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Uberで出会ったドライバーのおじさんの話

もうすっかり2月も終わりに近づいています。

今日はこの前Uberに乗ったときに出会ったドライバーのおじさんの話を紹介します。

最初は戸惑いながら乗っていたUberも今では難なく乗りこなせるようになりました。サンフランシスコには通常のタクシーのような使い方をするUber Xだけでなく、ライドシェアのUber Poolや、ドライバーが拾いやすいよう乗客を2−3ブロック歩かせてその分割安になるUber Expressがあります。

私は経済的に使いたいので、Uber Expressを良く利用します。ただ、たまにシステムの不具合なのか、配車予定の車が通り過ぎたり全然来なかったりするのです…ということで仕方なく競合のLyftを使ってみることもあります。

話が逸れましたが、先日日本食スーパーに行こうと思い、週末にUber Expressを利用しました。

私の他に乗客はロシア人の男性観光客。最初はドライバーの男性とロシア人が他愛のない会話をしていたので、後方座席でそれを聞き流していました。

一方、会話が途切れるとドライバーは私に話を振ってきました。どこから来たの?ここに住んでいるの?生活は楽しい?と、英会話の延長のような話が続きます。私もカジュアルな会話を楽しみました。

暫くするともう一人乗り込んでいます。20代くらいの女性で、ロサンゼルス出身。仕事の関係でサンフランシスコに住んでいるとのこと。ドライバーはノリノリで、自分も昔ロサンゼルスに住んでいたこと、友達が今もロサンゼルスにいるからよく遊びに行く、といった話をしていました。

ここまでで察するに「このドライバーは話好き」なのです。Uberに乗っているとドライバーにも様々な人がいます。見かけは勿論、性格もバラバラ。ずーっと無口なドライバーもいればずっと質問攻めにしてくるドライバーまで。もちろん、ドライバーという職業を楽しみ、ゲストにも気分良く乗ってもらってチップで稼ごうとしているのかもしれません。でもこのドライバーの男性は満遍なく乗客に語りかけるし、乗客の話に合わせてくれるし、サービス精神旺盛だなと直感で感じました。

全員と会話を楽しんだドライバーは、ここで私に会話を集中投下し始めました。どういう経緯か忘れましたが、急に日本の話を始めたのです。

自分は昔東京のホテル・エアラインの専門学校の英語の先生をしていて、生徒に埼玉県出身が多かったこと。エアライン科は女性が圧倒的に多かったが、ホテルのシステム系にはおとなしい(キモい?)男子学生が多くて驚いたこと。当時付き合っていた彼女は中国人で、結婚まで考えたけど最終的に相手に振られてしまったこと。また韓国や中国にも住んでいたことがあるとのこと。

一方、日本では映画のディレクターも務めていて、自分のプロポーズのエピソードをドキュメンタリーフィルムとして撮影していたこと。結果相手に振られてしまって残念だったが、周りに勧められてその作品を様々なコンペに出して、合計8個の国際映画賞をもらったそうです。

とまあ、簡単に纏めてしまいましたが、こんな大きな(重い?)話を、乗客として乗り込んできた日本人乗客に延々と話してくれました。これはちょっと私には話が大きすぎた。たかが20−30分しか乗らないのに、よくこんな一生に一度あるかないかの話を展開してくれたなあと思います。私も相槌を打つのが精一杯で、これ以上質問して風呂敷を広げるのは良くないかなと思って黙って聞いていたのですが、このドライバーさんの話が全然止まりませんでした。他の乗客もだまーーって聞いてたけど、自分と関係のない話を延々と聞かされて、最後は誰もヘルプしてくれず。きっと気分が悪かったと思うな(いいお話なんだけれども 汗)

そのドライバーさんの映画はこちらだそうです。

8 Steps to I love you (2016)

この8という数字も日本で幸せを意味するからタイトルにしてみた、とのこと。

もし興味がある人がいれば覗いてみてください。

以上、Uber乗車中に起きた不思議な出会いの話でした。