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メロンの冷製カッペリーニ

第13回も前回に引き続き、「ビストロ お野菜と.」代表の伊藤 賢司(いとう けんじ)さんが一緒にレシピを考えてくださりました。

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今回、伊藤さんにはなんと3つのレシピを考えてくださいました。ありがとうございます!

お野菜をメインに様々なお料理を提供する伊藤さんに野菜の魅力についてお伺いしながら、メロンのレシピを教えてもらいましょう。

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➖前回のお話の続きですが、「10年後に自分のお店を持つ」と期限をきめて料理の修行を27歳からはじめられ、いよいよ期限となる37歳の時に有言実行でオープンされたのがこの「ビストロお野菜と.」なんですね。

はい。必ずお店を持つと決めていたので、中途半端にやるのもよくないと思い、お店の物件探しは仕事を全て辞めてから始めました。その当時はウーバーイーツが世の中に浸透し始めた時期で、自分も配達をしながら、都内の各地のリサーチをしました。気に入った街があればそこで物件を探したりもしたのですが、なかなかいい物件に出会えない。お店をやるには料理や自分の理想の空間イメージだけでなく、立地や住んでいる方々の傾向、家賃など色々なことを考えなくてはいけません。納得のいく物件に出会いたいと思うあまり、ウーバーイーツで都内を駆け回っていたら月に40万円も稼いでいた時期もありました。(笑)そうして、やっと出会えたのが、ここ神楽坂の物件だったんです。

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➖お野菜をメインにしている理由は何かきっかけがあったんでしょうか?

10年の間、料理の勉強をしてきたら、前菜やお魚、お肉料理、パスタなど自分の好きなものはなんでも出すお店にしたいと思うようになりました。一方で、自分のお店ならではの専門性も欲しいと思ったんです。自分の作りたい料理がつくれて、かつ専門性のある料理はなんだろうと考えた時に、ふと思いついたのが「野菜」だったんですね。野菜なら、どんなお料理のシーンにも登場することができます。

お野菜を扱ってみようと思い、修行時代に知った千葉県松戸市にある「タケイファーム」さんに連絡してみたんです。そうしたら、「一度畑に来てみて」と言われてすぐに行きました。そしたら本当にすごかったんです。

➖お野菜と.さんでは、タケイファームさんから直送の有機野菜をつかっていらっしゃるそうですね。どんな特徴があるのでしょうか?

畑に実際に行って、お野菜をいただいた時に本当に驚きました。力強くて、みずみずしくて、エグみが全くない。お野菜が生き生きとしていて生で食べて本当に!美味しいんです。これは間違いない!と思いました。有機野菜は、作るのは非常に大変だと聞きますが、その分野菜の「強さ」を感じます。言い換えると、味わいがとてもハッキリしているんです。野菜だけで食べるとちょっとクセが強いと思っても、お料理として他の食材と合わせるときにはそれくらい味がハッキリしている野菜の方が美味しく感じます。

あと、畑に行ってすごく面白かったのが、スーパーでは決して出会えないバラエティ豊かな野菜に出会えること。例えば、アスパラってスーパーで売られている形のイメージが強いですが、花や葉っぱもきちんと生えていて、しかも食べられるんです。あとはオクラの芽とか。ネバネバした食感で風味が個性的でとても美味しいんです。ぼくのお店ではこういった野菜も使わせてもらっているのですが、それも農家さん直送食材ならではの醍醐味ですね。

うちのお店では、「決まった種類の野菜を発注」することはしません。プロの農家さんが、その時々で一番良い野菜を送ってくださる仕組みになっています。野菜が届いたら、その野菜をもとにその週のメニューを考えています。自分のレシピに合わせて、無理やり野菜の種類を決めるよりも、プロの方に野菜のチョイスはおまかせした方がずっと美味しい料理になると思います。なので、うちでは、季節やその時々によって使用するお野菜とともにメニューも変わっていきます。

➖伊藤さんが考える「野菜の魅力」はどのような部分でしょうか?

