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「弥勒が見たいんだ」ーー私が六道闘争紀を読む理由

ーーなぜ、その漫画を読むのか?その答えは好きなジャンルのお話だから、好きな作家さんの漫画だから...など個人の「好き」に起因することが多かった。

だけどこの作品に限ってはシンプルにこれに尽きる。

弥勒が見たいんだ(六道闘争紀 1巻より)

勝って全てを手に入れろ

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「good!アフタヌーン」(講談社)で連載中の『六道闘争紀』という漫画がある。

地上が荒廃し人類が地下に住むようになった世界を舞台に、スラム街出身の少年・縁(えん)が、全てを手に入れるために「六道(ろくどう)トーナメント」と呼ばれる命を賭けた格闘試合に身を投じていく物語だ。

この世界では「六道トーナメント」が国を熱狂させるほどの一大イベントとして定着しているため、この戦いの勝者やトップランカーたちはこの世界の富や名声、力、この世の全てを手に入れたも同然。まさに世界の王様として讃えられる。

また、「六道トーナメント」は、着の身着のまま戦うのではなく、番装義鎧(ばんそうぎがい)と呼ばれる機械を身体に埋め込むことで得た、特殊能力を用いて戦う。

この番装義鎧という設定によって、キャラクターたちの個性が光る戦い方や、予想外の能力から生まれるまさかの大逆転劇など、バトル漫画好きにとっては興奮してやまないようなシーンがたくさん詰まっている。

世界最強の男・弥勒に惹きつけられて

主人公は、冒頭の説明にも登場した縁という少年。最下層のスラム街に住み、天涯孤独。学校でもいじめられていつも1人ぼっちの縁だったが、「六道トーナメント」の王者・弥勒(みろく)に窮地を救われたことをきっかけに縁の運命が大きく動き出す。

弥勒の圧倒的強さ、そして彼の強さを讃える民衆の声。そんな弥勒に突き動かされるように、縁は「六道トーナメント」の王者を目指して新たな一歩を踏み出していく。

その時の縁のセリフで印象的なものがある。

民衆が見たいのは「六道トーナメント」ではなく弥勒という圧倒的な強さ...そう気付いた時に縁が心の中でつぶやくセリフなのだが、私が『六道闘争紀』を読む理由がまさにこれなのだ。

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2巻の表紙を飾るこの男こそが弥勒。いつもは無邪気な笑顔で穏やかな雰囲気を醸し出しているが、戦闘シーンになると豹変し、強さを突き詰めた者だけが纏うただならぬオーラを発している。

また、弥勒は番装義鎧の使い方も他のランカーたちとは一線を画している。戦うだけではなく、まるで民衆に魅せるかのように番装義鎧を変幻自在に操り、舞うように敵を斬る...。この彼ならではの戦い方が印象的でとにかく弥勒から目が離せないのだ。まさに「弥勒が見たいんだ」の一言に尽きる。

この戦いが見たい、これからもずっと

今月頭に発売された最新刊2巻では、縁が更なる強さを身につけ「六道トーナメント」の予選に挑んでいく。散々弥勒について語ってきたが、縁が最底辺から頂点を目指し、力強く前へと進む姿にはとてつもない凄みを感じるし、縁を見守るヴァルナ&弥勒コンビはなんだか微笑ましい。

弥勒はもちろん、主人公である縁の戦いをずっと見ていきたい...。そう思っていたが『六道闘争紀』が少々ピンチらしい。

いや!!俺はこれからもずっと弥勒が見たい!!!見る!!!

そんなわけで激推し『六道闘争紀』みなさんもぜひ。


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