この夏は、お仕事で瞑想の先生を何人か取材させていただきました。

ひと口に瞑想といっても、やり方や定義は人それぞれ。「ただ静かに座っているだけでいい」と言う人もいれば、「いやいや、それだけでは瞑想になってはいない」と言う人もいます。

私としては別にどっちでもいいというか、これは良くてあれはダメの論議にあまり興味がないので、それぞれの世界観があっていいなぁと思っている次第。そしてそんな瞑想日和に一息ついた頃、友人から「ぜひ体験してほしい」と誘われ、ある瞑想レッスンに伺うことになったのです。

◇

場所は、池袋某所のマンション。お部屋に入ると、フクロウがお出迎え。

「ぬいぐるみ？」と一瞬思いましたが、ときどき動くのでどうやら本物。小さくてふわふわで、こんなにかわいいとは……！

瞑想を教えてくださるアキさんは、瞑想を始めてかれこれ15年以上になるそうですが、その前はかなり悪かったそう。不良から瞑想家へ……って、華麗すぎる転身です。インドやネパールで修行を積み、現在はバリで世界中の方々に瞑想を指導しつつ、一日16時間くらい瞑想する生活だとか。坊主頭で体格がよく、「精悍」という言葉がぴったりな風貌です。

この日教わるのは、アキさんがこれまでの経験から編み出したオリジナルの瞑想法。段階的に心身の浄化を進めていくような構成になっています。

まずは、リンパシステムを浄化する瞑想。リンパは美容や健康においても重要とされていますが、スピリチュアルの面から見てもまず整えておきたいところだそう。

「リンパは、サマディに至るための根源的なエネルギー。マインドの落ち着きや喜び、健康や美容を左右する大切な器官です。スマートフォンやパソコンは全身のリンパやエネルギーに深刻なダメージをもたらすので、できれば日々、セルフヒーリングしてあげるといいですね」

私なんて、仕事で一日中パソコンの前にいるような生活ですが、大丈夫でしょうか……。緊張の面持ちであぐらになり、膝裏のリンパにエネルギーを送り込むようなイメージで呼吸を続けます。

「うん、そんなに状態は悪くないですよ」とアキさん。よかった……朝イチだったため、まだパソコンを触っていないのが功を奏しました……。

膝裏から鼠蹊部、鎖骨と全身のリンパを順々に癒し（アキさんはその部位にエネルギーが満たされたかどうかが見えるので、「ここはOKなので、次へ行きましょう」と誘導してくださいます）、最後に両目へ。場の空気もあるのでしょうが、エネルギーがピタッとはまる感覚がわかりやすく、自分でも実感を伴って行えるのがよかったです。

次のターゲットは、第２チャクラ。第２チャクラは生きる上での本能的な欲求を司っていて、ここが乱れると性や食、アルコールなどへの依存や執着が生まれ、感情の質が低下することに。

「スイーツや恋愛など『スイート』な感覚と結びついている行為は中毒性があります。そのため過剰に欲したり、『やめたいのにやめられない』という状況になってしまうんです」

きらびやかなセレブカルチャーや「インスタ映え」なる価値基準をもたらしたインスタ文化も、第２チャクラを乱す要因なのかもしれません。

第２チャクラが整うと、シャクティ（女性的エネルギー）が満ち溢れ、いわゆるカリスマ性や人を惹きつける力が生まれるそうです。「だからシャクティがたくさんあれば、おっさんでも輝きます」。

第２チャクラを整える印（ムドラー）を結び、目を閉じて再び瞑想へ。「呼吸を深く、ゆっくり」。同じ要領で第３チャクラ、ハートを瞑想で癒していきます。

第３チャクラは、その座位である太陽神経叢から放射状に体の中の不要なものが出ていくようなイメージで、ハートはそこにある繊細なエネルギーを感じると同時に、子宮からシャクティが流れてくるような感覚を味わって。

ちなみに私のシャクティは、50％程度しか流れていないそう。これがフルになれば、モテ人生スタートでしょうか。

そして最後は、祈りの力を使った浄化。貧困や病、戦争といった今なお世界にはびこる問題に苦しんでいる人たちの幸せを願います。

「祈りは、その力を必要とする人へ光よりも早く届く」と以前ヨガの先生から聞いたのですが、祈りの力は近年、科学でも証明されていますよね。自分、自分、自分……と盲目になっているところから、顔を上げて、外を見たときにこそ、本当に大切なことに気づけるのかもしれません。

◇

すべての瞑想が終わり、目を開けると、開始から90分近く経っていました。こんなに長い時間瞑想したのは、生まれて初めて。

内へ、内へと深く潜ることと、外へ、外へと意識を拡いていくこと。
それを同時に行えるのが瞑想なのかな、と、最近私は考えていたのですが、

古い自分を脱ぎ捨て、新しい自分になろうと思ったときに、エネルギーレベルで変容させてくれる力があるのだと、アキさんの話を聞いてさらに実感しました。

それまでの自分が作り上げてきた（つまり慣性の法則が働いている）エネルギーを刷新するのって、当然それと同じだけの、いや、それ以上のエネルギーを必要とすること。

「瞑想は、続けなくては意味がない。そしてそれは、努力以外の何物でもない」というアキさんの言葉は、だから腑に落ちたのです。

努力や忍耐って、スピリチュアルというフィールドでは「不要」と言われがちだけど、ある種のそれは当然必要だと私は思っていて。それが伴ってこそ現実を変えていくことができるし、実践的なスピリチュアルだと思うからです。

