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③「ファインディング ネバーランド」ストーリーを読み解く


ご機嫌よう。
ミュージカル大好きメリアです。
「ファインディング ネバーランド」についての投稿が続きます。
人の温もりを感じるミュージカルでした。


それぞれの目線で

端的に述べると、バリが「ピーターパン」を上演するまでの実話を元にした
ストーリー。
なのに、とても奥が深い。
ミュージカルを観る時、メインのキャラクターに感情移入してストーリーに入り込むことがありますよね?
例えば「レ・ミゼラブル」では、コゼット目線、バルジャン目線、ファンテーヌ目線と、それぞれのキャラクターの目線でストーリーを追う。
奥行きのあるドラマチックなストーリーは、この感情移入する“目線”=テーマが多数設けられているように感じます。

そこで「ファインディング ネバーランド」をいくつかの目線・テーマでストーリーを見直してみました。

1、バリ目線

✳︎仕事に対する意志
スランプに陥っている劇作家のバリは、シルヴィアや彼女の息子たちと関わるうちに、自分が創り出したいものが、「ファンタジー」作品であることを思いだす。
格式高いイギリスの演劇界で「ファンタジー」作品を公演することは、かなりの冒険。
しかし、周りに好まれる作品ではなく、自分の創りたい作品を書く勇気を取り戻していく。

✳︎自分の居場所
幼少期の辛い体験から創造した「ネバーランド」をシルヴィアに打ち明ける。
初めて大人になりきれない純粋な心を受けとめてもらい、
本当の自分をさらけ出せる場所を見つける。

「ネバーランド」「ピーター・パン」を作り出したいきさつ
           こちらをどうぞ⤵️

2、シルヴィア目線

夫を亡くし、自分の命も長くはない事を悟ったシルヴィアは、どんなに夢を見ても自分は死に、周りに迷惑をかけることを恐れ悩んでいた。
しかし、自分と同じように想像力を持つバリと出会い、命ある限り、子供達に想像力を持つことの大切さを伝え続ける決意をする。


3、ピーター目線

https://youtu.be/tBdVZzsYHSQ

父親が病死したとき、大人に父親の病状を隠されていたこと、
父親の死のショックが大きく、悲しみから抜け出せないことで悩んでいた。
ピーターは、早く大人になれば、もう嘘をつかれないし、悲しみからも抜け出すことができると考え、子供らしい空想をやめていた。
そんな中、母シルヴィアの深刻な病状を知り、苦しい胸の内をバリに打ち明ける。
バリは、無理に大人になる必要はなく、子供の心を失わずに生きて良いことをピーターに諭す。



4、舞台「ピーター・パン」誕生目線

フック船長。ワニの懐中時計。ティンカー・ベル。指抜きとどんぐりのキス。妖精の粉。などなど「ピーター・パン」でお馴染みのキャラクターやエピソードの由来が所々にリンクする。
まさに舞台「ピーター・パン」誕生のルーツを知ることができる。

そして、「ファインディング ネバーランド」と「ピーター・パン」この二つのストーリーがシルヴィアの死で重なる。

シルヴィアが、ウェンディの面影と重なり、ピーターに誘われて「ネバーランド」に旅立つ最後は、
亡くなった愛する人は、それぞれの心にある「ネバーランド」で生き続けていると、希望を与えてくれる。

 プロジェクションマッピングなどを駆使する作品が多いなか、
フライングもキャストがリフトしたりと、アナログな演出。
そんな演出が、作品のテーマとする「子供の純粋さを忘れない」から離れず、作品に温もりを与えてました。
そして、キャストの確かな演技力と歌唱力がないと成立しない舞台だと思いました。
素敵な舞台をありがとうございます🥰

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