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「汚れ仕事」

 今日は七時間復職トレーニング。内容は、担当フロアの掃除がメイン。便所掃除と廊下掃除。他の先輩方は九月の準備で忙しそうだったので、ほぼ一日掃除に取り組んでいた。

 誰もが思うことだと感じるが、便所掃除って汚れ仕事だよなぁ、と。だけど、汚れ仕事って誰かが絶対やらないといけない仕事だよなぁ、とも。今までやってきたバイトを思い返すと、引っ越しや倉庫仕事もやってきたが、本腰入れてやっていたのは産廃工場の清掃とラブホの清掃。どちらも正直並みの精神じゃやってられない仕事だなってしみじみ思う。

 産廃工場の清掃は、そこらから集まってくるゴミや瓦礫をコンベアで流している工場の地下に潜り、コンベアから落下した瓦礫や、足首位まで積もった埃の山をバケツに放り込み、コンベアに流す。また、奥のそのまた奥の隅っこに積み上がった砂利をコンベアの所までぶん投げ、それをまたコンベアに流す。いずれも全身を覆う防塵スーツに防塵マスクで低酸素+全身サウナ状態での肉体労働で、鬼ハードだった。けれども、日当一万二千円。銭ゲバ根性全開で瓦礫やら粉塵やら砂利やらスコップでぶん投げていた。

 ラブホ清掃は、恐らく読者の想像通り。夜の営みの後処理。小奇麗に使ってくれる客ならまだ良いが、とことん汚していく客もいる。それらを綺麗にして、部屋を整えて次の客に貸す。シフトの融通が利いたので、マックス二十四時間通しで働いたこともある。流石にキツかったのでそれ以降は止めたが、十六時間くらいは平気で働いていた。昼間に産廃工場や引越、夜にラブホの清掃を続け、三週間で二十七連勤したこともある。流石に今は無理←

 どちらも傍から見れば汚い仕事である。全身を埃まみれにしたり、コトが終えた後の処理をしたり。だけど、それもまた必要とされている仕事であり、誰かがやらないといけない。工場の掃除人がいなくなればいずれ工場は止まり、産業廃棄物を処理しきれなくなる。ラブホの掃除人がいなくなれば、その場所で夜の時間を過ごせる人はいなくなる。
 最近手伝いで行った仕事も、汚部屋の清掃だった。その汚部屋も賃貸部屋なので、誰かがやらねばその部屋に次住める人はいなくなる。汚い仕事を引き受けてくれる人がいるからこそ、社会は回っている。それを蔑む目で見る人間も多少いるだろうが、そういう人間を俺は軽蔑する。

 金だけで見れば、先公だって立派な汚れ仕事だと思う。友人に中学校で教鞭を執っている奴がいるが、久々に会った時に時間外労働が百八十時間を超えたと言う。最近「うまい棒」の会社が書類送検されたとニュースで見た。一月の時間外が百時間超、複数月で八十時間を超えていたとあるが、それを言い出したら教育業界って何だよ。時代錯誤の法律で残業代は微々たる額で、働かせ放題。改革を進めていると世間では言われているが、現場の声を聞くと全然進んでいないと思う。一定時間を超えたら上から怒られるらしく、それから逃れる為にタイムカードを切ってから仕事をしている人間もいるとか。
 目先のことだけ考えていては、将来いずれ誰もやりたくなくなり、教師が絶滅することさえあるかもしれないのに。教師絶滅したら誰が子ども支えるの?YouTuberに任せるの?日本の将来どうなんの??って素直に思っちゃう。その友達、時給換算したら二百円切るか切らないか。最低賃金どんだけ割ってんだよ。金銭面だけ見たら、誰がそんな仕事したがるの?と思っちゃうね。

 色々ぶちまけたけれど、要はどんな仕事も誰かに必要とされてんだよ、って話。便所掃除だって、虫湧いてる汚い便所で用足すの嫌でしょ?だから誰かが綺麗にしてるんだよ?なーんて。掃除しながら考えてたことでした。

 今回の一曲はDEZERT「軽蔑」。感情の赴くまま書いてたらこのワードが出てきたので。カラオケ入ってるけど、中々覚えられなくてねぇ。笑

終わりかけたその夢が殺された時
うまく泣いてほしい
トゲの生えた優しさは
偽物を掴んだ声だけ求めて溶けてゆく

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