
2020年6月時点 -8.7%

ヨーロッパの2020年の経済成長はマイナスですよ、と下方修正。

あと、こういう時って、経済成長と共に、どのぐらいインフレになるかも見通しがあります。インフレ=消費者物価指数ね。なんでかと言うと、インフレが目標達成すれば、政策金利を上げることが出来るから。逆に言うと、インフレ目標を達成しないと、なかなか金利を上げることが出来ない。

んで、2年後の2022年は、物価はこれぐらい上昇する予定でした。
<ヨーロッパの消費者物価指数2022年の見通し>
2020年3月時点 +1.6%

でも、やっぱり今回、下方修正したのです。
<ヨーロッパの消費者物価指数2022年の見通し>
2020年3月時点 +1.3%


しかもしかも。
ECBのラガルド総裁、「必要なことは何でもやる」と言いましたからね!
今後も必要であれば、さらなる緩和の可能性も示唆。


どんどん金融緩和へ向かっているヨーロッパ。
今後、イギリスとのEU離脱交渉が本格化するなど政治的リスクもありますし、個人的にはユーロの上値は重いと思っています。

今日は、珍しくユーロについて語ってみました。

次回の経済記事は、みんなが気になる「これを見ればアメリカの景気が分かる!」あの指標についてです!!
スキをもらえると、次の記事を書く励みになります!


もし良ければ、この記事も読んでみてください。


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