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心の揺らぎを探る

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2017年10月の記事一覧

支援を超える「ありのままの肯定」

「子どもの頃、どんな支援がほしかった?」と聞かれることがある。 私は学校から見過ごされた経験も、福祉につながった経験も、両方持っている。見えるか、見えないか。そんなギリギリのラインにいた子どもだったのだと思う。 そして今は、子どもや家族をサポートをする側になっている。 サポート側の立場も分かるからだろうか。「どんな支援がほしかった?」そう聞かれることが多い。 そんな時、「本当に求めているものは、「支援」なんですかね?」と問いを投げ返すことがある。自分自身が、アンチ支援

当事者性に潜む、暴力性から抜け出す

人に厳しすぎることを、いつも反省している。 ある日、はたと気づいたこと。それは、子どもの支援に携わる人に対して、特に厳しいまなざしを向けてしまうことだ。 どんな組織に所属している人も、みんなそれぞれに想いを持つ優しい人たちばかりだと思う。 それなのに、特別厳しいまなざしを向けてしまうのは、「同志」としてではなく、「当事者」としてのまなざしで見つめているからかもしれないと気づいた。 支援を受けることへの申し訳なさ中学生の頃、「自分は優先順位が低い子だ」と思っていた。

「努力」という病

「依存症に陥る人は自立心が強い」 そう語るのは、脳性まひの小児科医・熊谷晋一郎氏。 現代ビジネスの「人が「病む」のは、属している組織が「病んでいる」から」」という記事の中での一場面だ。 記事の中では、こうも語っている。 「小さい頃、ネグレクトだとか、虐待的な環境で育っていて、人に依存してはいけないということを両親との関係から学習した人たちこそ、過剰な能力主義っていうんですか、自分で能力を高めて、ひとに依存せずに生きていけるようにならねばという、思考に陥りやすい。」