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【天童温泉】モニターツアーに参加してきました!【参加レポート】

御無沙汰しております。メヘヘのみやはえです。今回は山形県の天童市の天童温泉に宿泊してきました。今回はそちらで参加させていただいたモニターツアーの概略についてご紹介しようと思います。このツアーはDMC天童温泉さんの提供の着地型の旅行プランです。着地型観光はあまりなじみのない言葉かもしれませんが、今回のツアーレポートを通じて、着地型観光について知っていただき、そこから見えてくる地域の魅力について考える契機になると幸いです。

天童温泉について

まずモニターツアーの前に天童温泉についてご紹介します。天童温泉は山形県東部の村山地方に位置する温泉です。硫酸塩泉の温泉で、大小11の旅館・ホテルを中心に広がっています。天童温泉の魅力や価値は主に2つあります。1つ目は、宿泊客が街で飲食をしやすい環境であることです。温泉街には、約150軒の飲食店が立ち並んでおり、2020年1月には、「と横丁」という屋台村もオープンしています。ここでは創作和食を中心に、個性的な店長達との会話を楽しむことができるので、宿泊客は、旅館だけでなく温泉街での多種多彩な食事を選択肢として選ぶことができます。天童温泉ではこのような「泊食分離」を推し進めているそうです。


2つ目は、DMC天童温泉の存在です。天童温泉では、各旅館の若手経営者らが資金を出し合い、観光地域づくりの舵取り役として、周辺地域や関連諸団体と連携しつつ、天童温泉に訪れてもらう目的を作ることを目的とした「DMC天童温泉」を設立しました。前述した「と横丁」の運営や、地域の魅力を高める着地型旅行商品の造成・販売・受入など、地域資源を紹介するだけでなく、旅行商品として新たな価値を生み出しています。

そして、生み出したものは、SNSやWEBラジオなどを通じて情報発信を行い、それらを見て目的を持って訪れた観光客らを自分たちで受け入れる、そういったことが、リピーターの増加へと繋がっています。今回はその中でも「ほほえみの宿 滝の湯」さんに宿泊させていただきつつ、モニターツアーを楽しみます。

今回のツアー内容と私たちの動き

今回はTENDODAYSさんの「天童まちたべ歩きツアー 天童温泉開湯編」に参加しました。このツアーは、天童温泉周辺を地元ガイドの方の案内の元、天童のまちを「歩いて」「食べる」という、食べ歩きとまち歩きが合体したようなツアーとなっています。今回は雪のためプランの変更がありましたが、概ね出発→舞鶴山→道の駅天童温泉→天童温泉の順で巡っていきます。

天童温泉のまちなみ

まず私たちは、滝の湯さんの近隣にある「美味求真の宿 天童ホテル」さんの貸切風呂やラウンジ、宴会場を見学させていただきました。

貸切風呂

こちらは車いすの人でも入浴しやすいように、段差を極力なくしたお風呂になっています。唯一のバリアとなっている浴槽の段差は、車いすから腰を少しずらし、ここに腰掛けて入浴できるように設計されています。かしきりであるため、介助を必要としている方や家族連れでも気軽に温泉を楽しむことができます。また、LGBTQの方への配慮としても貸切風呂は有効なのではないでしょうか。

朝食会場

こちらは朝食会場です。机同士の間隔が広く、仕切りが無いながらもプライベート空間を保っています。明るく広々とした空間であるため、料理がより美味しそうに見えることでしょう。また、仕切りが一切ないことを活かし、学会や会議の場としても応用できるのではないかと思いました。

お次は道の駅天童温泉にてジェラートを頂きました。外は寒いですが、室内は暖房でかなり暖かかったのでちょうどいいです。

手前からつや姫 いちご大福 ラフランス 黒ごま甘酒 さくらんぼ
参加者5人でシェアしながら食べました。

山形県っぽいフレーバーを選んでみました。黒ごま甘酒がみやはえ的ナンバーワンです。他にもたくさんのフレーバーがあって選ぶのも楽しかったです。


道の駅併設の足湯「駒の湯」

続いて足湯で癒されました。天童温泉のお湯は比較的温度の低いお湯ではあるのですが、体が中から温まるため、長風呂しやすい温度でありながら、お湯の特性上すぐに上せてしまうという特徴があるそうです。お湯から上がってからもしばらくは汗をかき続けてしまう人が多いそうです。

天使のプリン

soraniwa CAFEさんでは地元の卵を使ったプリンを頂きました。かわいらしい見た目に加えて滑らかな口当たりで濃厚な味も楽しめます。こちらのお店はカフェの他にバーベキューも提供しているそうです。なんと食材や器具はお店で準備して頂けるそうなので、ぜひ次は晴れた日に来たいです。

さて、今回案内していただいた天童温泉のまちあるきで、私にとって一番印象的だったのは源泉です。

第10号源泉

天童温泉にはいくつかの源泉があり、かつてはそれぞれの温泉宿が源泉を保有していたそうですが、これらは全て同じ湯源の温泉だそうです。ただし、天童の地下にある湯源には限りがあり、東側の源泉を掘ると西側の源泉がでなくなるなど、相互干渉する温泉地とのことです。そのため、温泉は減量の一途をたどるばかりで、このままでは天童温泉が後世に繋ぐことができなくなるかもしれないという課題に直面しました。

