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イメージの暴走

家内が外出していて、自分で食事の用意をして
食器を洗おうとしたとき
見慣れない長い柄の付いたスポンジが目に入った。
そしてギョッとした。
柄の長さが便器を掃除するスポンジと同じだったからだ。
便器を洗ったスポンジで食器を洗うという
恐ろしい連想が奔ったのだ。
気を取り直して、そんなイメージの暴走をする自分を笑った。
帰宅した家内にその事を話すと、
「いや~ねえ、ポットみたいに底の深い物を
洗うのに便利なのよ」と嘲笑う眼差しを向けた。
 
歯を磨いてから口を漱ぎ、何気なく口を開けて鏡に写すと
舌先に赤い小さい腫瘍らしきものを見つけた。
特に痛みはない。
「舌がん」という言葉が脳裏に浮かび、心配になり、
ネット検索で調べてみた。
舌がんの腫瘍の写真と見比べると、どうも似ている。
さあ、病院に行くか、手術入院になるか、
いくら掛かるだろうか、
貯金は保険は大丈夫か、
子供達に僅かだが財産があって、
諍いが起こらないように、
公証役場に行って遺言書を作っておかねばなるまい・・・と、
ほとんど一瞬であの世に往くところまでのイメージが暴走した。
 
隣の国が怪しい、武力を着々と積み上げていると聞く、
近隣国と手を組んでいる様子もある、
だからだろうか国主の発言がどうも
威圧的になってきている。
それなら、やられる前にやっつけなければならないと
イメージの暴走はいつでも悲劇的だ。
 

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