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2023年12月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介していまして。今月に関していうと、2023年の総決算! 的な感じで「2023年コミックBEST5」を紹介しているのでぜひに。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

トリリオンゲーム(8巻)

うあああ桐姫かっこよすぎるよ……。こんなに美しくて気高くて、猟奇的なヒロイン見たことない。 そして、池上先生が描く“ギラついた瞳”が本当に好きだ。静止画とは思えない凄まじい眼力に思わず息がとまる。

ハジメテノサツジン(1〜35巻)

いつも帰りの電車で「マンガMee」で読み始め、おもろ過ぎて最新話まで一気に課金してしまった甘味先生の『ハジメテノサツジン』。 女子高生3人が教師を殺害してしまい隠蔽しようとする心拍数やばいタイプのマンガなんだが。実はもっと前から“始まってたんだ”っていう。こりゃ怪作。

竜馬がゆく(6巻)

もしもタイムリープできるなら、ぜひのぞいてみたい光景がある。きっとそこには息を呑むほどの迫力とドラマがあるに違いない…….それは、あの幕末の英雄・坂本龍馬とその盟友・桂小五郎による“伝説の剣術大会”。そんな“伝説の剣術大会”を追体験したような気持ちになれる最新巻でした。

文春オンラインさんにて『竜馬がゆく』最新6巻のレビューを書かせていただいたので、こちらもぜひ。

光が死んだ夏(4巻)

世の中には色んな恐怖があるけれど、“得体の知れない怖さ”ってものを、毎度この作品からお見舞いされてる。写植ひとつとっても意味不明で(褒めてる)怖い。 あと、特典でついてきた証明写真風よしきと、ほんのり心霊写真風味の特典カード良すぎた…….。

ねこに転生したおじさん

みんな大好き「ねこおじ」こと、やじま先生の『ねこに転生したおじさん』。1巻は豪華20ページ描き下ろし付きです。おじさんが主役のマンガって色々あるけど、ねこおじは現実世界にもいそうなリアルなビジュした“ガチおじさん”で更に愛らしいときた。革命ですね。 おじさんの表情って200色あんねん!

ババンババンバンバンパイア(6巻)

「バババ」メディア化決定おめでとうございます!! 最新刊は読者に隙を与えないくらいの笑いと暴走で、過去最強にドッカンドッカンしていました。あと、ガラスの仮面、笑ゥせぇるすまん、ジョジョ……名作マンガのパロディも俺は見逃さなかったぞ。しかしながら「バババ」メディア化って何するんだろう? わたしは奥嶋ひろまさ先生が描く、美しくて妖艶なビジュなキャラクターたちが大好きなので、アニメ化希望ッッッ!!

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ(1巻)

陰謀論×ラブコメという前代未聞の怪作。やべぇです。 陰謀論の内容の是非は置いておいて、彼らを突き動かすのは“何か”に抗い続けること、真実を追い求めること、であり何だか良い意味で前作『チ。-地球の運動について-』のDNAを感じた。

やまとは恋のまほろば(6巻)

なんだか嬉しくなっちゃうくらい素敵で、幸せな最新刊です。「デブ」「ブス」コンプレックスを抱えた女子大生の恋人との付き合い方『やまとは恋のまほろば』で描かれる“恋の理想形”とは……?

文春オンラインさんにて最新6巻のレビューを書かせていただいたので、こちらもぜひ。

路傍のフジイ(1巻)

疲れなのか、安堵なのか、わけもなくため息をついてしまう金夜のテンションと共鳴するマンガと出会ってしまった。 周りからは変人だの寂しい独り身だの言われるフジイさん。でも彼の毎日こそが“生活”の真の在り方だと思う。うあああすごく良かった。

サンダー3(5巻)

「このマンガがすごい!2024」オトコ編第4位ランクインした『サンダー3』最新5巻。 気持ちの良いくらいタイトル伏線回収きた! 的なエピソードが収録されていて、非常に高まりました。 てか『サンダー3』ってどんなマンガ? と思う人はあらすじを読むな! とにかく本編を見ろ! 体感しろください!!