そんなわけで、自分のエネルギーを根本から変容させたい！と思っている今の私は、教わった瞑想をとりあえず実践していきたいなぁと思っています。毎日90分！はなかなかなので、できるレベルに分解して、できるところから……。

しかし、年齢を告げると、「本気で修行を始めるのにいい時期」と言われたのだけど、いつか修行の道に入る日が来るのかしら。前も、ある占い師に「人生のどこかのタイミングで深く学ぶ時期がある」って言われたんだよね……！

その際には、こちらでレポートしますね（笑）。

＜Teacher's profile＞アキ

瞑想を教えて15年、現在はバリ島に住みいろいろな国の人に瞑想を教えています。ヒマラヤ（インド、ネパール）、アフリカ（エチオピア、南アフリカ）など様々な国を訪れ、現地の人々とともに暮らし、その地域独特の文化や宗教を学びながら現地の人々の抱える問題にともに取り組んできました。
エチオピアでの孤児院の支援。インド・ラジャスタン州のタール砂漠での植林活動「Greenig Jaisalmer」への参加、等。ブログ、フェイスブック

★9月30日まで池袋のサロンでレッスン開催中▷▷120分／2万円

出張、グループレッスンも応相談。申し込みはFacebookのメッセージか、redbloodearth@gmail.comまで

★アキさんからのメッセージ

ネガティブな感情や暴走する欲望、せわしない思考をコントロールして、ニュートラルで落ち着いた自分自身を見い出す瞑想テクニックを教えています。

このテクニックを実践していくことで、思考は自然に静まり、欲望や感情の波は穏やかになっていきます。瞑想によって内なる平和と静寂を見出すことができれば、真の自分自身の自信と輝きが生まれ、愛と信頼をより他者と分かち合えるようになります。

一人ひとりの持つ潜在性や現実的な状況に合わせて指導していきます。
また必要であれば生活習慣の指導や、悩みや問題へのアドバイス、トラウマのヒーリングなども行います。

自分を真に変えるためには瞑想テクニックも大事ですが、それよりも大切なのはさらなる成長と幸せを求める強い願い、意志の力です。古い葛藤や苦しみの停滞パターンを抜け、新しい自分へ生まれ変わるためのサポートをしています。

中長期的な展望としては、まずは運動や食事による身体のデトックス、瞑想と内省による感情と思考の浄化から始め、個人のニーズや進歩に合わせて、より高度なテクニックを伝えていきます。

自分自身の浄化の道においては、慈悲の心を育み、利他の心を実践し、他者の痛みや苦悩への共感を持つことが大切です。
人はみな幸福を求め、愛されることを求めています。そこに自分と他者の同一性があります。

他者の心に意識を向けていくことで、自分中心の意識の在り方は変容されていきます。それが自身の悩みや苦しみ、外界からの否定的な影響の受けやすさをなくし、心の平和を見い出すための基本的かつ伝統的な教えです。

*******************

• スマートフォン、パソコン等の電磁気汚染は、私たちの全身のリンパシステムとエネルギーシステムに深刻なダメージをもたらしています。
リンパシステムは平安、マインドの落ち着き、喜び、健康、美容等を左右する大切な器官です。リンパのセルフヒーリングを日々行うことで、ベストコンディションを保つことができます。またリンパは、サマディのための根源的なエネルギーでもあります。

• 第2チャクラ(セクシャルセンター)は性のエネルギー、そして感情や欲求の質を司っています。現代社会では、性の価値観は多様化し多くの混乱や葛藤、執着や怖れが無意識レベルで私たちを支配しています。
また私たちはタバコ、アルコール、砂糖、セックス、ショッピング等の多くの依存、中毒、耽溺を抱えています。それらはこのチャクラの状態から生まれています。
依存や中毒を克服するためには？性のエネルギーとは何か？抑圧や葛藤、執着や怖れのない正しい性の在り方とは？といったことを伝えていきます。

• 太陽神経叢は感情のセンターです。胃と密接につながっていて、私たちの日々食べる物の質が、感情の質に大きな影響を与えています。また幼児期に形成された感情的なトラウマはこのセンターにとどまり、自我の核となってあらゆる葛藤や困難を推進する無意識的な動機となっています。
この無意識の核に光をあて(意識化し)、ヒーリングを行うことで、意識的に自己の否定的なパターンの改善に取り組むプロセスを始動させます。このトラウマの重荷が存在する限り、人は深いレベルでの渇きや物足りなさから逃れることはできません。そして全ての人が大なり小なり、このトラウマを抱えて生きています。

• ハートもまた感情の座であり、魂の座でもあります。ハートのエネルギーが良い状態でなければ、人は深い満足や喜びを感じることができません。怖れや不安が影のようにいつもつきまとい、心の安らぎを得ることができません。
瞑想を通してハートを満たすことで、人間関係、仕事、趣味、アートや創造活動等、人生のあらゆる分野においてポジティブな変化を感じることができます。
またハートにおいて人は魂とつながります。人生の最高の愛の瞬間、また他者の幸せを願ったり、誰かのために祈る時、自己を犠牲にして誰かのために行動する時、また深く美を感じたり感動する時、私たちは魂とつながります。