1つ目に、色彩がとても豊かであることです。ぼくは料理は味だけでなく見た目もかなり重要な要素だと思っているので、お料理を見たときの「きれいだな」という感動や印象はとても大事にしています。野菜は様々な色があるので見た目でも楽しむことができます。

2つ目に、調理法により沢山の食べ方があることです。焼く・煮る・ゆでる・揚げるなど、調理法によって同じ野菜でも全く違う料理になります。これは他の食材にはない魅力だと思います。

➖ありがとうございます。多くの野菜を扱う伊藤さんが考えてくださった2つ目のレシピは「メロンの冷製カッペリーニ」ですね。使うお野菜はトマト、リーフ、にんにくだけという非常にシンプルな材料ですね。

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はい。色々な野菜や食材を組み合わせて複雑な味わいにすることもありますが、メニューによってはどの食材が主役か分からなくなってしまいます。今回のレシピは、メロンの甘さや爽やかさをしっかりと楽しんでいただくためにシンプルな構成にしています。

➖シンプルな材料ながら、にんにくとアンチョビの香りがしっかりとあることで、軽すぎず重すぎない味わいになり美味しいです。それから、メロンの皮の飾りがとても素敵でした!

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メロンの皮ってすごく綺麗な模様だと思うので、お料理に活かせたら嬉しいですよね。さらに、「食べられたらいいのに」と思って、皮だけをオーブンで焼いてかじってみたのですが、ちょっと食べるのは難しそうです。(笑)皮をうすく削いで飾りにしても、とても綺麗なので是非試してみてください。

ビストロお野菜と.・伊藤さまが教えてくださったレシピ:

メロンの冷製カッペリーニ(1人前)

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材料

メロン…8分の1玉程度
にんにく…2分の1片
カッペリーニ…70g
オリーブオイル…60g
ミニトマト…4個
アンチョビ…1枚
白ワインビネガー…15g
塩、こしょう…適量
ベビーリーフなど、お好みのリーフ(飾り用)…適量

事前の準備:カッペリーニを茹でるためのお湯を沸かしておく。塩分濃度は1.5%にする。
メロン8分の1は、ブロック状にカットしておく。メロンの皮は飾りとして捨てずに取っておく。

つくりかた:

1.ミニトマト4個を半分に切り、にんにく2分の1片をみじん切りにする。冷たい状態のオリーブオイルにミニトマト、にんにく、アンチョビを入れ、フライパンで弱火で軽く炒める。(にんにく、ミニトマトに火が入る程度でOK)

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2.1.をボウルにあげ、氷水でよく冷やす。

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3.カッペリーニを塩分濃度1.5%の湯で2分茹でる。茹で上がったら氷水にあげ、よく冷やし、しっかりと水気を切る。

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4.3.を2.にあわせ、よくまぜる。そこに白ワインビネガーひとまわしと、オリーブオイル少々を入れ、さらに和える。

5.4.を味見し、塩こしょうでお好みで味をととのえる。

6.パスタをお皿に盛り付ける

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お箸にパスタを巻きつけると美しく盛り付けられます。

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7.ミニトマト、メロン、リーフを上から散らす。

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メロンの皮を飾りに使うと見た目のアクセントになります

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さらに!特別にメロンとロマンで販売中の「メロンとココナッツのジャム」をオリーブオイルで伸ばして

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ソースにしてくださいました!

8.最後にこしょうを軽く振り、完成!


レシピ考案にご協力くださったお店:

ビストロお野菜と.

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〒162-0825
東京都新宿区神楽坂6-23 神楽坂ガーデンA棟 2階
tel  03-6265-0346

[月〜金]
18:00~23:00(L.O.22:00) 
[土・日・祝]
17:00~23:00(L.O.22:00)

定休日
不定休

※営業時間が変更となる場合があります。
店舗(03-6265-0346)にお問い合わせください。


photo:Takashi Sato

text:Mayuki Tsujihara
(果房 メロンとロマンのディレクターとして働きながら、ライターとして日本の島々や地域で働く方々に取材なども行なっております。好きなメロンはタカミメロン。)





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