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All-Caps: 英文ですべてを大文字にするとネイティブには叫んでいるように聞こえる

All-Caps (オールキャプス)とは「すべて」と capital「キャピタル」つまり英語の大文字との合成語です。英語の文章を書く際に、文章のはじめだけではなく、すべてを大文字で書いた場合に「オールキャプスで書いている」などといいます。

All-Caps で書いた文章はとても目立ちますが、日常的に実践するのは避けたほうがいいでしょう。というのは、ネイティブの頭の中では、これはまるで大声で叫んでいるように響くからです。

たとえば日本語だと:

おい、止まれ!

このように文字を大きくすると、大声を出しているように、頭のなかで響くと思います。実際には文字ですから音の大小はないはずなのですが、読む側にそうした効果が与えられるのが文字の不思議です。

英語でも、小説などで登場人物が大声をだしている場面では All-Caps で書かれていることがよくあります。そしてネイティブの頭のなかでは、それがまるで大音量であるかのように響くのです。

こういう理由があって、All-Capsで文章を書くのは品がないとされています。「なにを叫んでいるんだ」と不快感をあらわにする人もいるはずです。

All-Capsは本の表題や看板などといった場所のタイポグラフィとしても利用されますので、必ずしも「叫び声」だけではありません。しかし相手になにかを伝える、掲示板のコメント欄などでり利用するのは避けたほうがいいでしょう。

こうしたエチケットはパソコン時代に広く認知されるようになりましたが、All-Capsが「叫び声」と認識されていた歴史はそれなりに古く、1958年頃にすでにそうした記述があるそうです。

怒りの表現としてのAll-Caps

あえてAll-Capsを自己表現に利用する人も多くいます。一番有名な人だと、この人です。

2019年の年始のトランプ大統領のこのツイートは、意味もなくAll-Capsだったために多くの人の神経を逆なでしました。

みんな新年おめでとう、アンチとフェイクニュースばかりのメディアもふくめて!

何を叫んでいるんだこの人は? と多くの人が思ったわけです。トランプ氏はツイッター上で怒りをぶちまけることも多くあり、そうしたときにAll-Capsを使う傾向があります。こうした怒りにまかせたツイートのことを rage tweet などといったりします。

イランの大統領に対して「アメリカを脅迫するな」とすごんでいるこのツイートも、言葉遣いの粗野な感じ、国のトップが使うとも思えないギャングのような用語もあいまって、All-Capsがことさらうるさく聞こえます。

コメント欄でAll-Capsは使っていいことはまったくないと覚えておくのでよいでしょう。誰もが嫌がりますし、あなたを無視するようになるはずです。

大声を上げれば上げるほど、誰にも聞いてもらえなくなるのです。この大統領のように。

(この記事はわたしの個人ブログ、mehori.com とのクロスポストです)


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