さえき
Eunt anni more fluentis aquae ―年月は流れる水のように進む―
Tacitum vivit sub pectore vulnus ―もの言わぬ傷が胸の中に息づいている―
どこかで見たイメージばかりが氾濫していて、時々何もかもがつまらない。でも目を開いて、水の一滴、葉に当たる風、雲の具象を、頭を使わず知覚器官だけを便りに知ろうとすると、すごく心を動かされる。面白くないのは、人が作り出した世界のイメージの方なんだと思う。抽象は面白いもののはずだけど、誰かの作り上げたイメージの借り物を使い回してるだけならそれは死んでる。何度も何度も生きなおすことができるものを殺している。 神様は世界に散開していて、それは確かに細部にも宿っている。 具象と抽象を