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WFHSS2023に参加してきました③(Day6)

こんにちは!千葉県八千代市から新しい医療の当たり前を創る、株式会社名優の優一です。

昨日は、午前中にWFHSSの演題を聴講し、午後は現地の滅菌センターを見学しました。


WFHSSの演題

主にPCD(Process Challenge Device)やパラメトリックリリースに関する演題を聴講しました。

欧州で主流であるパラメトリックリリースを実施するためには、温度や圧力のみをパラメーターとするには不十分で、NCG(非凝縮性気体)や内腔器材内部までの蒸気浸透もモニタリングする必要がある。そのような内容でした。

パラメトリックリリースとは、BIなどの無菌試験結果によるものではなく、バリデーションの結果とGMP要求事項への適合確認を基にして、滅菌工程の重要パラメーター(温度、湿度、圧力、時間など)を含めて製造の過程で収集された情報を基に出荷の可否を判断することを指します。

ケミカルインジケータ(CI)の変色結果
内腔器材への蒸気浸透
NCG(非凝縮性気体)


滅菌センターの見学

午後は、MMM社(ドイツ)のウォッシャー・ディスインフェクター(WD)を日本で販売しているエム・エス・シー株式会社のご厚意で、現地の滅菌センターを見学させて頂きました。

MMM社の展示ブースで待ち合わせ、ブリュッセルからバスで1時間半ほど移動。ランチの時間が取れなかったため、MMM社がバスで食べられるランチを準備してくださいました。

バス移動中に頂いたスタバランチ

見学させて頂いたのは、sterima社の滅菌センター。滅菌した医療器材を供給する病院の緊急手術にも対応できるよう、24時間365日稼働しています。

滅菌センターに到着すると、15分程度のsterima社や滅菌センターに関するプレゼンがあり、その後滅菌センターを見学させて頂きました。

プレゼンの様子

滅菌センターは大きく6つのエリアに分かれています。
①搬入口
②洗浄エリア
③組み立て・包装エリア
④滅菌エリア
⑤保管・ピッキングエリア
⑥搬出エリア

滅菌センターの全体像

①搬入口

病院で使用された医療器材は、滅菌センターの搬入口に届きます。使用済の医療器材が収納されたカートはバーコードで読み取られ、どの病院でいつ使用された器材が、いつ滅菌センターに戻ってきたか、すべて記録されます。

使用済器材の搬入口
使用済み器材を運ぶカート

②洗浄エリア

届いた器材は洗浄エリアに運ばれ、まずは用手洗浄や超音波洗浄による前洗浄を行います。

その後、WDによる機械洗浄へ。この滅菌センターでは、MMM社のWDを採用しています。MMM社のWDは、乾燥性能にとても優れているとのことです。

WDがずらっと並んでいる様子は、とても美しい。。。(ちょっとマニアックでしょうか)

洗浄の前洗浄スペース
MMM社製のウォッシャー・ディスインフェクター(WD)

洗浄エリアには、器材を運ぶカートを洗浄するカートウォッシャーもありました。

カートをまんべんなく洗浄できるようスプレーが90°首振りをしたり、洗浄中にカート内にドレーンが溜まらないようカート自体を左右に傾ける仕組みがあったり。

とても考えられたウォッシャーシステムでした。

MMM社製のカートウォッシャー

③組み立て・包装エリア

洗浄された器材は、器材に汚れが残っていないか、壊れていないか等を検査され、セット組されます。

日本では立ったまま組み立て作業をする病院もありますが、作業者の負担を軽減するために、座って作業していました。また、それぞれの身長に合うように、テーブルも高さが自由に調整できるようになっています。

セット組された器材は、包装エリアで丁寧に包装されます。

器材の組み立てエリア
包装エリア

④滅菌エリア

包装された器材は、MMM社の高圧蒸気滅菌器(AC)で滅菌されます。

日本の滅菌器では、2~3段のカートに器材を並べて滅菌することが多いですが、写真のように滅菌する器材の高さに合わせて積載できる仕組みになっています。(伝わりますでしょうか。。。)

これにより、より空間的に無駄なく滅菌物を積載できるようになっています。

MMM社製の高圧蒸気滅菌器(AC)

⑤保管・ピッキングエリア

滅菌された器材は、写真のように保管されます。

保管スペースから、病院に出荷する器材をピッキングし、搬出用のカートに収納します。


滅菌済み器材の保管スペース

⑥搬出エリア

器材をピッキングしたカートは、搬出エリアに並べられます。

どの器材が搬出エリアのどの場所に置かれているかも、すべてバーコードベースで記録されており、ヒューマンエラーが起こらないように管理されています。

滅菌されカートにピッキングされた器材は、トラックで病院に搬出され、手術等で使用されます。

病院に搬出されるカート
病院へ滅菌済み器材を搬出するトラック


Batrikの皆さんと食事

夜は、SALWAYのブラシや先端保護キャップなどを製造しているBatrik社のメンバーと食事をしました。

グラン・プラスといわれる大広場にあるレストランで、ベルギー料理を頂きました。

グラン・プラス
レストランの入り口とMitch

ウイスキー好きなMitchがおすすめする、ウイスキーのジンジャービール割りを頂きました。最初は本当においしいの?と疑っていましたが、かなり飲みやすくグイグイ飲めてしまいました。

Mitchのおすすめ ウイスキー+ジンジャービール
ポークチョップ

いつか、モントリオールにあるBatrik本社に行くのが楽しみです。Mitchの部屋には、壁一面にウイスキーが置いてあるそうなので!

Mitch、Suzy、JPと


今日はいよいよ、WFHSSの最終日です。

皆さん、よい週末を。

優一@Brussels


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