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名誉よりも今を生きる充実感が嬉しい -I Got A Name-

美声ではないかもしれないけれど

決して美しい声ではないでしょう。

少ししゃがれた声なんですが、
ほっとするような温かさを感じてしまいます。


今回取り上げた楽曲は、「Jim Croce(ジムクローチ)」の
「I Got A Name」です。

I Got A Name

「Jim Croce」は1943年に、フィラデルフィアで生まれ、
大学に在学中からアマチュアグループに一員として
音楽活動を始めました。

最初のアルバムは1966年に自費でリリースしています。

しかし、さほど評判にはならなかったようです。

更に同年、妻となる「イングリット」と結婚し、
妻とのデュエットアルバムも作成し、リリースするのですが、
これも話題に上らず、暫く不遇の時代を過ごします。

一時期、ニューヨークで活動もしましたが、
それも失敗に終わり、ペンシルベニア位に移り住み、
色々なアルバイトで生活を食いつないでいくのでした。

1970年に入り、「Jim Croce」はあるシンガーソングライターと
知り合う事になります。

彼の名前は「モーリーム・ヘライゼン」。

「モーリーム・ヘライゼン」と知り合う事で、
ある意味彼の音楽スタイルは決まったのかもしれません。

そして、「Jim Croce」は子の誕生をきっかけに
プロ歌手になることを強く宣言します。

やがて、1972年を迎え、ABCレコードと契約を結び
3枚のアルバムをリリースしました。

この時シングルとして発表したのが、
「YouDon'tMess Around with Jim」、
「Operator(That's Not the Way It Feels)」、
「Time inaBottle」です。

同年の7月には「Bad, Bad Leroy Brown」をリリースし、
これが、チャート1位に輝き、「Jim Croce」の
名前は一気にメジャーとなったのです。

長い不遇の時代が終わりを告げようとしていました。

Jim Croceの死

ロンドンでのツアーを終え、死ぬ丁度
1週間前には新しいアルバムの録音も終えた
「Jim Croce」ですが、ツアーの最中に
ホームシックにかかり、妻に宛てた手紙の中で
音楽活動を辞めて、小説家か脚本家をめざし、
公の生活から抜け出したいと伝えていました。

しかし、その手紙が妻に届いたのは彼の死後でした。

「Jim Croce」は1973年9月20日、乗っていた飛行機が
木に衝突し、死亡が確認されました。

その日は「I Got A Name」のシングル盤が、
リリースされる前日でもありました。

この事故と似たような飛行機事故があります。

1967年12月10日、「Otis Redding」の自家用飛行機が
湖に墜落し亡くなっています。

この事故の3日前に「Otis Redding」の代表曲
「 (Sittin' on) The Dock of the Bay」が
録音を終えたばかりの事でした。

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Jim Croceのアルバムについて

「Jim Croce」は生前5枚のアルバムを発表しました。

Facets (1966)
Jim & Ingrid Croce (1969)
You Don't Mess Around with Jim (1972)
Life and Times (1973)
I Got a Name (1973)

最初の2作は、あまり話題に上りませんでしたが、
最後の3作は、彼のすべての力を出し尽くした作品のように思えます。

皮肉なもので「I Got A Name」は映画「Last American Hero」の
主題歌として発表されシングルチャートで、2位にランクインしました。

日本では「I Got A Name」を聴いてファンになった方も多いと思います。

「Jim Croce」の声は硬質ですが暖かく、力強く、
説得力があり曲の世界に引き込まれます。

昔懐かしいフォークソングの世界が蘇ってきます。

アコースティックな音の良さを十分知りつくした
職人の心意気を感じさせる名曲です。


【アーティスト情報】
名前  : ジェームス ジョセフ クロウス
出生  : 1943年1月10日
命日  : 1973年9月20日(30歳)
ジャンル : フォークソング、ポップ
職業  : シンガーソングライター
パート : ギター、ヴォーカル
活動期間 : 1966年から1973年

Jim Croceのホームページ

推薦アルバム

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