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Apple II ▷ ジョイスティック(3)

▷機械式ポテンショメータ
ゲームI/Oを活用したシンプルなインタフェースを工作することを構想した段階で,制御にArduinoを採用することに決めていました.というのも機械的ポテンショメータとして電子工作で多数出回っているジョイスティックを利用することを考えるとArduinoがやはり取り扱いやすいからです.
さて,その機械式ジョイスティックですが,Parallax社製の2軸(X-Y)ジョイスティックです(写真1).

写真1.ジョイスティック(機械式ポテンショメータ)

可変抵抗は各軸10KΩで,センターポジションに自動的に戻る機構を備えています.このジョイスティックを使用した実験・工作をしたことがあるひともおられるのではないでしょうか.参考情報も多数あり安心です.

▷デジタルポテンショメータ
デジタルポテンショメータはその名のとおりデジタルですので抵抗値の変化はリニアではなく,ステップ状となります.そのステップの数をタップ数あるいはポジション数と呼びます.将来的な応用を考慮して今回の工作ではタップ数256のものにしました.また制御にArduinoを用いるのでインタフェースはSPIのものを採用することにしました.
以上の条件で検討した結果,Microchip社のMCP41xxxシリーズのものを選択しました(写真2).ただし可変抵抗値が150KΩという今回の工作にとって都合のよいものありません.同社が提供しているのは抵抗値は10kΩ, 50kΩ, 100kΩなのです.そこで50kΩと100kΩを直列に接続して,同時に制御することにしました.

写真2.デジタルポテンショメータ|MCP41050とMCP41100

このデジタルポテンショメータの資料は以下にあります.

https://ww1.microchip.com/downloads/en/devicedoc/11195c.pdf

SPIは図1のとおり、CS、SI、CLKの3ラインです.また可変抵抗の仕組みは同図に"Resistor Array"と記されているとおり,連続する抵抗を切り替えるようになっていることがわかります.ICのパッケージはDIP型とSOP型がありますが,ブレッドボードで実験しやすいこともあり,DIP型を購入しました.

図1.デジタルポテンショメータ|ブロックダイアグラム(※より引用)
図2.デジタルポテンショメータ|パッケージ形状(※より引用)

▷Arduino
ぼくは普段工作に備えてちょっとした実験をする際にはArduino Uno R3を使用しています.デジタルポテンショメータの動作確認はもちろんのこと,今回工作するジョイスティクの実験検証はブレッドボードとジャンパ線で行いました.手軽に実験できることはありがたいですね.デジタルポテンショメータの実験ではテスターで段々に変化する抵抗値を読んで面白がっていました.ただArduino Uno R3自体は結構かさばります.そこで工作の仕上げにはADAFRUIT社のMETRO Mini 328を採用しました.これで先に写真でお見せしたジョイスティックのように手のひらに収まるものをつくることができました.METRO Mini 328はサイズが小さいので後日紹介する予定のApple IIの自作拡張カードにコンパクトに取り付けることができるうえ,隣のカードと干渉することがないので大変重宝しています.
次回は以上の部品を組み合わせた回路について書きます.

写真3.Arduino Uno R3(上)とMETRO Mini 328(下)


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