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桜月

櫻坂46の新曲『桜月』を聴いて(見て)本当にいい曲だと思いました。
本作のセンターは新2期生の守屋麗奈。櫻坂(欅坂)の新2期生というのは2018年の坂道合同オーディションで合格したものの、ただちに配属されず研修生となった後に2020年2月に配属された6人をいいます。
3坂道の研修生出身者として守屋麗奈が初めて表題曲のセンターになりました。これだけでも十分胸熱だ。
守屋はデビューから快進撃を続け、ラヴィットへの出演、写真集の発売など人気メンバーとなっている。
なぜ研修生だったのだろう。

今回の『桜月』のMVでは、守屋は不思議な役まわりをする。
まずイントロではメンバー全員が倒れている。
そして別の世界線で13人のメンバーが眠るなか守屋だけが目を覚まします。
メンバーが2、3人踊るシーンのなか守屋は一緒に踊っていたりそれを見守っている。
どういうことか。

守屋は欅坂が好きで坂道合同オーディションを受け合格したものの配属されることはなく欅坂のメンバーにはなれず研修生となった。
欅坂は平手友梨奈の不調、メンバーの卒業脱退でボロボロになり、自分の憧れていた先輩たちに声をかけることも話をすることもできないままに遠くから1人また1人が去るのを見送ることしかできなかった。
更に2期生として先に加入していった同期たちが戸惑い行き詰まっていくのも同様に何もできず遠くから見ることしかできなかった。

余談だが研修生になるというのは、資質が足りないということもあるだろうけど、それに加えて各々の家庭(保護者)の考え方や学業との兼ね合いもあるのかなと思う。守屋はオーディション合格時は大学生であり、学業を優先させたのかなとも考える。

メンバーであってメンバーでない、もしかしたら配属されずにこのまま終わるのかもしれない。
そんな守屋は欅坂の崩壊を見て、自分がいたら何かできたかもしれないと悔しさを感じていただろう。
一緒に踊る自分とただ見つめている自分がいる。
自分たちが欅坂に間に合っていたら、と、2つの世界線が混在している。

『私たちはずっと見守っていた』
そんな新2期生6人の思い。
守屋は残された緑の本を見て、その時何が起きていたのかを知ることになる、そして1期生2期生の苦闘に自分を重ね合わせ想像を巡らせる。

踊ってるメンバーを守屋は見つめている、時に寂しそうに、でもメンバーは守屋を見てはいない。
それは現在ではなく過去。
守屋は現在も過去もそこに寄り添っていた。
過去が見えたとしても現在は変えられない。
過去にて寄り添い、ともに歌い踊っていた守屋は実体ではなく世界線を超えた虚像である。

アウトロでは、森田は守屋に何かを託し、守屋も森田に何かを伝える。それは2023年1月ではなく2018年11月のこと。

しかし、全ては過去のことであり自分にそれを食い止めることはできなかったのである。
その事実を胸に守屋は過去から退場し、同じ世界線に存在する現在へと戻っていくのである。
過去は変えられない、しかし全てを理解した守屋(新2期生)は「桜月」により1期生2期生と完全に融合した。
そして櫻坂46は黄金期を迎える。

では欅崩壊の苦難を誰が止めに行ったのか、その物語は6枚目へと引き継がれていく。


危機を食い止めようとする小林由依(1期生)
危機を食い止めようとする小池美波(1期生)
最後に危機を止める守屋麗奈(新2期生)


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