また、あの季節がやって来る
「ママ、バレンタインデーのチョコを〇〇君に渡すから」
学校から帰宅した、小学校6年生になる娘がうれしそうに私に言ってきた。
また、この季節が来たかとつくづく思う。
「誰に渡すの?」
と私が聞くと、
「〇〇君」
とフルネームでを言う娘、聞き覚えのある名前、お母さんの顔もかすかに浮かんできた、習い事が一緒だった子です。
娘、毎年手作りでチョコを渡すんですが、娘の手作りだと、どうなのかな?って毎年思うし、私としても手伝ったりして大変なのです。
「今年は、手作りはやめて、売っているチョコを渡せば?」
と言う私に
「〇〇君は、手作りチョコが欲しいと言っている」
と言う娘。
〇〇君は手作りチョコが欲しいと言ってるのは良いけれど、その後ろにいるお母さんはどうなの?って思うんです。
数年前に耳にいれちゃった話しがあるのです。
近所に娘と同級生の男の子がいます、その子のホワイトデーのお返しはかなり豪華で、あげたチョコレートの何倍返し?という品物がかえってくることで有名です。
うちの娘も、あげたことがあるのです。その時はたまたま私も余裕があり、娘の手作り+購入したチョコも渡したのです。
ホワイトデーのお返しは、すみっこぐらしのグッズセットで上げた商品を上回るものでした。
本当に申し訳なくて、LINEでお礼の言葉は述べさせてもらっています。
でも、その後、他のママ友から聞いちゃいました。そのお母さんがもらったバレンタインデーのギフトのことで文句を言っていると、一番の文句は
「家にあるような、お菓子を袋に詰め込んできて、迷惑な子がいる」
と言っていたそうです。
娘とその子はそんなに仲が良い様子でもないので、もう今後、バレンタインデーにチョコを渡すのはやめなさいって言ったのです。
でも、私が働いていた年のバレンタインデー、家にあったチョコレートを袋に詰めて届けに行っちゃたのです。
仕事から帰ってきた私に、
「〇〇君の家にチョコレートを渡しに行ったけれどいないから、玄関の郵便ポストの上に置いてきた」なんて言ってきたのです。
家にあったチョコレートってどんなの?って頭の中がぐるぐるです。
「あの子とそんなに仲良くないのになんで渡したの?」
と聞いたら、
「学校でバレンタインデーのチョコレートが欲しいと言われたから」
そうしたら、その子のお母さんからLINEが来ていました。
「娘さんが、多分、うちの玄関先にチョコレートを届けてくれたと思います、インターホンを鳴らしてくれればよかったのに、ありがとうございます」
私も平謝りのLINEです。
「娘が勝手に持って行き、中身も確認出来ていません、申し訳ありません」
「息子は大変喜んでいますので、お気になさらないで下さい」
という、社交辞令の応酬です。
そして、ホワイトデー、娘が大好きなキャラクターのシールとお菓子が添えられて返ってきました。
私自身、子供の頃は、男子にチョコとかあげるのが苦手でしたし、欲しいなんて言われたことはなかったのです。
娘はもしかしたら、みんなに向けて言っている、男子の独り言を自分自身が言われたと勘違いしているんじゃないかな?という気もしているのです。
恐る、恐る、今年も他の子にもあげるの?って聞いたら、数人の男子の名前が、皆習い事が一緒だった子なので、なんとなくお母さんの顔も浮かんできてしまいました。
本命チョコに変わるのは、いつぐらいなのでしょうか?
とりあえず、渡す相手のお母さんの顔を気にしなくてすむようになる日が来ることを願っています。
大人のせたがや作文教室さんの
「子どもにまつわる困ったさんコンテスト」に参加します。
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