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普遍論争

窓から射し込む柔らかい陽を浴びながら
孫娘と並んで本を読んでいる。
この子が本のページを手で押さえながら横の私に訊いた。
「大切なことは目に見えないって、どういう意味?」
どう答えてやるか、自分の本を一旦閉じて頭を巡らせた。
「好きとか嫌いとか、優しいとか意地悪な気持ちとか
そういうココロだね・・・それに大切な命も見えないよね」
と言うと「ふ~ん」と、また本に戻って行った。
プラトンは、まず神があってすべてが存在していると論じ
弟子のアリストテレスは「神」という名を付けて
存在しているようにしているだけではないかと疑った。
実存論と唯名論、2000年の普遍論争・神学論争である。
世の中に私がいるのか、私の中に世の中があるのか
堂々巡りだが、問わずにはいられない。

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