その課題を解決するために、各温泉宿が協力して、天童温泉協同組合を発足しました。天童のお湯をみんなで管理して、みんなで大切に使っていこうと決めたのです。温泉宿同士が競争するのではなく、協力して天童温泉を守っていくようになったことも特徴の一つであると言うこともできるのではないでしょうか。

このように協力して今までの天童温泉を守り、次世代へ繋いでいくこと、いわば新時代の天童温泉を創り上げていくことを大切にして、天童温泉は今に至るのです。
「『競争』から『共創』へ」。これが天童温泉の理念であると言えます。

ちなみに私たちツアー一行は、ツアー終了後は「と横丁」での夕食と「滝の湯」さんでの温泉を堪能し、翌日は山寺にまで足を伸ばしました。

と横丁で夕ご飯

今回学んだこと

今回ツアーに参加し、着地型観光の形式について学ぶことができました。着地型観光は言葉としては知っていますが、消費者視点での発地型観光との違いをあまりよくわかっていませんでした。今回参加したことで、地域に根差した人々が提供する、より地域のディープな魅力を堪能することができました。全国を網羅する旅行会社では提供できない、地元ならではの旅行プランだと感じました。

発地型観光ほど大量の消費を見込めるものでは無いかも知れませんが、地元ならではの特別なアクティビティや耳よりの情報などを得ることができるため、濃度の高い観光体験ができるのではないかと思います。

参加してみて思ったこと

今まで私は天童の魅力を見落とし続けていたことを痛感しました。なぜならば、私は天童市に温泉が湧いていることや、首都圏から天童市は思いのほかアクセスがしやすいことを知らなかったからです。今回私は大宮駅から新幹線を利用し、天童市を訪問しました。東京駅から天童駅まで1日8往復の新幹線で3時間半ほど、羽田空港から山形空港までも1日2往復の空路で1時間ほどの所要時間であり、なおかつ駅も空港も天童のメインエリアからはアクセスしやすい位置にあります。

実は天童というまちは今まで思っていたよりも身近な場所にあったのだなと改めて思いました。また、天童に温泉が湧いていることを知ったことで、天童温泉の管理についてや温泉旅館同士の関係性についてなど、さらに深い知見を得ることもできました。旅先での満足感も高く、どうして今までこんなにいい場所を知らなかったのだろう、という感想を抱くことは間違いないと思います。

考察

天童温泉は高単価高付加価値型の温泉が多いそうです。また、ホテルの広間や温泉などの宿泊施設の魅力や新幹線や飛行機によるアクセスの容易さ、周辺地域の魅力を踏まえ、私は、研究会議を誘致することでさらに天童温泉が活性化するのではないかと考えました。理由は3つあります。1つ目は先述のとおり、天童市内のホテルには宴会場広々としたかつ仕切りの無い広間があり、大きな会議を開くだけのキャパシティを備えた宿泊施設があるからです。ある程度の会議やセミナーを開くうえでは、相応の会場を設定し、参加者が一堂に会することができるようにする必要があります。

特に広間を食堂として用いている場合の多いホテルでは、広間にアイドルタイムが発生することから、空いた大広間を有効に活用することができるほか、貸切るにあたっての値段を設定し、そちらからも収益を得ることができる可能性も発生します。また、会議の時間外は参加者が個人として旅行を楽しむことができるため、今回参加したようなツアーの参加者の増加も期待できるでしょう。


山形新幹線「つばさ」

2つ目は天童市周辺の交通機関が広く各都市と結ばれているからです。新幹線は大宮や宇都宮、郡山といった関東から東北南部の都市と、航空機は定期便だけでも東京羽田の他に名古屋小牧、大阪伊丹、札幌新千歳といった大都市と結ばれ、臨時チャーター便は台北とも結ばれていた実績があります。また、隣町の山形市は高速バスで1時間ほどで仙台とも結ばれています。山形空港から天童市内も車で15分ほどですので、山形県内でもかなり交通の利便性が高い立地であると言えます。会議・セミナーは参加者を広く受け入れるため、会場のアクセス面も重要視されます。以上のことから天童温泉の立地は会議・セミナー向けであると言えます。

山形空港で離陸を待つJALの航空機


3つ目は天童温泉の周辺地域を含めた一帯の地域にさまざまな史跡及びアクティビティが用意されているからです。天童市内や上山市には温泉があり、銀山温泉も至近です。また、天童市の隣の寒河江市は国内最大級のさくらんぼ農園があり、さくらんぼ狩りを楽しむことができます。山形市の山寺地区も車で20分ほどで、立石寺に登ることもできます。周辺地域と連携した観光を創出することができ、幅広いアクティビティを提供できることも魅力であると言えると考えます。
以上の理由から、天童温泉で会議やセミナーを開くことで更なる活性化が見込めるのではないかと考えます。

最後に

今回はDMC天童温泉さん提供のモニターツアーの参加レポートでした。実際にこのようなツアーに参加することで、地域に対する解析度を格段に向上させることができました。また、普段の観光では持つことがなかった視点を持つことで、より学びを深めることができました。ぜひ皆さんも着地型観光にも目を向け、地域を見つめる新たな視点を手に入れてみてください。それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました!

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