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2023年10月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい! という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら


聖女はとっくに召喚されている。日本に。

異世界の魔法使いが、ある日突然現代社会の日本に召喚される...という一般的な異世界召喚の逆をいく作品。 魔法使いの目線を通して描かれる日本。特に“八百万の神”の描写が見事で、日本文化がより一層彩りを持って迫ってくる。

プライド(全12巻)

コラム連載「あちらのお客さまからマンガです 」第10回のテーマが一条ゆかり先生の『プライド』だったので再読。ちなみに、私は仕事やプライベートにおいて上がったり下がったり、何かしら変化が起きた時に本作を必ず読み返します。「私は今どんな姿をしているのだろうか?」と、今の自分の姿形を確かめるために。

付き合えなくていいのに(1〜3巻)

今月の「なんでもっと早く読まなかったんだろう」ダントツ1位。3連休初日の夜になんとなく「サイコミ」で読み始めたらもうね、面白過ぎてイッキ読みしてしまった。 各々の“付き合えなくてもいいから”っていう交わってるけども一方通行な切ない恋愛を描いた作品なんだけど、ほんのり漂う『ギャグマンガ日和』の香り。おもろすぎる!

アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果5000万円の借金をつくった話

正確にはマンガではないのですが…….。『アホガール』『カノジョも彼女』でお馴染みのヒロユキ先生による衝撃のお買い物エッセイ。タイトルままのエッセイですが、高級腕時計がなければ『カノジョも彼女』は誕生していなかったかもしれない?! そして、週刊連載の過酷さなど創作の裏側についても触れている一冊なのでファンは必読。

ミワさんなりすます(8巻)

とにかく早く新刊が読みたくて、電子書籍ストアの0時配信までデュエルスタンバイするマンガ。それが青木U平先生の『ミワさんなりすます』。 最新刊8巻ではまた新たに新キャラ、いや“役者”が揃った。1巻では予想もつかなかった、思惑渦巻く喜劇的展開になっていてすごくベタな感想ですが鳥肌が立った。

いやはや熱海くん(2巻)

「思い切って嫌いの箱に入れたら気ィ楽になったりする」。このセリフ好きすぎる!! 嫌いな人や物事を自覚する、咀嚼する……感情や自分の価値観を丁寧に育んでいく物語だ。この作品を読んだ後はなんだか心が澄んだような、新しい光を掴んだ気持ちになる。

人生最大の嘘ついた

売れない芸術家が、著名なクリエイターに“勘違い”で絶賛されたことをきっかけに、天才芸術家としての人生を歩むことに。 才能って誰が決めるんだろう、自分か他人か。ユニークな設定と視点で才能の正体に迫る群像劇です。あと、心地よいラブコメ要素もあって好き。

この世は戦う価値がある

激務、パワハラ、セクハラにモラハラ彼氏。現代社会の負をフルで背負った主人公が、とある“1枚のカード”を切り札に人生をリベンジするお話。 吹っ切れた主人公が生命力に満ちているというか、読んでいてすごく気持ちが良い。あと1巻の終わり方よ、痺れた。

女王蜂

物語の舞台は代々女性が“女王”として土地を治める異国の地。そこで政略結婚することになったユリナとムラト。 2人の関係性は良いのに、土地が、一族が…全てにいやな不協和音がずっと鳴り響いている。何かが少しずつ忍び寄ってくるような新感覚のミステリー×ロマンス。

環と周

うああよしながふみ先生天才最高。 70年代、戦後、明治…どの時代にも存在する“環と周”。それは時代によって性別はもちろん、親友、師弟、恋人など関係性も異なる。 2人の運命と因果を辿りつつ、明らかになる様々な愛の形。そうきたか!ってラストに胸がいっぱいになる。

スペアタウン ~つくろう自分だけの予備の街~

有事に備えホームタウンの代わりになる街“スペアタウン”を探す。これまでとは違う清野先生の新たな視点での街歩きを堪能できる一冊。 単行本化で追加された「おこぼれ話」はもちろん「そで」まで凝ってて嬉しい、楽しい。マストバイ🤘

ダイヤモンドの功罪(3巻)

昔から友人や上司、同僚にマンガを布教しまくっていた人生なのですが。最近だと平井大橋先生の『ダイヤモンドの功罪』をおすすめすると必ずみんなアツい感想を送ってくる。 語りたくなるっていうか、語らざるを得ない的な。人の心と言葉を引っ張り出す作品ってすごいなぁ……という最新刊とはあまり関係のない、作品全体についての感想。

先輩はおとこのこ(全6巻)

今年の3月にアニメ化が発表された通称・ぱいのこ。「LINEマンガ」で連載追っていたという人も多いかもしれないけど、ぜひ単行本で一気読み(読み返す)返してほしい。連載時はまことと咲に心持っていかれがちだったんだけど、改めて読み返すとさ。あぁ、竜二ィ…….!! 登場人物みんな幸せになってほしいと思いながら読み続けていたけど、竜二、君には特にこれからの人生たくさんの祝福が舞い降りますように!!!!!

