アメリカでふと乳がんについて考える

アメリカに引っ越しをして3年半が過ぎました。息子は丁度1歳になり、かわいい盛りです。

そんなとき、ふとNHKの「病院ラジオ」という番組を見ました。サンドイッチマンが病院に赴き、患者やその家族を招いて話を聞き、病院内にラジオで流す様子を撮影した番組です。私はすでに3回分の放送を見たのですが、患者さん、そしてそれを見守る家族の思いに感情移入してしまい、ときには涙を流して聞き入ってしまいます。

前回は東京の国立がん研究センターの回で、がん患者、特に希少がんと呼ばれる珍しいがんを患った方のお話が聞けました。

その中でお二人、アメリカで乳がんを患った方が登場します。それぞれ別々の方なのですが、お二人ともアメリカで乳がんが発覚したとのことで、私も見ていて他人事ではないと思ってしまいました。

私は現在全くもって健康で、出産前よりアクティブに活動しているくらいです。

しかし、たまにふと考えます。

「こんなに大きなお肉を食べて大丈夫だろうか。」

「こんなに甘いケーキを食べていいの…?」

アメリカに来て、食生活が一変しかねない環境なので、食事には人一倍気をつけています。ただし、日本と全く同じ食事を摂ることはできません。アメリカでは入手しにくい日本の食材はたくさんあるし、入手できたとしてもコスト、鮮度、選択肢の少なさを考え、その代用品で済ませることも少なくありません。

私が特に気をつけているのは乳製品です。特にWhole milkと呼ばれる脂肪が含まれる牛乳は意識して飲まないようにしています。アメリカの牛乳があまり信用できないということと、体質的に子宮筋腫が出来てしまうことから、身体にあまりよくないのではないかと思っています。それでなくとも日常的にパンやお菓子の中に含まれていることもあるので、完全に除外することはできません。そしてスーパーに行くと牛乳に代わる豆乳やアーモンドミルクといったオプションも豊富に取り揃えています。子供にはWhole milkを飲ませたほうがいいと医師に勧められてはいるのですが、アメリカで飲む牛乳には3年たった今でも違和感があります。この違和感をどう捉えるのか、今はわかりませんが、乳がんのリスクを減らす一助になればいいなと思っているのです。

また乳がん検診の考え方についても日米に差があると感じています。私はアメリカで健康保険に入り、日本に一時帰国したときには転入届を提出して国民健康保険に一時的に加入しています。

ある日、アメリカのファミリードクターに、乳がん健診を受けてみたいという話をしたことがあります。ところが、逆に「どうしてそんなことを聞くの?」と驚かれてしまいました。

私の通っている病院では定期検診でドクターが触診のみしてくれるのですが、それ以上の検査(マンモグラフィや超音波検査)は本当に疑わしいと思った人にしかやらせてもらせません。もちろん追加の検査にコストがかかるのはわかりますが、それ以上に検査にかかる身体的負担を減らそうというのもあるようです。私は日本では誰でも簡単に乳がん検診を行うことができることをドクターに説明しましたが、ここはアメリカ式に倣って、触診以外のことは出来ませんでした。

ところがやっぱりこれだけでは不安だったので、日本に一時帰国したときに、オプションで乳がん検査ができる病院を探して、超音波検査をしてきました。日本では検査が受けられる病院がたくさんありますし、検査のメニューも豊富です。私の場合、乳腺外来で予約をしたのですが、超音波だけでなくマンモグラフィももれなくお勧めされました。また、「胸に異常を感じる」要素を無理矢理見つけて検査をしたことにしないと検査費用が安くならないそうです。私は受付の方に言われるがままにし、「生理のときに胸が少し張る気がする」ことにして検査の負担費用を減らすことになりました。この、乳がん検査に対する意識の違いは一体なんなんでしょう。そして日米どちらがいいのか、よくわかりません。やっぱり無理矢理乳がん検査をしたほうがいいのでしょうか。

結局超音波検査では特に異常がなく、また来年来てくださいと言われて終了しました。

ということで、アメリカにいるだけで乳がんのリスクは高いと思っているのですが、特に専門家でもないので詳しいことはわかりません。私に出来るのは健康的な食生活を続けること、定期的に運動をすること、定期的に検査を受けることくらいかなと思います。