なんくるなんない!(1巻)

沖縄を舞台にした異能力バトルものであり、突如サイキックに目覚めた反抗期娘と自衛官の父が織りなすホームコメディでもある本作。非能力者の父が一番最強!ってとこが良すぎる。 あと、前作『水曜日のシネマ』もですが野原先生が描く年配の男性キャラ超好き……

雨がしないこと(上・下)

恋をしない雨さんと恋に振り回されてる人たちの群像劇。たまらなく抱きしめたくなるような作品だ。 傷心中の女性が雨さんと昼にジンギスカンを食べて。全身に染みついた匂いのことを「獣になったみたいで頼もしかった」というシーンがすっっごく好き。

かしこい男は恋しかしない(1巻)

名門男子校を舞台に、学歴厨(自意識)と思春期の狭間で狂う男たちの青春物語。公立高校の生徒がキャッキャ青春と恋愛を謳歌している姿を見ては「内申点を信仰する邪教徒」とか悪態ついたり、とにかく悪口が天才的。学歴以外もサブカル厨ディスとかもあって、2ページに1回は必ず爆笑してまう。なので電車で読まないでお家でじっくり読んでください。

あなたがしてくれなくても(1〜12巻)

とうとう最終章に突入した「あなして」。夫婦間のセックスレスをテーマに描いた作品なんだけど、そこからの広がりというか。確かにセックスレスが問題なんだけど、紐解いていくと実はもっと根深い問題、確執があったという……。各登場人物がしっかりと感情を整理して、自分なりのおとし所を見つけていく姿がとても素敵。ちなみに私は花ちゃんが大好き。

わたしの日々

当時・93歳の水木しげる先生が描いたオールカラーコミック。お誕生日に豪華な花が大量に届いて「花に殺されそうだ」と仰るシーンがあるんだけど。その時の花の描かれ方がすごく禍々しくて怪しくって。一般的に、お花が届いたら「綺麗〜〜!」とか言いがちだと思うのだが、こういう“水木先生だけの感性”に触れられる…….いや、水木先生の目線から見た世界、日常をカラーで感じられる。とっても贅沢な一冊です。何度も読み返したくなる。

2023年12月雑記🎉

ここからは毎月恒例、今月のお仕事報告です。

▼ コラム連載:あちらのお客さまからマンガです 第11回

連載1周年でした。テーマは、今年始めた「推し活専用垢」から気付いた好きなものとの向き合い方について。野原多央先生の『水曜日のシネマ』を読んですごい気づきがあったのでその話をしています。

▼ 「週刊スピリッツ」2・3合併号 あのさん× 幾田りらさんインタビュー

あのさん× 幾田りらさん スペシャル対談の取材&執筆を担当させていただきました。 映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』でW主演声優を務めるお二人。門出、おんたんの魅力やアフレコ裏話など.…..必読です。

▼ 宝島社「このマンガがすごい!2024」

宝島社「このマンガがすごい!2024」にて、オトコ編8位『スキップとローファー』、9位『ルリドラゴン』の作品レビューを書かせていただきました。 後半では選者としてランキング形式で5作品紹介もしております。 マンガ好きにとっては年末の風物詩的な一冊。ぜひご覧ください!

