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【田舎のソプラノ歌手のつぶやき】

現在の日本のクラシック音楽界について思う事

その①
私が大学生の頃、日本はまさにバブル絶頂の時代でした。

今では考えられないような華やかなコンサートの開催。外国から超一流の演奏家が次々と来日しまし、そのチケットはかなり高額でしたが、入手するのが困難なほど人気がありました。

 
 当時、音大へ入学するための試験はかなり難しく、音大への入学は狭き門でした。

音大を卒業すると数々のコンクールを受け、入賞すればその先の勉強をするためにヨーロッパへ留学するのはある程度当たり前のような時代でした。

 そして、ヨーロッパから帰って来た方々は数々のオペラやコンサートに出演し、有名な演奏家になり、大学の講師になる。そんなプロフィールを持った方で溢れていました。

 しかし、演奏するだけのお仕事をされている方、それを職業とされている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?ほとんどが大学の先生をやられており、演奏会と大学でのお仕事を兼務されていらっしゃいます。

なぜ大学の先生をされているのでしょうか?キツい言い方ですが、それは演奏だけでは食べて行けないからではないでしょうか?演奏家と先生を両立するのは、かなり大変で、並々ならぬご努力をされている事と思います。

 では、ポップスの歌手はなぜ演奏だけで職業になっているのでしょうか?もちろん人気がなければ職業として成り立ちませんが、彼らは音楽大学を卒業している訳ではありません。外国に留学している訳でもありません。

オペラは職業にならないのに、なぜミュージカルの歌手は職業になっているのでしょう?

 なぜ?高額な入学金、授業料を支払い音楽大学へ入学し、4年も勉強したのに、演奏で食べて行けないのでしょうか?そこに疑問を感じる人は、音大へは行きません。

今、音大は危機的な状況にあるのではないのでしょうか?大学から送られてくる学校案内の様子が昔とは全く違う内容になっているのに驚いています。

華やかそうに見える音大の学校案内が何となく寂しそうにみえるのは私だけでしょうか?

田舎のソプラノ歌手のつぶやきでした。

つづく

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