ミギとダリ(全7巻)

今月からアニメがスタートした『ミギとダリ』。作品自体は2021年の12月に完結しているのでオチは知っているものの、アニメが最高すぎて(三石琴乃さん演じる、養母の洋子さんマジ最高じゃあないっすか??)なんだか懐かしくなって全巻Webで再購入してしまった。ギャグもの? と思いきや、中盤から後半にかけて一気にシリアス&ミステリー展開になるんだけど、この緩急がすごくて。何度読んでも夢中になってしまう。みっちゃん、フォーエバー!!!

おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!(1〜5巻)

おじさんが凝り固まった価値観や常識をアップデートしていく、ホームコメディ。相手のことを理解したり寄り添ったりする…….みたいに、都合の良い綺麗な展開ではなく“理解はできなくても否定はしない”という方向に持っていくところがすごく良いなと。上層部に40〜50代の男性社員がいる会社は、マジでこの作品を社内の共用スペースに置いた方が良いと思う。

音盤紀行(2巻)

レコード(音盤)には音楽だけじゃなく、作り手やかつての所有者の想いや記憶が詰まっている。そんな、レコードに秘められたストーリーをオムニバス形式で描く本作。音楽をテーマにしたマンガは数多くあれど、音楽の記録媒体が主題となっている作品は珍しい。最新刊2巻では、伝説のレコードを巡る争奪戦、異国の地で三線を奏でる少女と亡命ミュージシャンが紡ぐ物語などの新しいエピソードはもちろん、海賊放送のニッキとウィルコや、ミヤマレコードの歴美など1巻にも登場したキャラクターたちのその後の物語も収録。

好きな時に好きな場所で手軽に音楽が楽しめる、ストリーミングサービス全盛の今。レコードはそんな現代とは何もかも真逆な音楽媒体ではあるけれど、音楽を物体として所有するということ、その一枚一枚を後世に受け繋いでいくこと........それによって生まれる物語はレコードに収録されている音以上に尊く輝いているのかもしれない。と、レコードという媒体に改めて注目したくなる。

月とあんぱん

家族や大切な人との思い出が詰まっている、料理×人情の短編集。作中に登場する料理が、タイトルにもある通りあんぱんだったり、ハムカツ、きつねうどん…….など、なんだか馴染み深いメニューだからか、心はもちろん、胃袋もぐっと掴まれる。

2023年10月雑記🚶🌕

毎回恒例の今月のお仕事報告に入る前に、1つ告知させてください!

▼ ラジオ出演:11月1日(水)TOKYO FM「ONE MORNING」

明日、11月1日(水)TOKYO FM「ONE MORNING」に出演します! 「ONE MORNING」は、タレントのユージさんとフリーアナウンサーの吉田明世さんがパーソナリティを務める平日朝の生放送番組。AM8:38頃〜8:50頃に「10月に読んで面白かったマンガ」を3冊ほどご紹介させていただく予定です📻

平日朝の何かと多忙な時間帯かもしれませんが、ぜひお耳をお貸しください!

さて、ここからは今月のお仕事報告です✍️

▼ 雑誌掲載:「anan」2367号 「言葉を味わうマンガ。」特集

「anan」2367号 。 「言葉を味わうマンガ。」特集にて、恋愛・仕事・人生のテーマで “心に効く”名セリフを8つ紹介しております。 一生懸命生きていれば、時には心が揺らぐし感情も濁る。このセリフたちはそんな自分をいつもまっすぐ、澄んだ状態に戻してくれます。ぜひに。

▼ 第四回スピリッツ新人王開催記念 金城宗幸氏インタビュー

「第四回スピリッツ新人王」で審査委員長を務めた金城宗幸先生のインタビュー記事を担当させていただきました。 漫画原作者、そして圧倒的ヒットメーカーになるまでの軌跡をもとに独自の創作論を紐解きます!

▼ 連載:あちらのお客さまからマンガです 第10回

仕事やプライベートにおいて上がったり下がったり、何かしら変化が起きた時…….私が必ず読み返すようにしている一条ゆかり先生の『プライド』について語っております。

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本当にお前スケジュール大丈夫か? ってくらい来月から年末にかけてライブへ行く予定を入れまくっている今日この頃。でも、いろいろなアーティスト様の訃報を耳にするたびに(特に今年本当に多いよね)絶対にこの選択は間違ってないって思う。

なんか、夏に行った平間至展で展示されていた星野源さんのタワレコポスターを思い出しちゃうね。

“音楽はね、死ぬと聴けなくなるんですよ。今のうちだぜ。”

ちなみに、来月はサンボマスター横浜アリーナワンマンと、宮本浩次「ロマンスの夜」の初日(大阪)と最終日(東京)参戦します。特に宮本先生に関しては、年内はもう生で歌声を聴くことができないと思っていたので、本当に嬉しい。ライブ当日まで素晴らしい日々を送っていこう。

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