▼ 「SWITCH」Vol.42 「LINEマンガ」10周年記念特集

「SWITCH」Vol.42に掲載「LINEマンガ」10周年記念特集にて、
・『先輩はおとこのこ』ぽむ先生
・『喧嘩独学』T.Jun先生
・『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』原田泰造さん × 練馬ジム先生
・橋本祥平さん、古川愛季さん おすすめ作品 のインタビュー
を担当しました。

「LINEマンガ」は忖度抜きでいっっちばん愛用している漫画アプリなので、10周年記念特集のページに携わることができて本当に嬉しくって、光栄でした。ちなみに購入履歴を遡ってみたら、初めての購入日は2013年12月5日で作品名は『弱虫ペダル』。当時は大学4年生で、来年から社会人になるし、通勤中や休憩中に漫画読みたいから()電子も併用しようかな〜って時期でした。懐かしい。それから10年後……。こうしてまさか「LINEマンガ」先生の特集ページを担当させていただくとは🧎‍♀️🧎

▼ 25ans Web 「シスターフッド漫画」の現在地

そもそもシスターフッド漫画ってなんだろう? と、前提から改めて考えてみました。おすすめの5作品もぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。

▼ ダ・ヴィンチWeb 『かしこい男は恋しかしない』作者・凹沢みなみ×タワマン文学作家・外山薫スペシャル対談

間違いなく今年一番爆笑した現場でした。外山先生の鋭い分析、凹沢先生の圧倒的語彙力たるや……!

▼ 「NARUTO」公式サイト インタビューコラム

“伝説の三忍”でお馴染み、自来也、大蛇丸、綱手。実はこの三人って江戸時代の小説『児雷也豪傑譚』にも登場しているんです。そんな『児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)』を題材に、『NARUTO-ナルト-』の共通点や違いを掘り下げました。

これを書いている今。12月31日(土)0:47。2023年も本当に終わるんだなぁ。

今年は本当に、本当にたくさん書きました。私を信頼して選んでくださった媒体様、多忙のなか誠心誠意打ち返してくださるインタビュイーの皆様、そして出来うる限りの最適解を叩き出すために熱心かつ丁寧に校正・編集してくださる編集の皆様。今年1年本当にありがとうございました。

実は今日ってか、昨日の昼頃に毎年恒例の儀式(ウィッシュリスト100個書く)を執り行ってきたのですが。もちろん「あの媒体様で書きたい」「〇〇さんの取材を担当したい」など、色々と目標というか叶えたい夢はたくさんあるのですが、2024年を思い描いた時に一番に浮かんだのは「もっと自分に驚きたい」ということでした。

この1年、嬉しいお仕事が舞い込む一方で正直不安もあったわけで。それでも、最後には完璧な輪っかになるというか……(もちろん、前述の皆様のお陰あってこそです)。あぁ、こんなに遠いところまで来たんだなという気持ちと、私はできるんだ、やれるんだっていう。まだ見ぬ自分を知って驚く。2023年はそういう驚きの日々だったように思います。

2024年はそういう驚きの瞬間をもっと増やしたい、もっと自分に驚きたい。

それが本当にシンプルな今の自分の気持ち。だから、きっとそれをキーワードに歩み続ければ、必ず何かが待っているんだと思います。

最後に。2023年のベスト風景というか、心にずっと残っている…….目を瞑ればいつだってどこだって、あの景色を鮮明に思い出すことができる。そんな素敵な瞬間の話で終わりたいと思います。

2023年8月5日。一人でロッキンへ行って、エレファントカシマシのステージを最前エリアで拝見しました。宮本さんって本当にいるんだ……とあまりの近さに放心したり、声出しOKの「ガストロンジャー」「so many people」で汗なのか涙なのか、よくわからないけど全身の水が吹き出したこととか。色々思い出はあるんだけど。

帰りの電車で一番の思ったのは、あぁ、私は一人だってなんでもできる、どこへだって行けるんだなって。すごくクリアで、力強い勇気をもらったんだ。

後半にかけて何度も「勝ちにいこうぜ!」と叫んでいた宮本さん。私には“自分に”というメッセージとして強く心に刺さりました。

ーーあの夏の燃えるような暑さと。炎みたいなオレンジ色の夕焼け。「勝ちにいこうぜ!」と叫ぶ宮本さんの姿。

私にはこの景色があるから、付いてるから。2024年も絶対に大丈夫だと思う。

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